ご祝儀の書き方は、意外とあまり考えないまま、イメージで書き進める方も多いですよね。けれども日本人にとってお祝いをスマートに渡す作法は、その人の品度を表す重要なもの。ご祝儀の書き方ひとつで、人となりを判断されることにもなり兼ねません。
ご祝儀と言えば結婚式を第一に思い浮かべますが、その他にも出産祝いや入学祝いなど、お祝い事はたくさん!そんな時、今では祝儀袋にも規定のない自由なものが増え、よりカジュアルに贈るケースも増えてきました。
とは言え、相手によってTPOを分けられるのが大人の所作。スマートに対応したいですよね。そこで今回は、日ごろから知っておきたい、ご祝儀の書き方マナーをいくつかお伝えします。
本記事を参考にしながら、同僚や友人へはカジュアルに、上司や親族にはよりフォーマルに…、と上手に使い分けてみてください。
ご祝儀の書き方、基本のマナー☆
丁寧に贈る基礎知識
金額による、ご祝儀袋の選び方
ご祝儀袋、近年では大きな文具店へ行くと、おしゃれな袋が多く陳列しています。これだけたくさん陳列していると、選ぶ方も楽しいものですが、実は何でも良い訳ではありません。
【 ご祝儀の書き方、袋選び 】
★ ご祝儀と一口に言っても、知人友人であれば五千円前後が相場。一方で親族になると三万円~五万円と言う事も多く、両親や祖父母では十万円以上…、などもあり、その金額は幅広いはず。
・ そのため、包む金額の内容に比例して、袋も上質なものへ変わるように選ぶのが作法。ちなみに、五千円以下の「おこずかい的に渡すもの」ならポチ袋と言う場合もあります。
五千円以上になると水引の付いたご祝儀袋を選びますが、装飾で少しずつ差を付けるのが一般的。十万円以上になると、大きめのご祝儀袋を選ぶ方も多いです。
お祝い事による、ご祝儀袋の選び方
冒頭でもお伝えしたように、ご祝儀の書き方はもちろん、お祝いの内容によって袋自体の選び方も変わってきます。特に意識して選びたいのは水引!
【 ご祝儀の書き方、お祝いの内容 】
★ 結婚式は何度もあっては欲しくないお祝い事。そのためご祝儀袋の水引はしっかり結ばれて解けない、「あわじ結び」や「結び切り」を用いるのが基本。
・ 一方で出産祝いや入学祝い、新築祝いなどの何度あっても喜ばしいお祝い事では、「蝶々結び」などのほどける水引の結び方のものを選んでみてください。
お祝い事ですから金銀の水引が多く、入学祝いなど全般的なお祝いでは赤白を用いても問題ありません。基本的に奇数本の水引を用いますが、婚礼の場合には10本のケースもあります。
基本のご祝儀の書き方
ご祝儀の書き方でまず意識しておきたいのは、筆記用具。マナーにあまり興味がない方のなかには、ボールペンを使う場面も見受けますが、これはよほどカジュアルな場合。フォーマルな席では、毛筆が基本となり、日ごろでも筆ペンがベスト、黒墨必須です!
【 ご祝儀の書き方 】
★ 表書きはそれぞれのお祝いに合わせて、「寿」や「御結婚御祝い」(五文字にするのは奇数の文字数にして、割り切れないと言う縁起から)、「御祝」などと入れてください。
・ 水引の下には一人であれば中央に自分の名前をフルネームで記入。夫婦など、連名の場合には、右側に目上の方(上司など)や年長の方を書いて、左へと書き進めるのが正解。
ただし、表書きで書ける名前は三名までがマナー。それより多い人数で包んだのなら、別紙に名前を書き入れて、中袋に入れておくと親切です。
ご祝儀の中袋の書き方
続いてご祝儀の中袋の書き方ですが、近年では書くべき内容が案内されるように、すでにその欄が印字されているものも、見受けられます。
例えば「金額___円」などの欄が見られるものがあるのではないでしょうか。この場合には、その欄に従って書いてOKですが、白い封筒であれば下記のように進めてください。
【 ご祝儀の書き方、中袋 】
★ 表面には中央に縦書きで、「金○○○円也」と書き入れ、裏面には左側に小さい文字で住所と氏名を入れてください。郵便番号まであると親切です。
・ この時の金額ですが、数字は旧漢字で書くのが本来のマナー。最も書く機会の多い感じとしては、「一、二、三、五、千、万」が、「壱、弐、参、伍、阡、萬」となります。
ちなみに、お祝い事では「死」とも取れる「四」や、「苦」ともなる「九」は避けるべき数。結婚式の場合でも、割り切れる偶数はイメージが悪いため、奇数の金額を選ぶのが日本の作法なのです。
いかがでしたでしょうか、ご祝儀の書き方や包み方マナーには、まだまだたくさんの細やかなものが多く、実に奥が深い世界ですが、まずは準備をする段階で押さえておきたい、基本のマナーをお伝えしました。
ちなみに、準備するお札は「新札」を必ず準備したいもの。郵便局や休日などになると、時には「新札に交換できない!」など、焦ってしまう経験を持つ方も少なくありません。事前に準備をしておくと安心。
ただ、「どうしようもない!」と言う時のちょっとした豆知識として、時にはアイロンを当てて対処する方もいるとか…。本当にギリギリの時には、ぜひ試してみてください。
せっかく丁寧に準備したご祝儀。お渡しする際には袱紗(ふくさ)に包み持ち歩き、袱紗を台のように下に敷いて、両手で丁寧にお渡しできれば万全!マナーあるご祝儀の書き方と渡し方で、お祝いをしてください。
まとめ
ご祝儀の書き方の基礎知識
・金額に比例した豪華さで袋を選ぶ
・お祝いの内容に合わせた水引を選ぶ
・毛筆か筆ペンの黒墨で表書き
・連名なら三名まで、残りは別紙に書く
・中袋には表に金額、裏側に住所
・金額は旧漢字の数字で書く