ご祝儀の書き方は、各箇所が少ないため改めて書き方を学ばなくても大丈夫だと思ってしまいますよね。しかし、ご祝儀袋は正式な冠婚葬祭の慶事の時に使うものですから、いい加減に書いて間違ってしまうと、相手に対して大変失礼にあたります。
また、逆に一言でご祝儀袋と言ってもたくさんの種類があるため、「ご祝儀の書き方を、それぞれ覚えるのは大変そうだ…。」と、最初から諦めてしまう人もいるかもしれません。
しかし、大人のたしなみとして、ご祝儀の書き方くらいは知っておくべきです。
ご祝儀袋には格式の高い豪華なものから、水引やのしなどがすべて印刷されているシンプルなものまであります。これは中に入れる金額によって相応しいものを選ぶべきなのですが、基本的に書き方は共通しています。
ならば基本を押さえれば、覚えやすそうですよね。そこで今回は、ご祝儀の書き方について常識的に知っておくべき基本を7つ解説します。
ご祝儀の書き方をおさらい☆
「常識」を押さえる7つの基本
ご祝儀に使う筆記具
ご祝儀の書き方で、最初に押さえておかなくてはいけないポイントが、筆記具です。字に自信がない人は筆ペンで書くのが苦手だからと言って、ボールペンで書きたいと思うかもしれません。
【 ご祝儀の書き方:筆記用具 】
★ ご祝儀は基本的に毛筆か筆ペンで書く必要があります。
ボールペンで書くと失礼にあたりますので、筆で書くのに慣れていない人は何度か練習をしてから、ご祝儀袋に記入をするのがマナーです。
ご祝儀の表書き
ご祝儀袋には表書きというものがあります。ご祝儀袋の上段にある「寿」や「御祝」などのことを表書きと言います。
【 ご祝儀の書き方:表書き 】
★ 結婚のご祝儀の書き方として正しい表書きは「寿」もしくは「壽」で、ご祝儀袋を購入したらすでに書かれているものが多いです。
ただし、書き損じなどで「寿」と書かれている短冊を無駄にしてしまった場合は、予備の短冊に自筆で表書きを書かなくてはいけません。
★ 「寿」の他には「御結婚御祝」か「祝 御結婚」と書くのも正しい書き方です。
名前の書き方
ご祝儀の下段には自分の名前を書くというのは誰でも知っていますよね。しかし、名前についてのご祝儀の書き方にもルールがあります。
【 ご祝儀の書き方:下段の名前 】
★ まず、表書きの文字のサイズよりも少し小さいサイズで書くのが常識です。
また、名字だけでいいと思っている人もいますが、フルネームで書くのが正しい書き方ですので、省略してはいけません。
連名の書き方
結婚披露宴が開かれない相手に、同僚や友人と連名でご祝儀を送るケースはあります。このようなケースのご祝儀の書き方で、気を付けなくてはいけないマナーが連名の順番です。
【 ご祝儀の書き方:連名のマナー 】
★ 連名の場合は右が上座になりますから、年齢や立場が上の人がいればその人の名前を右側に記入します。
同い年の並列関係の友人同士あれば、五十音順に記入すると良いのです。また、連名は多くても3名までがマナーです。
夫婦の連名の書き方
夫婦で結婚披露宴に出席するときには、ご祝儀の書き方として夫婦の名前を連名で記入するのが常識です。代表で夫の名前だけというのはいけませんから注意が必要です。
【 ご祝儀の書き方:夫婦連名 】
★ また、夫婦で連名を書くときは、中央もしくは右側に苗字を一つ書き、その下に並列で右に夫、左に妻の名前を書きます。
2人それぞれのフルネームを並べて書くのも間違いではありませんが、名字は1つにまとめるケースが多いです。
中袋の表面に書く金額
ご祝儀の書き方は表側の袋だけ覚えればいいわけではありません。ご祝儀には中袋があり、文字数としては中袋に書く文字の方が多く、決まりも細かくあります。
【 ご祝儀の書き方:中袋 】
★ まず、中袋の表面には中に入れた金額を明記します。
・ 「金」と書き、その後に1文字分程度のスペースをあけてから「○萬円也」と記入します。
この時、金額には漢数字を使います。代表的な漢数字は、壱萬円、弐萬円、参萬円、五萬円、壱拾萬円です。
中袋の裏面に書く名前を住所
ご祝儀の書き方で意外と間違いが多いのが中袋の裏面です。
【 ご祝儀の書き方:中袋の裏面 】
★ 中袋の裏面の左下には自分の住所と名前を記入します。
・ この時、「住所は知っているだろうから、名前だけでいいや。」と思う人もいるかもしれませんが、住所は郵便番号からしっかりと記入するのが正しいマナーなのです。
もちろん、表書きの下段に名前を書いたからと言って、中袋の裏面に名前を書かないのはいけません。表の袋と中袋はバラバラになることもありますから、中袋にも名前を書くのが基本です。
いかがでしたでしょうか。ご祝儀の書き方はご祝儀袋を購入すると、その袋に説明書きが書かれていることが多いため、それを見ながら書くという人が多いかもしれません。
けれども、十分に書き方が説明されていないケースもありますから、自分の頭に入れておくのが確実です。
ご祝儀の書き方には今回解説したように、細かなルールがいくつかあります。これらは最低限守らなくてはいけないものですが、実は最も重要なのは字そのものです。きれいな字に越したことはありませんが、たとえきれいな字を書けなくても丁寧に書いたかどうかは見た人がわかるものです。
心を込めてじっくり時間をかけて字を書くというのが、ご祝儀の書き方の基本の中では最も重要なポイントなのです。今回解説したポイントをおさえて、ぶっつけ本番ではなく、まずは練習をしてから丁寧に書くことを心がけ、お祝いの気持ちを伝えましょう!
まとめ
正しいご祝儀の書き方マナーとは
・ご祝儀袋にはボールペンではなく毛筆か筆ペンを使う
・ご祝儀の表書きは「寿」か「御結婚御祝」「祝 御結婚」と書く
・下段に書く名前はフルネームで少し小さめに
・誰かと連名の場合は右側が上座として名前を書く
・夫婦の名前を書くときの苗字は一つでもよい
・中袋の表面には漢数字で金額を必ず記入する
・中袋の裏面には住所と名前を左下に記入する