使い分けたい敬語の知識。尊敬語と謙譲語の違いとは

使い分けたい敬語の知識。尊敬語と謙譲語の違いとは
敬語には尊敬語と謙譲語があるということは国語の時間に勉強しましたよね。でも、子供の頃は就職活動や社会の上下関係なんてわかりませんから、ただ先生の言うとおりに暗記するだけだった……という人も多いのではないでしょうか。

子供の頃はテストで○をもらえれば良いという程度の認識だった敬語が、大人になると礼儀やマナー、そしてその人の態度や教養などの人物的評価にまで関わってきます。上司に敬語の使い方、尊敬語や謙譲語の使い分けができていないと注意され、「あの時真面目に勉強していれば……」と後悔する人は少なくありません。でも、改めて尊敬語や謙譲語を人に聞きたくても、大人になると恥ずかしくてなかなかできませんよね。

そこで今回は、最低限必要な敬語の知識と、尊敬語や謙譲語の違いについてお伝えします。



 

使い分けたい敬語の知識。
尊敬語と謙譲語の違いとは

 

敬語の種類


敬語の種類に尊敬語と謙譲語があるということは冒頭でご説明しましたが、そのほかに丁寧語というものもあります。これら3つの違いをしっかり理解しておくことで、とっさの場面でも言いたい言葉を適切な敬語で言い換えできるようになります。

まずは尊敬語ですが、これは文字通り会話している相手に敬意を示し、立てることを目的とした言い回しです。例えば「言う」という言葉ですが、これは尊敬語では「仰る(おっしゃる)」「言われる」などになります。

また、謙譲語は尊敬語とは逆に話し手がへりくだって、結果的に相手を上げることになる言い回しですので、形は違いますが相手が上、自分が下となることには変わりありません。先ほどの「言う」ですと、謙譲語では「申し上げる」「申す」となります。

また、丁寧語は今回の主題ではありませんが、違いを理解するために知っておいて損はありません。丁寧語は誰を立てるでもへりくだるでもなく、ただ丁寧に言っただけの言葉で、お互いの立場や話題を問わず使われます。「言う」であれば、「言います」と、です・ます調の言い回しが主となります。

 

ビジネスシーンで良く使われる尊敬語、謙譲語


先ほどのご説明で尊敬語と謙譲語のイメージが湧いてきたと思いますので、ここで、ビジネスシーンでよく使われる言葉を尊敬語と謙譲語に分け、過去形も加えてご紹介します。先ほどの「言う」はもちろんですが、それ以外にも使われる言葉はたくさんありますよね。

まず、「する」ですが、これは尊敬語では「なさる(なさった)」「される(された)」となり、謙譲語では「いたす(いたした)」となります。ビジネスシーンではさらに丁寧語も加わり「なさいます(なさいました)」「されます(されました)」、「いたします(いたしました)」と言うのが一般的です。

そして、待ち合わせや面接でも使う「会う」も大切な言葉です。しかも、これは自分と相手が会う場合、相手と第三者が会う場合で変わります。相手が第三者と会うことを尊敬語で言うと「お会いになる(お会いになった)」「会われる(会われた)」になりますが、自分が相手と会う場合は、「お会いいただく(いただいた)」と、尊敬語の「お会い」と謙譲語の「いただく」が合体します。また、謙譲語だけで会うことを言う場合は、「お目にかかる」となります。

 

間違えやすい例


上記のように複雑なルールがある尊敬語や謙譲語のため、間違って使ってしまうこともよくあります。その中でも、特に間違えやすいものをご紹介します。

ビジネスシーンでよくあるのが、来客と上司など、自分から見て目上の人間が複数出てくる会話での失敗です。会社勤めの人の場合は、敬語の優先順位は「来客→上司→自分」の順番になりますが、これが混乱して来客との会話で上司に尊敬語を使ってしまうということが多く見られます。例えば、来客に対して「これから上司が来る」ということを伝える時は、「これから○○(上司ですが呼び捨てが正解)が参ります(来客から見ると目下の相手なので謙譲語を使う)」が正解ですが、ここで「これから○○さんがいらっしゃいます」と言ってしまうようなケースです。

こんな失敗が笑い話で済めばよいですが、相手が言葉遣いに厳しい人の場合は問題になることもあり得ます。そうでなくても上司の顔に泥を塗ることになるので、しっかり予習しておく方が安心です。

 

いかがでしたか。社会人になると特に重要視される敬語、その中でも尊敬語と謙譲語の使い分けについてご説明しました。いくつか例を挙げてお話ししましたが、これだけでも本当に複雑ですよね。

社会人になりたての頃は、実力よりも礼儀、特に言葉遣いを見られる傾向があります。そのため、敬語があまりにもなっていないと、入社から何年たっても「君が新入社員の時は……(笑)」といつまでもネタにされることにもなりかねません。

敬語は実戦経験を積んで覚えるものが多いのも事実ですが、だからと言って「まだ新米だから敬語ができなくても許される」と思っていると周囲に低い評価を付けられてしまうことは間違いありません。ですから、まだあなたが未熟でも、難しくても、混乱しても一生懸命に正しい言葉で話そうと頑張ってみることをおすすめします。そうすることで敬語の正しい使い方が身に着きますし、あなたの熱意も周囲にちゃんと伝わるはずです。

まとめ

敬語の知識と尊敬語と謙譲語の違いは

・敬語の種類には、尊敬語、謙譲語と丁寧語がある
・ビジネスシーンで良く使われる尊敬語、謙譲語は、「する」→尊敬語「なさいます」謙譲語「いたします」、「会う」→尊敬語「お会いになる」謙譲語「お目にかかる」
・尊敬語や謙譲語を使う対象を間違えないようにしよう