日常会話を敬語に変換するというのは意外と難しいものですよね。自分は自信を持って使っていたのに、実はその敬語は間違っていたということを後から知って冷や汗をかいた経験がある方もいらっしゃるでしょう。
日本語の尊敬語や謙譲語はたくさんあり複雑なため、しっかりと勉強していないと覚えられないものです。言葉の末尾に「られる」や「れる」を使えば良いと思っていては、いつか恥ずかしい思いをすることになります。年齢を重ねてからも間違った敬語を使っていると「今まで何を学んできたんだ・・」と思われてしまいます。そして敬語の中でも尊敬語は目上の人を敬う表現ですから間違わないように使いたいものです。
そこで今回は、社会人として知っておくべき日常会話の正しい敬語への変換についてお伝えします。
日常会話を敬語に変換!
ビジネスに応用が効く5つの表現
目上の人に労いの言葉をかける場合
皆さんが意外と使っている言葉に「ご苦労様でした」がありますが、この言葉は目上の人に言うと失礼に値するということを知らない方が多くいます。聞き流されてしまうため、間違っていることを誰にも指摘されずに使い続けている方は非常に多いのではないでしょうか。
仕事が終わって上司から「今日はご苦労様」と言われて「課長もご苦労様でした」なんて言ってしまうと社会人として半人前だと思われてしまうでしょう。なぜ「ご苦労様」がNGかと言いますと、自分のために動いてくれた人にかける言葉なので目上の人に使ってはいけないのです。いくら「ございます」や「です」をつけてもダメ。目上の人への「ご苦労様」を正しい敬語に変換すると「お疲れ様」となります。目上の人を労うときは丁寧に「お疲れ様でございました」「お疲れ様でした」と伝えましょう。
読んだかどうか確認する場合の敬語
ビジネスでよくあるシーンの一つに、上司が資料やメールを読んだかどうか確認することがありますよね。その際に「読みましたか」では偉そうですし、これでは敬語とは言えません。
「読みましたか」を正しい敬語に変換すると「読まれましたか」「お読みになりましたか」となります。間違って使ってしまいがちなのは「拝読されましたか」ですが、この「拝読」は目上の人に何かを読ませてもらった時に使うので、相手の本を借りたり、相手から手紙をもらったりしたら使いましょう。それ以外で使うと意味が違ってしまいますし、自分が何かを読んだときは「読みました」で構いません。
食べたかどうか聞くときの敬語
食べたかどうか聞くときも尊敬語と謙譲語が混ざってしまいがちなので注意をしたいところです。間違っても目上の人に「お寿司をいただきましたか?」など言わないようにしましょう。「いただく」は「食べる」の謙譲語なので自分がご馳走になったときに使います。どんなに丁寧に言っても明らかに間違っているので恥ずかしい思いをしてしまいますよ。「食べましたか」を正しい敬語に変換すると「召し上がりましたか」「お食べになりましたか」となりますので押さえておいて下さい。
物をあげるときの敬語
物をあげるときに「これ、あげます」と言うととても偉そうに感じるのではないでしょうか。「あげる」行為自体が上からのように感じますから、言葉は適切に使わなければなりません。「あげる」を敬語に変換すると「差し上げる」となります。押しつけがましくなく更に丁寧にするためには「よろしければ」をつけると良い印象になるのでオススメです。目上の人に何かをあげるときは「よろしければ差し上げます」となります。
見たかどうか聞くときの敬語
ニュースやテレビを見たかどうかを聞くとき「見られましたか」も簡単な敬語としては有りですが、より丁寧な敬語に変換すると「ご覧になりましたか」となります。「れる」がつくと軽い敬語の表現となってしまうので「れる」以外の敬語がある場合はそちらを使いましょう。
見たかどうかを聞くときに絶対に使ってはいけないのは「拝見されましたか」です。「拝見」は「見る」の敬語変換ですが、目上の人に自分が何かを見せてもらった時などに「拝見しました」と使います。目上の方に使うのは大間違いですから気を付けましょう。上司に使ったら叱られてしまうかもしれませんよ。
いかがでしたか。これで基本的な日常会話を正しい敬語に変換することができますので、安心して敬語を使うことができることでしょう。
お伝えしたものの他にも注意したい言葉があります。例えば「了解しました」は正しい敬語に変換すると「かしこまりました」「承知しました」となりますし、「わかりましたか」の尊敬語は「おわかりになりましたか」「ご理解いただけましたか」になります。敬語はたくさんありますから、日々勉強しておくのも必要です。
正しい敬語を使えると自分が立派な大人になった気がしませんか。敬語に自信がないと言い淀んでしまったり声が小さくなって印象も良いとは言えないでしょう。自信を持って話すことができれば自然と声にも表れるものですし、敬語をしっかりと使えるようにして、堂々と振舞える人になりたいものですね。
まとめ
ビジネスにも使える日常会話を敬語に変換するときは
・目上の人を労うときは「お疲れ様でした」
・「拝読」は謙譲語だという事を覚えておくこと
・食べたかどうか聞くときは「召し上がる」を使う
・物を差し上げるときは「よろしければ」を使うと好印象
・見たかどうかを聞くときは「ご覧になりましたか」を使う