派遣になると有給休暇や社会福祉制度など、自己責任でしっかり調べないと、知らないだけで損をしていることも多いですよね。ただ、昔と比べると今は雇用形態も随分変わりました。アルバイトからパート、正社員と派遣社員など実に様々。
特に今の時代、派遣社員はたくさんいます。今から20年前、日本は景気が悪く雇用も少なかった就職氷河期時代、派遣という雇用形態が浸透しました。一時期はドラマになったほど、派遣という働き方がクローズアップされていた時代もありますが、現代では多くの働き方のひとつとして馴染んでいます。
それでも広まっていない感のある、派遣社員への雇用形態の知識。なかでも、派遣も有給休暇はとれるのか、あまり知らされていない人が多いです。実は、労働基準監督署のもと、労働者は皆平等に休暇を取れることになっています。
しかし現実はどうでしょうか。正社員でさえ上手く取ることができないなか、派遣にも有給休暇を取ることが現場でできるのか、素朴な疑問がありますよね。そこで今回は、派遣の仕組みとさまざまな働き方での休みについて、お伝えします。
派遣に有給はあるの?
働き方を選ぶ前に押さえる基本
雇用形態について
雇用とは労働力を買って、働き手を雇うというシステム。雇用形態からまとめてみました。
【 派遣の有給休暇☆雇用形態 】
★ 直接会社に雇用されている
・正社員
・契約社員
・アルバイト
・パート
★ 派遣会社に雇用されていて勤務先に出向している
・派遣
見ただけでわかりますが、派遣社員の場合は雇用主がそもそも派遣会社、登録して在籍している社員です。でも実際働いている場所は出向いているだけで、働いている会社から直接の賃金はもらっていません。
言うなれば、芸能プロダクションに所属している芸能人のようなもの。正社員も派遣も有給があるのか…、次からは有給についてお伝えしていきます。
有給休暇の考え方
従業員のリフレッシュとして有給休暇はあります。正式には年次有給休暇と呼び勤続年数で有給休暇の日数が決まっているのです。
【 派遣の有給休暇☆権利 】
★ 労働者の休暇の権利とも言え、年次有給休暇は、労働者すべてに当てはまり法的に認められている権利。
・ アルバイトやパート契約社員、派遣も有給休暇は権利としてありますが、なかなかとりにくい実情はあるようです。
派遣の有給休暇、申請方法
会社によって申請期日を設けていて、その期日に申請すれば有給を取ることができます。ただ、前日でもOKというところもあれば、1週間前には申請するといったところも…。
【 派遣の有給休暇☆申請 】
★ 派遣が有給休暇を取る時、穴埋めを誰かが行わなくてはいけない状況もあるので、早めの申請がマナー。
・ 周りにかける迷惑を最小限に抑えるためにも、最低3日前には申請することが円満な有給取得です。
当然派遣も有給を取る場合は申請が必要ですが、少し手間がかかります。次ではどのような手間がかかるのかお伝えします。
派遣社員の特別な雇用形態が問題
権利としてあるのが有給休暇ですが、派遣社員については雇用形態が特殊なだけ問題も複雑。雇用主は派遣会社なので、有給を取るとなると、お給料は派遣会社が負担することになります。
【 派遣の有給休暇☆申請先 】
★ 派遣の有給というのは、派遣会社への有給休暇の申請をするのが、書面上の手続き。
・ ですが業務上の支障がでるのは派遣先の出向企業。これが問題になりやすいポイントです。派遣の有給申請は、派遣会社と勤務先の会社に願い出なくてはいけません。
派遣先では、雇用契約に有給を取るなんて書いていないと言われたり、派遣会社ではクライアントが有給は無しでと言われているなど、話がかみ合わないケースも…。
有給休暇を取得する本人が、どちらにも交渉をしなければいけなくなる、板挟み状態になる点を、賢く乗り越えなくてはなりません。
正社員と派遣の違い
正社員は会社が定める労働時間に働いて、雇用の期間が決まっていない雇用形態ですが、派遣の場合は違います。
【 派遣の有給休暇☆雇用期間 】
★ 派遣は雇用期間が決まっていて、3か月ごとに勤務先に更新をしてもらわなくてはいけません。
・ 「派遣で有給休暇を取る契約はしていない」と勤務先に言われれば、次の契約更新を人質に取られているような感覚になり、有給休暇を取るということがしづらいことも。
そういった実情で派遣が有給を取らない、取れない現状を生み出しているのです。
有給は難しいが、派遣にもメリットはある
派遣の有給は実情難しい部分もありますが、デメリットばかりではありません。正社員ですと就業時間きっちりに帰れないことも多い繁忙期でも、関係ないのが派遣。
【 派遣の有給休暇☆派遣のメリット 】
★ 定時きっかりに帰れるのが派遣のメリット。会社の飲ミニケーションにも強制参加を断りやすい、というものメリットのひとつ。
・ 育児中の方や介護をしている方などには、時間の都合がつきやすく、かつ収入を見込める派遣は魅力的です。次の就職先を見つけるまでの仕事としても、派遣が選ばれる理由。
履歴書を書く際に入社と退社を繰り返すと、心象が悪く再就職に影響が出ますが、派遣の場合は「派遣会社入社」と記載するだけで、色々な業種にチャレンジできるメリットも。
自分経験値を高める目的で派遣を選ぶ人も、中にはいるのです。すべてがデメリットというわけではありません。
いかがでしたでしょうか、今回は派遣の有給について、そして今の実情についてお伝えしてきました。実際問題派遣の有給取得には、手間がかかることは事実。上手く自分に有利に有給を取る方法は、「派遣会社の営業と信頼関係を築く事」。
出向先の会社と直接交渉する、派遣会社の営業マンとの信頼関係ができていたら、派遣登録者のあなたのお願いも聞いてくれる可能性大なのです。
信頼を勝ち取るためには、誠実に仕事をすることが何より。デキる派遣社員は、営業マンにとっての強み。そんなあなたからの有給のお願い、聞かない訳にはいきません。
難しいクライアントの出向先でも、そつなくしっかり仕事ができる派遣社員は、手放したくないはずです。
派遣社員も雇われてはいますが、これからの時代はしっかり交渉できる人間が勝ち抜いていく時代。できる派遣を目指して有給を勝ち取ってください!
まとめ
派遣社員の有給休暇事情
・労働者は皆有給休暇がある
・派遣の有給は派遣会社からもらえる
・勤務先にも有給を取ることを伝える
・派遣だと有給の取得が難しいこともある