縁談の時に両家がそれぞれかわす履歴書のようなものを釣書と言いますが、その書き方といわれても、縁談にご縁が無ければ分からないものですよね。縁談というと結婚を親が決めた時代の古い習わしのようですが、お互いの身元保証が約束された縁談は、今でも根強く人気なのです。そんな折、いざ縁談の機会に恵まれた時には「釣書とは??」と書き方に慌てることがないようにしたいものです。
縁談という喜ばしい機会を良縁につなげるには何事も始まりが肝心。釣書は縁談の履歴書ですから、書き方一つで印象も変わってきます。そこで今回は、釣書ってなに?縁談をスムーズに進める正しい書き方について、お伝えします。是非、マナーに沿った素敵な釣書の書き方をマスターし、素晴らしい縁談のスタートにしましょう。
釣書ってなに?
縁談をスムーズに進める正しい書き方
釣書とは何か
釣書は「つりしょ」、「つりがき」と呼ばれる縁談時の履歴書のような物です。主に関西圏で使われる言葉で、関東圏でいう「身上書」と同義になります。
企業の採用試験では、第一次選考が履歴書やエントリーシートのみという場合が多く、その出来栄えが今後の人生を左右するといっても過言ではありません。釣書もこれと同じですから、書き方次第で縁談が良縁に繋がるかどうかが決まってくると言えます。
釣書は縦書き。B5~B4サイズで手書きする
釣書の書き方は、基本的に縦書きです。用紙は便箋サイズのものから、B4と比較的大きなサイズまでと幅広いですが、きちんと三つ折りにして封筒に入れて渡すことが必須になります。封筒の表書きは『釣書』もしくは『身上書』とします。
封筒の表書きに合わせて、用紙の右から縦書きで『釣書』(もしくは『身上書』)と題し、次に縁談する本人の氏名を略さず表記します。日常的には新字体で表記しているけれど実際は旧字体を使うべき苗字や名前である場合、正確な漢字を使用して記載しましょう。
今ではパソコンから簡単に文書が作成できますし、印刷技術も向上したため見栄えの良い字体をつかって美しい文書をつくることが可能になっています。しかしながら、釣書は手書きで作成することが望まれます。これは、字体にも書き手の人柄が現れるからです。企業の入社試験でも、あえて手書きの履歴書やエントリーシートを提出させているところがあります。これも、印字された文書からは伝わらない学生の人柄を知る為に行われていることが多いのです。
釣書に記載する内容~表題、氏名、生年月日、住所~
釣書の書き方として一般的には表題、氏名の次に生年月日を記します。暦は縦書きという性質上、西暦ではなく和暦を用いましょう。女性としては相手方に年齢を晒すことになり、良い印象を持てないかもしれませんが、今後ご縁をつなぎ、結婚まで視野に入れた状態で会うお相手に渡すものです。自分の事を知ってもらうために必要な情報と割り切ることが大切ですね。生年月日の記載がありますので、具体的な年齢を記す必要はありません。
そして、次に本籍地と現住所を記します。本籍地は省略する場合もありますが、現住所は必ず記載します。もし、難読地名であったり、読み間違いやすい地名の場合は送り仮名をふる心遣いをみせたいところです。
釣書に記載する内容~学歴、職歴(勤務先)、資格等~
つづいて記載するのは学歴と職歴です。学歴は全て記載する必要はなく、履歴書同様高校卒業からの記載で問題ありません。もし、転校回数が多い場合は最後の高校のみ記載し、後述する自己紹介欄に「転校が多かった」旨記載すれば問題ないでしょう。
万一、大学を中退した場合は正直に記載しておきましょう。前向きな中退であったことを表すためには、その後再入学した大学や専門校、留学先、就職先が繋がるように必ず記載するようにしましょう。
職歴も同様で、アルバイト経験まで記す必要はありません。転職経験ももれなく記載すべきですが、日本では転職回数が多いと良い印象を持たれない可能性がありますので、特記すべき前向きな理由がない場合は現在の勤務先のみ記載するなどで対応します。
資格は、自己PRになる他、自営業のお相手であれば結婚相手が運転免許を持っていることを必須に考えてらっしゃる場合もあります。資格は努力なくして得られませんから、努力の功績としてなるべく記載するようにします。ただし、あまりにも個数が多い場合は厳選した数個にしぼりましょう。
釣書の書き方は、まさに履歴書と同じ言えますね。
自己PRとして趣味、特技の他身長体重、宗教や既往歴も記載する
最後に趣味や特技といった自己PRを書き記します。長い文章にはせず、趣味:○○、特技:○○という書き方にしましょう。
身長体重も、必須項目になりますが、具体的な数値を書く必要はなく、「小柄」「長身」や、「華奢」「健康的」「ぽっちゃり」という表記でも大丈夫です。なぜ身長体重をと思うかもしれませんが、縁談相手に細かな容姿の好みがある場合もあります。女性側にも「長身」「がっちり」「細身」といった男性側への好みがありますから、これはお互い様ですね。また、たいていの場合、本人の写真を釣書に同封します。写真からはわからない身長や体格(全体のバランス)情報を伝えるという目的ととらえればよいでしょう。
宗教や既往歴も、縁談を進めるうえでは重要になってきます。日本では、個人個人が自分の宗教や宗派について深く考えることは少ないですし、宗教の話しをすることも滅多にないですよね。それでも、小さなころから唱えていた念仏が違うとか、法要のしきたりが違っている等些細な違いが大きなすれ違いに発展してしまうかもしれません。
既往歴も同様、本人としては問題ないと感じていても、相手が同じようにとらえるという保証はありません。後々になって「どうして隠していたのか」と責められるよりは、釣書の中でお伝えし、縁談の席に着く前にきちんと判断してもらえば良いやというつもりでいると気が楽なものです。
いかがでしたか。釣書の書き方といわれると戸惑ってしまいますが、要は履歴書と同じということが分かりましたね。そして、それはつまり釣書の書き方一つで縁談の良しあしが左右されてしまうかもしれないということにもなります。
恋愛から始まったお付き合いでは、結婚する段階になって相手の借金や離婚歴が判明したりして、好きという感情と現実にどう折り合いをつけていくかが試練となることがあります。その点、釣書を交わしたうえで知り合えば、大きな間違いや不安は起きにくいですよね。釣書がさらりと書けるということは、自分の学歴や職歴の「見た目」だけではなく、「質」にも満足できているという証ですし、他人に知られてはいけないやましい事が何もないという証明になります。釣書の正しい書き方をマスターして、良縁に繋げていきましょう
まとめ
縁談をスムーズに進めるために必要な釣書の正しい書き方とは
・釣書とは入社試験で言う「履歴書」のようなもの
・釣書は縦書き、手書きで作成する
・表題、氏名、生年月日、住所を正確に記載する
・学歴、勤務先、資格は要所をおさえて記載する
・自分の事は嘘偽りなく記載すること