三回忌の挨拶、基礎知識。マナーを押さえた、基本の例文

三回忌の挨拶、基礎知識。マナーを押さえた、基本の例文
三回忌の挨拶は、故人の命日から数えて満2年の日に執り行う、「年忌法要」での大切なものですよね。三回忌までは遺族や親族に加え、故人の友人や知人も招いて盛大にしますが、次の七回忌の法要からは規模を縮小し、遺族と親族で執り行うのが一般的。

したがって、友人や知人にとっては、これが事実上の「故人を偲ぶ会」となるケースが多いはずです。そうなると、三回忌の挨拶は、他の法要と比較しても、より一層皆さんへの感謝の思いを込めて行いたいですよね。

そこで今回は、施主が行う、三回忌法要での挨拶の例文をお伝えします。基本的なマナーを押さえて例文を準備したので、三回忌以降の年忌法要にも、きっと役立つ例文が並んでいます。

ぜひ本記事を、故人への敬意と偲ぶ心を持ちながら、三回忌の挨拶を組み立てる参考にしてください。

三回忌法要開始の挨拶

まずは、参列者全員の入場と僧侶の入場が完了したら、施主の三回忌法要開始の挨拶で、僧侶の読経が始まるのが法事の始まり。そこで最初に、三回忌開始の挨拶、例文をご覧ください。

【 三回忌の挨拶、開始 】

「本日はご多用中にも関わらず、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

これより、父「○○○○」の三回忌の法要を執り行いたいと存じます。

ご住職、宜しくお願いいたします。」

「父『○○○○』」の部分は本来は「戒名」としますが、最近は名前のケースもしばしば。もしも気になるようなら、あらかじめ僧侶に尋ね、どちらにするか決めると安心。

また「ご住職、宜しくお願いいたします」の僧侶への呼びかけの部分は、「目礼」でも構いません。その場合、それをきっかけに僧侶が読経を始めますので、目礼はわかりやすく行うことを心がけてください。

三回忌法要終了の挨拶

僧侶が読経や法話を終えて退場したところで、施主は「三回忌法要終了の挨拶」を…。この後に会席を設けている場合は、その案内を忘れずにここで行っておいてください。

【 三回忌法要終了の挨拶 】

① 会食がない場合

「本日はご多用中のところ、お集まりくださいまして誠にありがとうございました。

おかげさまで、父の三回忌の法要を無事執り行うことができました。

おそらく父もひと安心しているのではないかと存じます。

父亡き後、今日まで皆さまには多大なるご厚誼を賜りながら、ゆっくりお礼を申し上げることもできず、誠に申し訳ございませんでした。

この場をお借りして、改めまして心より御礼申し上げます。

本来であれば皆さまと共に粗宴を囲みつつ、ご一緒に父を偲びたいところではございますが、遠方からお見えになった方も多いため、本日はこれにてお開きとさせていただきます。

お荷物になるとは存じますが、心ばかりのものを用意してございますので、どなたさまもどうかお忘れなきようお持ち帰りください。

本日は、誠にありがとうございました。」

法要の後、会食の席を設けない場合はこれが三回忌の「締めの挨拶」となることを意識してください。そしてこの挨拶で引物があることを伝えます。

② 会食がある場合

「本日はお忙しい中をお集まりいただき、誠にありがとうございました。

皆さまのおかげを持ちまして、父の三回忌法要を無事に執り行うことができました。

きっと父も安心していることと思います。

これからも変わらないご支援のほどを宜しくお願い申し上げます。

心ばかりではございますが、別室にてささやかな席をご用意しております。

お時間の許す限り、どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。

本日は誠にありがとうございました。」

もしも会食がある場合は、ここではなく「会食のお開きの挨拶」が「締めの挨拶」となるので、ここは「中締め」といった雰囲気の挨拶に…。引物は会食のお開き後、持ち帰りいただくため、今は伝えません

会食開始、三回忌の挨拶

全員が会場に集合し、着席したら挨拶を始めます。施主の挨拶に続く「献杯」は、杯を故人に捧げて敬意を示すもの。お祝いの席や飲み会の「乾杯」のように杯を打ち合わせたり、大きな声で唱和しないよう注意してください。

献杯の合図は施主が行っても、他の方が挨拶に続けて行っても構わないので、ここでは2タイプの例文をお伝えします。

【 三回忌の挨拶、会食前 】

① 施主自らが献杯の発声もする場合

「本日は誠にありがとうございました。

こうして、皆さまに父を偲ぶ席におつきあいいただくことができ、父もきっと喜んでいると存じます。

ささやかではございますが、父の思い出話などをしながらお召し上がりいただければ、何よりの供養になるのではないかと存じます。

それでは、献杯させていただきます

献杯。」

② 他の方に献杯前の挨拶と、献杯の発声を依頼した場合

「本日は誠にありがとうございました。

おかげさまで父の三回忌法要を滞りなく済ませることができました。

きっと父も安心してくれたことと存じます。

これよりお時間の許す限り、皆さまと共に父を偲びたいと思います。

それでは、父の友人の△△△△様より、ひとこと賜りたいと存じます。」

その後依頼した方に、三回忌の挨拶をしていただき、献杯の発声をしていただきます。

会食終了、三回忌の挨拶

この挨拶が事実上「三回忌法要の締めの挨拶」。引物についてはここで触れ、持ち帰っていただくことを伝えてください。

【 三回忌の挨拶、会食後 】

「皆さま、本日はお忙しい中を最後まで父のためにおつきあいいただき、誠にありがとうございました。

名残はつきませんが、本日はこれにてお開きとさせていただきたいと存じます。

まだまだ未熟な私共ですが、これからも家族で力を合わせて参ります。

どうぞこれからも変わらぬご支援のほどを宜しくお願い申し上げます。

ささやかではございますが、お手元にお礼の品をご用意いたしました。

お荷物になってしまい大変恐縮ですが、どなたさまもお忘れないようにお持ち帰り頂ければと存じます。

どうぞお気をつけてお帰り下さい。本日は、誠にありがとうございました。」

以上のように、三回忌法要の挨拶は会食なしなら2回、会食ありなら4回…。まさに施主の三回忌の挨拶ではじまり、施主の挨拶でお開きとなるのです。

早口になったり声が小さくならぬよう、落ち着いてしっかりと三回忌の挨拶を行うことが大切ではないでしょうか。

例文を見ていると、三回忌法要の挨拶はそれほど長く話す必要はなく、むしろコンパクトにまとめたほうが良いのがポイント。

「締め」にあたる三回忌の挨拶には、故人に成り代わっての御礼や、遺族への今後の支援などを盛り込みますが、それも「言いたいこと」をまとめれば、それほど長くはなりません。

たくさんのエピソードを入れるよりも、シンプルな言葉の方がより一層感謝の気持ちが伝わりやすくなるもの。ぜひ挨拶の文例を参考に「よりよい三回忌の挨拶の言葉」を考えてみてください。

まとめ

三回忌法要の挨拶のポイント

・法要開始の挨拶で読経が始まる
・会食があるか・ないかで内容が変わる
・会食開始の挨拶の後は、献杯
・会食終了の挨拶は事実上、締めの挨拶


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