中学時代の国語で「丁寧語」を含む敬語について学んだことは、大人になってしまうと忘れてしまっている方もいますよね。ですが、社会に出るにつれて、学生時代に学んだ丁寧語や尊敬語、謙譲語は使う機会が増えてきます。会社やアルバイト先で、丁寧語であると思って使っている言葉が本当に正しい丁寧語であると自信を持って言うことが出来るでしょうか。
良く使っている丁寧語は、実は他の敬語が混ざっていたりして、あまり綺麗な丁寧語ではない事がほとんどです。一方で、綺麗な丁寧語を使っていると、「綺麗な日本語を話す素敵な人」という印象を与える事が出来ます。
では一体、綺麗な正しい丁寧語とはどんなものなのでしょう。そして、どんな使い方をするのが正しいものなのでしょうか。そこで、今回は素敵な人と言われるような、綺麗な丁寧語の使い方についてお伝えします。
素敵な人と言われたい!
綺麗な丁寧語の使い方
そもそも丁寧語ってなに?
丁寧語のきちんとした定義をご存知ですか。丁寧語とは、話し手が動作、存在等を聞き手に対して丁寧に述べる言葉のことで、敬語の1つです。他の敬語としては、尊敬語や謙譲語があります。
敬語の中でも、日常生活で最もよく使い、相手を問わずに使う事が出来る言葉でもあります。丁寧語の特徴としては「です」「ます」「ございます」を付けて使う事が挙げられます。「ございます」は「です、ます」より丁寧さの度合いが高く、謙譲語に似た丁重な言葉です。
丁寧語と尊敬語、謙譲語って何が違うの?どんな風に使い分けるの?
さて、丁寧語についてはご説明しましたが、では、他の敬語である尊敬語、そして謙譲語とは何が違うのでしょうか。この違いを理解する事で、敬語の3種類が混ざらない綺麗な丁寧語を使える状態に一歩近づきます。
尊敬語とは、目上の人を敬う時に使う敬語です。尊敬語を使う目的は、相手を立てる事です。
また、謙譲語は自分の立場を下げる時(へりくだる時)に使う敬語の事です。自分を下げる事によって、相手を立てたいという目的で使われます。
これらの定義の中だけでも、尊敬語と謙譲語は相手を立てる為の敬語であり、丁寧語は相手に対して丁寧さを表す言葉であるという事がわかります。
では具体的に「いたします」を使ってご説明しましょう。
「いたします」の言葉の元は、「する」という言葉です。これを基本形として尊敬語や謙譲語、丁寧語で使う言葉が分かれます。
尊敬語では、相手を立てる時に「される、なさる」という風に使用します。「○○先輩は大学受験をなさる」のように使う事が多いです。
謙譲語の場合は「いたす、させていただく」という形で使います。「△△教授のお手伝いをさせていただく」のように使い、自分を下に下げる事で△△教授を立てています。
これが丁寧語だと、「いたします」になります。これは「料理をおさげいたします」のように使われます。
このような使い分けを行い、それぞれで話し相手に対して敬意を払います。基本的に、尊敬語、謙譲語は単独で使う事がほとんどなく、丁寧語と併せて使用する事が多いです。そのため、丁寧語は敬語の中で最も使用されるものであると言えます。
具体的にはどんな風に使うの?
敬語の中にも3つあり、その中でも一般的に使える言葉が丁寧語であるとおわかりいただけたのではないでしょうか。
正しく綺麗な敬語を使うには、日常で丁寧語をどのように使用するのかを知る事から始めましょう。ビジネスで使用する際には注意が必要です。
例えば、「すいません」という言葉があります。これを目上の方に用いている所を度々見かけますが、これは目上の方には失礼な表現です。この言葉は「すみません」の口語として発生した言葉ですが、ビジネスマナーの視点でみれば、この「すみません」という言葉を使う事すらよくありません。
「すみません」という言葉には、感謝と謝罪の2つの意味が込められています。そのため、本来は「ありがとうございます」「申し訳ございません」と伝えるのが正式な言葉遣いです。そして、この正式な言い方の語尾は丁寧語になり、基本的にはこのような使い方をするのが綺麗で正しい使い方です。
誤った使い方としては、否定の言葉で「とんでもございません」というものもあります。この言葉を使ったことがある方は多いことでしょう。しかし、この言葉は、否定をしているようで実はしていません。正しくは「とんでもない」となり、丁寧語を使うと「とんでもないことでございます」というのが正解です。
このように、間違っているのに合っているような言葉も実際には存在します。ですので、自分が発している「丁寧語だと思っている言葉」が本当に合っているのかを確認しておくことは大切です。よくある間違いの丁寧語は、「敬語 間違い」等で検索すると具体例が多く出てくるので、参考にしてみると良いしょう。
いかがでしたでしょうか。丁寧語についてある程度ご理解いただけたのではないでしょうか。丁寧語と尊敬語、謙譲語との使い分け方や、正しい使い方と誤った使い方を文章を使ってご説明しました。
こうしてみると、意外と間違って使われている言葉遣いが多いことが分かります。ビジネス上では、いくら身なりや態度がよくても、言葉遣いが間違っていたら残念な人だと思われてしまいます。折角身なりを整えたのであれば、それに見合う正しい言葉遣いを勉強し、外見だけではない出来るビジネスマンを目指したいものです。
ビジネスシーンだけではなく、普段も使う丁寧語。是非とも正しい使い方をして、素敵な人だと思われるような言葉遣いを身に付けましょう。
まとめ
綺麗な丁寧語を使うには
・丁寧語の意味をしっかりと理解する
・丁寧語と仲間の尊敬語と謙譲語の違いを理解する
・「すみません」のような、様々な意味を持つ言葉は意図を明確に伝える
・誤っている使い方をしていないかを自分で確認する