フレンチのマナーについて、自分はこれまで無難にこなしてきたと思っている方、そのマナーは本当にあっていると自信を持って言えますか?見よう見まねでマスターしたものの、見落としているマナーがあるかもしれません。
フレンチのマナーは、学校で学ぶことも少ないですし、家庭できちんと教わるというケースも稀なので、日本では、自ら勉強しないとなかなか身につきません。また、高級店では、マナー違反な行為をしていても、お店の人に注意されることもないので、間違った認識のままでいることが多いのです。
しかし、フレンチのマナーは知っている人は知っています。もちろん、高級店であればお店の人は熟知していますから、タブーとも言えるような恥ずかしいマナー違反をしたら、無知で失礼な人だと思われてしまいかねません。やはり少し恥ずかしいですよね。
そんな、誰しもがついやってしまいがちな、フレンチのマナーでのタブー集をお伝えします。
フレンチマナーをマスター!
高級店で間違えやすいタブー集
自分がリードしようと頑張り過ぎない
女性とフレンチの高級店に行くことになったら、つい頑張って自分がリードしようと張り切ってしまう男性がいます。これも実は注意したい行動のひとつです。
【お店に入店してからのスマートな座り方】
★ フレンチのマナーでは、お店に入店したらお店のスタッフに従います。
お店のスタッフにしたがって席まで行きます。お店の人に促されてから荷物を預け、席に座るというのが基本です。
女性にいいところを見せようと「荷物預ける?」と言ってみたり、必要以上に席まで自分がリードしようとしないように注意しましょう。フレンチの高級店では、お店のスタッフのホスピタリティーも充実しています。スタッフに任せてみてください。
女性はモタモタしない
フレンチのマナーが求められるような高級店に入ったら、品のある女性を演じようと、いつもよりゆっくりとした動きを意識する女性がいます。男性にリードされて、自分はモタモタしているくらいがちょうどいいと思っているのかも知れませんが、大間違いです。
【レディーファーストのマナー】
★ フレンチのマナーでは、男性はレディファーストが鉄則です。
そのため女性は男性を待たせないように、てきぱきと行動するのが基本です。席につくのも、お料理に手をつけるのも、男性は女性が先にするのを待っていますから、自分はもたつかないようにしましょう。
日本の女性は奥ゆかしく謙虚な態度に慣れていますが、レディーファーストが求められる場面では、姿勢を正して普段より堂々とした態度を意識してみてください。
男性やスタッフにエスコートされたら、軽く会釈をしてお礼の意を示すこともありますが、あまり深くお辞儀をする必要はありません。
ハンカチやタオルで口を拭かない
女性のたしなみとして、ハンカチを携帯しておくのはいいことでしょう。しかし、フレンチのマナーでは、食事中にハンカチを使って口を拭いたり、手を拭くのはタブーです。
【フレンチの高級店で口を拭く時】
★ 高級店では、必ず各席にナプキンが用意されています。
ナプキンは真っ白なので、汚してはいけないと勘違いするかも知れませんが、ナプキンは口や指を拭くために用意されているものなので、自分のハンカチを出さずに、ナプキンを使うようにしましょう。
ちなみにこのナプキンですが、多くの人々が料理が来てから膝に置いています。けれども実はオーダーをした後に広げて膝に置く方法がマナーです。料理が来た時には膝に広げている状態が理想的なのです。
ただし大勢での食事の場では、主席の人物がナプキンを広げたのを確認してから、自分も広げるように気を付けてくださいね。
スープをパンで拭かない
高級店で食事をする時は、出された食事を完食するのがマナーであるというのは間違っていません。しかし、少しも残してはいけない、とスープをパンで拭いてまで食べようとする人がいます。これはタブーです。
【高級店でのスープの飲み方】
★ 残り少なくなったスープはお皿を傾けて食べます。
フレンチのマナーでは、正確にはスープ皿の奥側を手で少し持ち上げて手前にたまったスープをすくって食べます。そのためパンをスープに付けてお皿をキレイにする食べ方は、完全なタブーなので注意してください。
料理はお皿の上でいじらない
高級店では、ナイフとフォークをスマートに使いこなして料理を食べるのがフレンチのマナーです。しかし、キレイに料理を切ろうとすることに意識が行き過ぎて、必要以上にお皿の上で料理を回転させたり、裏返したりする人がいます。これもフレンチマナーのタブーのひとつです。
【フレンチマナー、ナイフとフォークの扱い方】
★ 料理は左側から食べて行きます。
右側にフォーク、左側にナイフを所持して食事をして行きますが、この時フォークの動きが最小限になるのが、左側から切って食べる方法です。右手でフォークを刺し、料理を切ると、そのまま口に運ぶことができます。
★ 料理は一口大に切り、一度に切り分けないことが基本的なマナーです。
★ フォークで刺した後、切った料理をひっくり返さず、そのまま口へ運びます。
このように、料理は盛り付けられた形や方向にまで意味があります。なるべく料理の盛り付けを崩すことなく、一口で食べられる大きさにカットしてスマートに食べます。フレンチマナーを実践すると、フォークのナイフの動作が最小限に抑えられていることに気付きますよ。
食事の最中にナイフとフォークを揃えておかない
日本人でよくやってしまいがちなのが、食事中にナイフとフォークを一時的にお皿に置く時にナイフとフォークを揃えてキレイに置いてしまうことです。これは、食事の終了を意味する行為であり、食事中にするのはフレンチのマナーではタブーです。
【フォークとマナー、食事中の合図】
★ 食事中に、少しナイフとフォークを置きたい時は、自分から向かってお皿にハの字に置きましょう。これで「まだ食事が終わっていません」という事をお店の人に伝えることができます。
ちなみに前述したナプキンですが、食事中に立たなければならない時には、机の上ではなく、椅子に置いて席を立ちます。食事が終わった後、お店から出るために席を立つ時は、机の上に置いて立ちましょう。
ナプキンをキレイにたたんではいけない
食事が終わり、膝にかけていたナプキンをテーブルの上にきれいにたたんで置いて帰るという行為をやったことがある人は多いでしょう。何がタブーなのかわかるでしょうか。
【フレンチマナーでの、食後のナプキンの取り扱い】
★ 実は、意外にもナプキンをきれいにたたんでテーブルの上に置くのは「料理が不味かった」という意味を持ちます。その意図がないとすればマナー違反になってしまうのです。
★ ナプキンは、中央をつまんで三角にして、テーブルの右側に立てておくのが正しい作法です。
いかがでしたでしょうか。フレンチのマナーというのは、日本人の常識やマナーの考え方では想像もつかないようなことが正しいとされたり、逆に正しいと思いがちなことがタブーだったりします。
男性であれば、自分のいいところを見せようと張り切り過ぎて、お店側に対して失礼に当たるような事をやってしまうというのはよくあることですし、女性は丁寧になりすぎて逆にフレンチのマナーのタブー行為をしてしまっている場合があります。
これらフレンチのマナーは、特に日本人にとっては勉強しないとわからない感覚のものが多々あります。しかし、今回お伝えしたような、よくあるタブーをおかさないように注意すれば、大体をカバーできます。
自分の思い込みを信じすぎず、正すところは正してスマートに高級店での食事を楽しみましょう。
まとめ
間違えやすいけれど重要な高級フレンチのマナーとは
・高級店ではお店のスタッフの人に案内に従おう
・男性はレディファーストを、女性はもたつずに行動しよう
・テーブルに用意されたナプキンで口元を吹こう
・スープが少なくなったらお皿を傾けてすくおう
・料理はお皿の上でいじらずに食べやすい大きさにカットしよう
・食べ終わっていない時はナイフとフォークを揃えて置いてはいけない
・最後にナプキンはたたまずにテーブルに置こう