法事の挨拶。施主になった貴方へ失敗しない話し方のコツ


法事の施主になると、必ず挨拶をしなくてはなりません。改まった場所で、大勢の方を前に挨拶をするのは緊張しますよね。何をどんな風に話せば良いかも、悩みます。でも、法事は故人の冥福を祈り偲ぶ場ですから、挨拶も故人と一番近い立場にある施主の貴方が、ご自身の言葉で心を込めて伝えるように心がければ、大丈夫です。

挨拶の内容についても、法事の種類(一周忌なのか三回忌なのか等)や故人と施主の関係(親子、夫婦等)によって、話すべきことは大体決まってきますので、その法事にふさわしい内容で組み立てていけば、難しくはないものです。今回は法事の施主になった場合の、基本的な挨拶のあり方と、上手に伝えるための準備や方法についてお伝えします。

法事の挨拶は、法要後の会食の有無で変わる

法事は大きく分けて、住職の読経による法要と、その後の会食の二部構成が一般的です。施主の挨拶は、主に後半の会食の前後に行いますが、会食がない場合は法要の終わった後に行います。その場合は、以下のような順番で挨拶すると良いでしょう。

1.参列していただいたことと、法要を無事終えることができたことへの感謝

2.葬儀の後、法要までの間の報告と、お世話になったことへの感謝

3.会食を行わないことについて、お詫びなど

例)本来であれば皆様と一緒に粗宴を囲みながら◯◯(故人の名前)を偲びたいところではございますが、遠方からおこしの方も多いため、本日はこれでお開きとさせていただきます。

4.引き出物などの連絡事項

例)お荷物になるかとは存じますが、心ばかりのものを用意してございますのでお帰りの際には、どうかお忘れなきようお持ち帰り下さい。
会食がある場合は、上記1番のあとに、別の場所で会食の用意があることを伝えましょう。

例)心ばかりではございますが、別室にてささやかな席をご用意しております。お時間の許す限り、どうぞゆっくりなさっていってください。
どちらの場合も最後にもう一度、「本日はまことにありがとうございました」のように、感謝の言葉を入れましょう。

 

法事の挨拶のメイン。会食開始の挨拶は、和やかに簡潔に行おう

会食を始める際の挨拶では、参列者が、食事や話を始めやすいように、できるだけ和やかな雰囲気で話すことが大切です。まずは季節柄や天候について触れ、遠方の方が多い場合はその点にも触れつつ、来場へのお礼を述べます。

次に故人が生前お世話になったことへの感謝や、葬儀から法事までの間、施主やご家族がどのように過ごしていたかなどの、エピソードを軽く盛り込み、参列者が故人を回顧できるきっかけを作ります。最後に、「お時間の許す限りごゆっくりなさっていってください」など、お食事を促すようにして終わります。あくまでもお食事の前なので、長くても5分以内に終わるようにします。

 

いよいよ終わりの挨拶。名残惜しさと感謝の気持ちを伝えよう

法事最後の挨拶は、まず歓談中の皆様に、「今回の法事はこれで終わりです」ということが伝わるよう、大きめの声で話し始めます。「そろそろお時間となりましたので、これにてお開きにしたいと存じます」といった言い方で大丈夫です。

続けて、参列者の方々と故人の思い出話をできたことを喜び、まだまだ名残はつきないという気持ちを伝えます。最後に、遺された家族への引き続きの支援をお願いして締めます。施主と参列者の関係によって、言い回しをアレンジすると良いですよ。法事の返礼品がある場合は、そのことも忘れずに伝えましょう。

 

メモを用意しておこう

法事の当日、施主というのは、何かと忙しいものです。挨拶の文言を前もって考えておいても、緊張していざとなると思い出せなかったり、肝心なことを言い忘れてしまうこともあります。また、当日急に伝えなければならなくなることが出てきたりすることもあるので、メモとペンは必ず持ち歩くようにしましょう。特に会食後の挨拶では、お酒を飲んでいることもありますから、メモを用意しておくと安心ですね。

 

丁寧な言葉遣いで、前を向いて話そう

法事に限らず、挨拶する時はできる限り丁寧な言葉遣いをします。緊張すると、うまく言葉が出てこないので、前日までに一度は声に出して練習してみると良いですよ。また、用意したメモを見ながら、ずっと下を向いての挨拶では、せっかくの気持ちが伝わりません。

メモを見るのはなるべく最低限にして、前を向いてハッキリと、参列者の方々の目を見るように話すと、故人の亡き後もしっかり頑張っている様子が伝わり、記憶に残る法事となります。

 

施主というのは、一生のうちに、そう何度も経験するものではありませんから、法事の挨拶となると、つい堅苦しく考えてしまいがちです。でも、法事はあくまでも故人と近しい間柄の人同士が集まって、故人のことを思い出す場です。挨拶の言葉遣いは丁寧にしなければなりませんが、話す内容は、参列した方々が共感できるような、身近なもので大丈夫です。

・参列していただいたことへのお礼と、葬儀の時や葬儀後の、さまざまな厚誼への感謝の気持ちを伝える。
・久しぶりに、故人のことをゆっくりと思い出し、偲ぶことができるような雰囲気を作る。
・季節や当日の天気、その会場にした理由など、その法事ならではの内容を入れてオリジナルな挨拶内容にする。

この点に注意して挨拶をできれば、参列者、ご家族はもちろん、施主の方ご本人にとっても、思い出深い素敵な法事になる事でしょう。


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