メールの結びが印象を決める!社会人の常識テクニック


メールの結びの言葉は、時にどのように締めようか、迷う事がありますよね。日頃から「LINE」や「Facebookメッセンジャー」などを使い慣れていると、仕様上どうしてもメールマナーから遠ざかりがち。

しかしビジネスメールではそのようにはいきません。いくら本文がきちんとしていても、メールの結びがうまく表現できていなければ、あなたの印象も悪くなってしまうという危険があります。

特に目上の方や取引先の方には失礼のないよう、常識をわきまえたメールの結びで締められるようにしたいものですよね。そこで今回は、メールの結びの言葉で失礼のない、ビジネスマナーの基本をお伝えします。

さらに印象を良くする言葉遣いもお伝えしますので、ぜひとも活用してください。

 

メールの結びが印象を決める!
社会人の常識テクニック

 

「よろしくお願い申し上げます」のバリエーション

メールの結びの言葉として「よろしくお願い申し上げます」は最も一般的で、かつ様々な使い方のできる言葉です。

「よろしくお願いいたします」でももちろん良いのですが、目上の方や取引先・顧客などには「よろしくお願い申し上げます」と結んだ方が丁寧な印象になるので、普段からこちらを使っておいた方が良いかもしれません。

この言葉は本文に続けて、以下のような使い方ができます。

○ 業務などの報告や、お礼などの本文の結びとして

「以上、よろしくお願い申し上げます」
「今後ともよろしくお願い申し上げます」
「今後ともお引き立てのほどをよろしくお願い申し上げます」
「今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」

○ 検討を依頼する時

「ご検討のほどをよろしくお願い申し上げます」
「ぜひご検討いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」

※ 状況に応じては、

「大変お手数をお掛けしますが、ご検討のほどをよろしくお願い申し上げます」
「お忙しいところ甚だ恐縮ですが、ご検討のほどをよろしくお願い申し上げます」
「誠に勝手なお願いではございますが、ご検討をよろしくお願い申し上げます」

など、前に言葉を入れることもできます。

○ 丁寧に回答を促したい時

「お手数ですがご確認の上、ご返信をよろしくお願い申し上げます」
「大変恐縮ですが、ご回答をよろしくお願い申し上げます」

○ 丁寧に断りたい時

「誠に申し訳ございませんが、ご容赦のほどをよろしくお願い申し上げます」
「大変心苦しいのですが、今回はご容赦のほどをよろしくお願い申し上げます」
「誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます」

これらの他にも、様々な使い方が考えられますが「よろしくお願い申し上げます」は本文にさらに「念押し」を加える言葉と理解しておくと使いやすくなります。

 

「取り急ぎ」の使い方

急いで連絡をする時に、「取り急ぎご連絡まで」という言葉で結ぶことがあります。これはメールの結びの言葉としては間違いではありませんが、「取り急ぎ」とは「とりあえず急いで、儀礼や説明を省略し用件のみを伝える」という意味の言葉です。

したがって、目上の方や取引先には使わないほうが良い言葉なのです。そのため、そのような立場の方へのメールの結びとしては、コチラになります。

【 目上の方、取引先へのメールの結び 】

「まずはメールにてご連絡申し上げます」
「まずは用件のみで失礼いたします」

など「まずは」に言い換えて、文章を作ると改まった印象になります。しかし「取り急ぎ」にはもうひとつ、相手のことを思い「ともかく早くお伝えしたかったのです」という意味があります。

【 「取り急ぎ」目上の方、取引先へのメールの結び 】

例えば…

「取り急ぎメールにてお祝い申し上げます」
「まずは取り急ぎ御礼申し上げます」

という使い方ならば、もちろん目上の方にも失礼ではありません。このように「取り急ぎ」は便利なようでいて使い方の難しい言葉です。しかし適切に使えば、とても印象の良くなる言葉でもあるので、慎重によく考えて使うことをおすすめします。

 

「お詫びの気持ち」を伝えるメールの結び

お詫びの気持ちをメールで伝えるのはなかなか難しいことです。そもそも、お詫びは直接会ってするものであり、メールで伝えることは「略式」です。したがってメールの結びの言葉は本文をさらに補足する形にし、深いお詫びの気持ちを表す構成にします。

【 「お詫び」メールの結び例① 】

例えば…

「ご期待に沿えず、申し訳ございませんでした」
「重ねてお詫び申し上げます」
「深くお詫び申し上げます」

などの結びの言葉が一般的です。

また、テクニックとしてはただ謝罪するだけでなく「ミスを反省し、今後にどう生かすか」の意思表示をメールの結びの言葉の前に添えておくと、より一層お詫びの気持ちが伝わります。

【 「お詫び」メールの結び例② 】

例としては、

「ご迷惑をお掛けしましたことを肝に銘じ、今後は再発防止に細心の注意を払ってまいります。このたびは誠に申し訳ございませんでした」

などが考えられますが、ケースに応じてメールの結びの言葉を変化させる工夫が必要です。

 

「催促」をメールで伝えるメールの結び

人に催促をするのは言葉を選んでしまうもの。特に仕事が絡んでいると言い方がとても難しくなります。しかし、どんなに先方に落ち度があるとしても、その苛立ちをメールにぶつけてしまうのはもちろんNGです。あくまでも相手方を立て、メールの結びの言葉も「敬意を払っている」ものとします。

【 「催促」メールの結び 】

例えば…

「お手数ですが○○についてご確認の上、至急ご対応をお願い申し上げます」
「お忙しいところ恐れ入りますが、至急ご連絡くださいませ」
「恐縮ですが、早急のご対応を宜しくお願い申し上げます」

以上のような言葉なら角も立たず、しかもきちんと「催促」の気持ちを伝えていることになります。

 

「追記」はどうするの?

最後に、ビジネスメールにおいての「追記」について触れておきます。手紙では「追伸」として結びの言葉の後に、本文とは違った内容の文を添えることがあります。

【 メールの結びでの、「追記」 】

★ 手紙ではあえて本文とは別の内容を記すことで、相手方にその内容を印象付けることができますが、メールの結びで「追記」を記すのは、仲の良い友人同士に留めます

・ 何故なら、ビジネスメールでは「本文に書き足しをする」のはNGであり、特に相手にとって大切なお知らせは、本文中に明記しなければ失礼とみなされてしまうのです。

したがって、伝えたいことはきちんと本文に盛り込むようにし、メールの結びに「追記」をつけなくても良いよう、気をつけることが大切です。

 

いかがでしたでしょうか。このように、メールの結びは実はとても重要なもの。「礼に始まり礼に終わる」という言葉がありますが、いくら丁寧に出だしの挨拶や本文を記したとしても、結びの言葉がいい加減では全体の印象がたちまち崩れてしまうのです。

そもそも何かをお願いしたり、お祝いやお詫びの意をメールで伝えるのはやはり「略式」です。本来は目の前で伝える意思をメールで伝えるのですから、最初から最後の言葉まで、より一層「礼を尽くす」気持ちで取り組むに越したことはありません。

とは言え、メールの結びの言葉には今回述べた通り「よく使われるフレーズ」が多々あり、戸惑ってしまうことは多いですよね。適切に使えばとても印象が良くなるはずですので、あとはメールの本文の内容に合わせて使い分けたり、アレンジをしてみてください。

 

まとめ

メールの結びの基本的なマナー

・「よろしくお願い申し上げます」は様々なシーンで
・「取り急ぎ」は使い方に注意をして、使い分ける
・お詫びをメールで伝える時は、結びの言葉の前に「反省の意」を記す
・言いづらい「催促」も、丁寧な結びでしっかり意思を伝える
・「追記」はビジネスメールではNG


連記事