接待マナーの基本☆サービス業なら押さえたい7つの気遣い


接待マナーは、取引先やお客さまをもてなす時の礼儀です。「仕事の一部」と言えば確かにそうなのですが、お互いの良好な人間関係を築くのに役立ちますよね。

さらに普段の仕事時間では、なかなか聞くことのできない話が聞けるなど、ビジネスを進めるにあたっては「役立つヒント」を、たくさんもたらしてくれる場でもあります。

さて、その接待を行うには「相手の立場になって考える姿勢」が何よりも必要。特にサービス業に従事している方にとっては「気配り度を試されている」と言っても過言ではありません。

そうは言っても、大切なお客様を相手に、自分の接待マナーが正しいのか、不安もあるもの。。。。そこで今回は、サービス業なら押さえておきたい、接待マナーにおける「7つの気遣い」についてお伝えします。

 

接待マナーの基本☆
サービス業なら押さえたい7つの気遣い

 

食事にお誘いし、店と料理を選ぶ時の気遣い

接待にはカラオケやゴルフなど、いわゆる「レジャー」でもてなす方法もありますが、この記事では飲食店で食事をすることを前提としてお話を進めます。

【 お店選びの、接待マナー 】

★ 「どのようなお店がいいかな」と考えた時、多くの方は自分の好きなお店をイメージするかもしれませんが…。

・ ここはあくまでも「接待する相手の好みに基づく」ことが、大切な接待マナーです。

前もってお店や料理など、相手方の好みを聞き出しておきます。

とは言え、いきなりこのような話題に入るのも不自然ですから「お食事でもご一緒にと考えているのですが、お好きなお料理などはありますか?」などと話を切り出しても良いかもしれません。

【 お食事に誘う際の、接待マナー 】

★ もしも、事前に情報が耳に入っていれば、

・ 「ご招待したいお店がございます」

・ 「先日の感謝の意味を込めて、お食事でもいかがでしょうか

とお誘いをします。

ただ、あまりにもしつこくプッシュすると「何か見返りを求めているのかも」と不快に思われてしまいますので、あくまでもさりげなくお誘いすることを心がけます。

★ OKの返事があったら、接待の日時は相手方の都合を優先し、実際に店を選ぶ作業に入ります。

 

実際に店を予約する時の気遣い

店は個室がある場所や相手方が帰宅しやすい場所など、くつろぎやすく便利なことを考慮して選ぶのも、接待マナー。ある程度お店が決まったら、実際に食事に出かけて以下の点についてチェックをしておきます。

【 お店チェック 】

料理の味はどうか

店の雰囲気はどうか

お手洗いや洗面所は使いやすく清潔か

この点がOKでしたら予約を入れます。

その際には「接待で利用すること」を伝えておきます。できればコース料理を頼んでおいた方が、店側が様子をみながら料理を出してくれるので便利です。

また、相手方が苦手な食べ物があったらそれを避けてくれるように依頼したり、手土産を用意する場合は預かってくれるかどうかも忘れずに確認しておきます。会計の方法やタイミングも、この時に打ち合わせます。

【 会場を伝える時の、接待マナー 】

★ そして、相手方に店の名前と住所、地図などをメールで伝えます。

・ ただし、格式重視の接待ならメールではなく、招待状を用意したほうがより確実です。

 

手土産や二次会を準備する時の心遣い

【 手土産の接待マナー 】

★ 手土産は菓子折りなどを、相手方の家族へということで用意します。

・ 子どもも喜んで食べてくれるようなものなど、相手方の状況に合わせて接待の前日までに用意しておきます。

また、場合によっては二次会のセッティングも行う必要があります。接待を行う店よりも、少しくだけた感じの店を何店かピックアップします。

【 接待マナー:二次会のセッティング 】

★ 自分だけの判断ではなく必ず上司の判断を仰いでから予約をするのも、接待マナーのひとつです。

・ 手土産についても上司の確認をとっておくことをおすすめします。

 

お迎えをする時と接待のはじまりの心遣い

当日を迎えたら、必ず相手方よりも早く会場に行き、店の前でお迎えをします。会場に入ったら上座に相手方をお通しするのが、接待マナーの常識。

【 はじまりで気を使いたい、接待マナー 】

★ まずは乾杯から始まります。この時、お酒をグラスに注ぐ時は、瓶の中ほどを手の甲が上に来るようにして右手で持っち、左手を軽く添えるのが正解!

・ また瓶のラベルが上に来るように、持つ位置にも気を配ります。

なお、手のひらの上に瓶を載せるように持ってお酒を注ぐのは「逆手の逆注ぎ」と言い、大変失礼な「接待のマナー違反」となります。

もしもアルコールが苦手だとしても、一口だけでも口をつけるのが接待のマナーです。その後はソフトドリンクに変えても大丈夫です。

【 接待マナー:アルコールの有無 】

★ 相手方にもアルコールを避けている方がいるかもしれません。

・ よく目を配って決して無理をして頂かないよう、注意します。

 

接待の最中の心遣い

【 会食の最中での、接待マナー 】

★ 会食の最中は…

① 常に「グラスは空になっていないか、料理は足りているか」などに気を配ります。

② 話が途絶えない雰囲気をつくるのも大切です。

・ 前もって相手方の好きなテーマ興味のありそうなテーマの情報収集を行っておくと安心です。

なお「きどにたてかけし衣食住」という言葉を覚えておくと、接待のみならず様々な場面に役立ちます。

これは「気候・道楽(趣味)・ニュース・旅・テレビ・家庭・健康・仕事」それに続けて「衣服・食・住まい」の頭文字をとったもので、これらについて話せば会話が途切れない、というものです。ぜひ利用してみてください。

★ また、接待のマナーとして「直接的な仕事の話は避ける」ということも忘れずにいたいものです。

・ あくまでも「おもてなし」の気持ちを忘れない姿勢が大切と言えるでしょう。

 

会計をする時の心遣い

会計は頃合いを見はからい、目立たないようにそっと席を立って行うのも、重要な接待マナーです。

【 会計時に忘れやすいチェック事項 】

★ この時、領収書の名前に誤りがないかきちんとチェックしておきます。

・ もし会計が5万円以上を超える場合は領収書に「収入印紙」を必ず貼って貰わなくてはなりません。

これがうっかり忘れられてしまうことがあります。ぜひ、注意深くチェックすることも覚えておいてください。

 

お見送りをする時の心遣い

会食が無事お開きとなったら、手土産をお渡しします。

【 手土産をお渡しする際の、接待マナー 】

★ 相手方がタクシーで帰宅する場合は、ドアが閉まる前に全員で挨拶を済ませ、タクシーが見えなくなるまでお見送りをします。

・ また、相手方が電車で帰宅する場合はホームまで一緒に行き、お見送りをしてください。

つまり「相手方がお見えになる前に会場に行き、相手方がその場を去るまでお見送りをする」のが接待のマナー、と考えれば分かりやすいですね。

 

いかがでしたでしょうか。接待のマナーは「目配り・気配り・心配り」そして「気働き」が必要です。冒頭でも述べましたが、実は接待マナーとは、サービス業にも欠かせない心遣いだったのです。

しかし、このような席ではどう取り繕うとも「普段の行い」が如実に現れてしまいます。場を盛り上げようとつい調子に乗って飲みすぎたり、話を途絶えさせないために「立て板に水状態」になってしまうようでは、相手方に不快な印象を与えるだけになってしまいます。

せっかく綿密な計画を立てて行うのですから、思いやりと謙虚な心で「どうしたら、相手方が喜んでくれるか」を考えて行動することも、接待マナーの心得。相手方とより良い関係を築くことにつながり、自分のスキルを上げるきっかけになるのではないでしょうか。

本記事を参考にして、サービス業同士でも納得してもらえる、上質な接待マナーを身につけましょう!

 

まとめ

相手への配慮を忘れない接待マナーとは

・食事のお誘いはさりげなく、相手方の好みを最優先
・店を選ぶ時もチェックを怠りなく
・手土産や二次会は「相手方の状況」を考え、自分一人で決めない
・お迎えから決して気を抜かない
・接待の最中は常に「気配りのアンテナ」を立てておこう
・会計はあくまでも目立たないようそっと済ませる
・「相手方がその場を去るなるまで」が接待です


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