食事マナーは大丈夫?和食でやりがちな5つのNG

食事マナーは大丈夫?和食でやりがちな5つのNG
和食は私たち日本人にとって伝統的かつ日常的な食事ですが、そんな和食のマナーについて知らないことって意外とたくさんありますよね。大所帯で暮らしていた昔は、食事のマナーに厳しい祖父母がいたりして、お箸の使い方から器の持ち方、配膳の方法まで厳しく指導される機会がありましたが、今はそういった機会が無いまま間違った作法を食事のマナーだと勘違いしている人も多いのではないでしょうか。

日本人だからこそ、和食の作法にはこだわりたいですよね。そこで今回は、食事マナーは大丈夫?和食でやりがちな5つのNGについてお伝えします。食事のマナーにおけるNGをしっかりと覚えて、ビジネスやプライベートの要所には欠かせない、和食料亭での会食に備えましょう。

 

食事マナーは大丈夫?
和食でやりがちな5つのNG

 

好物を先に食べる、後に残す

誰しも食事に多少の好き嫌いはつきものです。特に好物が盛り付けられている場合は、これを先に食べる派、最後に食べる派と意見が分かれるところですよね。しかし、食事のマナーとしてこれはNG。特定のものだけを集中して食べたり、後に残して一度に食べようとする行為はマナー違反とされます。

特に、和食の盛り付けは左から順に食べ進めるように計算されて料理が配置されています。左から順に箸を進めつつ、ご飯ものと汁物は交互に食すといった具合に、バランスよくいただくことで、視覚的にも味覚的にも和食を堪能することができるでしょう。

 

お箸を持ちながらお椀を持ち上げる

和食といえば、洋食と違って食事中に食器を持ち上げて食べることがマナーとされていますよね。しかし、ただ持ち上げて食べればよいというものではありません。おいしいお料理だと、ついついお箸が進み、右手でお箸を持ちながら左手であれこれとお椀に手を伸ばしてしまいたくなりますが、これはマナーとしてNGです。

お椀を取るときは両手で包むように持ち上げる所作が美しいとされているため、この時は一旦箸を箸置きへ。まどろっこしく感じるかもしれませんが、料亭ではゆっくりとした時間が流れています。この時間の流れに合わせて、一品一品をゆっくり堪能するつもりでいただけば、おのずとお箸を置いてお椀を取る、という食事のマナーに上品さがプラスされるようになります

両手でお椀を持ち上げた後は、左手にお椀を持ちかえ、右手(利き手)で箸をとったらお椀を持つ左手で軽く箸を挟み、右手できちんと箸を持ちかえて使います。折角両手で持ち上げたのに、お椀を持ちかえた後は右手でぐしゃりと箸をつかんでしまわないよう、美しい所作を心掛けましょう

 

手を皿のようにして料理を口元に運ぶ

箸を持つ手と反対側の手を、箸でつまんだ食材の下に皿のように受けて口元へ運ぶ所作は、汁を垂らさないようにという配慮があり、一見すると上品なようにもみえます。しかし、食事マナーとして一方の手を皿のようにして食材を口元に運ぶ行為は手皿(手盆)というNG行為です。ついやってしまいがちなので癖づいている人は注意して直しましょう。

お刺身や煮物をいただくときは、小皿やお椀を持ち上げ、汁が下に垂れないように配慮します。器が大きすぎる時は、必ず取り皿を使い、これに受けて汁が垂れるのを防ぎます。つまり、手皿は本来使うべき器の代わりに手をつかっているので、横着、下品とされるのです。

 

箸をひっくり返して取り箸代わりにする

船盛などの大皿料理が出てきたとき、取り分け用の箸が無い時は自分の箸を使っても良いとされています。食事のマナーを考える時、自分が口を付けた側の箸で大皿料理を取り分けることに抵抗を感じてしまうかもしれませんが、マナー違反にはなりません。むしろ、気を遣ったつもりで箸を上下返して取り分けようとする方が見栄えが悪くマナー違反とされています。

ただし、自分の箸を使うわけですから、なるべく自分の分にのみ箸が振れるようにしましょう大皿は、上座の方から順に取り分けるようにしますが、自分が立場上上座側だからといって好き放題取り分けてはいけません。よりおいしそうなものをと大皿の上で自分が口を付けた箸をフラフラと動かすようなことはせず、全体のバランスをみて、自分が食べる1人前分だけサッと取り分けるようにしましょう。

 

魚の骨を箸を使わず手で取る

お魚料理は和食に欠かせませんが、骨の処理には困ってしまいますよね。きれいに取り分けたつもりでも口の中に骨が入ってしまった時、食事中にも関わらず指を口に運ぶ行為はマナー違反です。左手か、懐紙を使って口元を隠し、箸を使って骨を取り出しましょう

また、尾頭付きの魚の場合、裏側の身を食べるために魚をひっくり返す行為もマナー違反。直接料理に触れることはあまり勧められないので、懐紙を使って左手で魚の頭を押さえながら、箸をつかって中骨を外し、骨だけを持ち上げて向こう側へ倒しましょう。使った懐紙は、外した骨や皮の目隠しにも使えて便利です。皿の端にひとまとめにしたところへ、そっと懐紙を被せましょう。

骨ではありませんが、添えられたレモンや酢橘を絞るのも、手ではなくて箸をつかうのが正式な食事のマナーです。

 

いかがでしたか。食事のマナーというと、つい日頃おろそかになりがちで、その分いざという時に「勉強しておけばよかった」と後悔するもの。特に和食は日頃私たちの身近にある料理なだけに、自己流が横行し、大事な場面で恥ずかしい思いをしてしまうことも少なくありません。

今回お伝えした5つのNG集の他にも、箸の持ち方や使い方だけでも本当に奥が深いといえる、和食のマナー。しかしこれらは、目にも口にもおいしく味わってもらうために作られた料理人の作品をいただく、食べる側の心遣いから生まれたものばかりです。がつがつと、ただ食べるだけではなく、是非、和食のマナーを身に着けて、料亭でスマートに食事できる大人になれたら素敵ですね。

まとめ

和食の食事マナーでしてはいけないこととは

・特定の食材を一気に先に食べたり後に残したりする
・片手で箸を持ちながらお椀を持ち上げる
・手を皿のようにして料理を口元に運ぶ
・自箸を反転させて、取り箸の代わりにする
・魚の骨の処理に手を使う


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