納骨の服装。シチュエーションで見分ける7つの判断


納骨の服装は、通夜や告別式と違い、その時期もさまざまなだけに迷うことも多いですよね。ちなみに、故人の遺骨をお墓に納める儀式が「納骨式」。

多くの場合は、四十九日法要を済ませた後に執り行われることが多いですが、すぐにお墓が用意できないなど、場合によっては「百箇日法要」「一周忌法要」などに合わせて行われることもあります。

しかし、法要に合わせて執り行われる式でも、納骨式そのものの服装に関しては迷われる方も多いのではないでしょうか。喪服で参列するべきかそうでなくても良いのかに始まり、ごく内輪のみの法要ならどうなるのか…、ということも考えられますね。

そこで今回は、納骨式の際の服装をシチュエーションで見分けながら、マナー違反にならないポイントを、それぞれお伝えします。

 

納骨の服装。
シチュエーションで見分ける7つの判断

 

法納骨の服装、男性遺族の和装

四十九日法要の日に納骨式を続けて執り行うとしたら、納骨の服装は法要に準じるため、遺族は「正喪服」。以下に男女別に納骨式の服装を示します。

【 納骨の服装:男性の和装 】

・ 紋付きの長着に袴をつけ、紋付きの羽織を着用する「紋付袴羽織」となります。

紋付きの長着と羽織は黒の羽二重、家紋は五つ紋(背中・両袖・胸の前の計5ヶ所に家紋が入っているもの)を着用し、袴は仙台平や博多平など。草履は畳表付のものを用います。

 

納骨の服装、男性遺族の洋装

こちらも四十九日法要の際に行う納骨の服装、男性の洋装です。

【 納骨の服装:男性の洋装 】

・ 黒のモーニングコート+レギュラーカラーの白いシャツ+コールパンツは黒の分量が多い地味なもの…、が正式な法要と合わせた納骨の服装です。

ベストはモーニングコートと共布のものとし、白衿は必ず取り外し、ネクタイ・靴下などはすべて黒に統一。見えない部分のサスペンダーも、黒無地にするのがマナーです。弔事ですから、ポケットチーフやカフリンクスは不要。

 

納骨の服装、女性遺族の和装

それでは、四十九日の法要と合わせた納骨の服装、女性の場合はどうなるのでしょうか?ここから二項に渡って、和装と洋装の基本マナーをお伝えします。

【 納骨の服装:女性の和装 】

・ 染め抜きの五つ紋・黒無地の着物を着用します。

帯と帯揚げ・帯締めも黒無地にして、襦袢と半襟、足袋は白いものを着用。草履は布製の黒が適切です。また、帯留めや髪飾り、アクセサリーは避けてください。

 

納骨の服装、女性遺族の洋装

四十九日法要に合わせた納骨の服装、女性遺族の法要の場合、特に他の参列者と違うのはスカートの丈

スカート丈はひざの隠れるくらいの丈~くるぶし丈のものとし、丈が長いほど正装の格が高いとされています。スーツの場合は、ブラウスも黒のシンプルなものを選んでください。最後にストッキングは黒無地で多少透け感のあるものを使用します。

【 納骨の服装:女性の洋装 】

・ 黒無地の派手な装飾のないワンピースやアンサンブル、スーツが基本。

素材は光沢感のないものを選び、透け感のあるものは避け、あまり肌の露出のないデザインで、身体のラインも見えないものを着用。夏でも長袖~5分丈の袖のものを着なければなりません。

 

時期で判断する納骨の服装、遺族の場合

納骨時期はさまざまなので迷いやすいのですが、基本としては遺族は一周忌法要まで、かつ遺族以外の参列者がいる場合はこの「正喪服」を着用します。

【 時期で判断する、遺族の納骨時の服装 】

■ したがって「百箇日法要」や「一周忌法要」が済んだ後の納骨式の服装なら、「正喪服」ということになります。

なお、一般参列者は一周忌法要までは「準喪服」を着用して参列。したがって「百箇日法要」や「一周忌法要」が済んだ後の納骨式も「準喪服」となるのです。

 

納骨の服装、一般男性

四十九日法要の参列者の服装は「準喪服」となりますので、納骨式の服装もそれに準じるのが正しい選び方。準喪服は以下のものを指します。

【 納骨の服装:一般男性 】

■ ブラックスーツに白いシャツ、光沢のない黒無地のネクタイのスタイル。

ブラックスーツはシングル・ダブル・三つ揃いのいずれでも大丈夫ですが、ネクタイにタイピンはつけません。さらに、飾りのついていない黒の革靴を合わせ、靴下も光沢のない黒無地のものを履けば、問題ありません。

 

納骨の服装、一般女性

一般の参列者(女性)の場合には、他の様々な弔事と同じく、ブラックフォーマル(ワンピースやアンサンブル、スーツなど)を着用すれば、まずマナー違反にはなりません。

【 納骨の服装:一般女性 】

■ なるべく肌を見せないデザインで、夏でも5~7分袖のものを着用し、スカート丈は膝が隠れる丈~ふくらはぎ丈のものを選んでください。

・ 膝が見えるようなミニ丈はNGですが、パンツスーツはOKです。靴はシンプルな黒の、ヒールが高すぎないパンプスを履いてください(オープントゥはNG)。

迷いやすいストッキングは黒無地。告別式と同じく、多少透け感のあるものが正解。アクセサリーも結婚指輪以外外しますが、一連のパール・黒真珠・オニキスのネックレスはOKです。

 

いかがでしたでしょうか、納骨式はどのような宗教の形式でも、お墓の前で執り行われるもの。冬場ならコート(和装なら羽織)の着用も許されますが、その場合もコートの下は然るべき納骨の服装で参加してください。

コートも喪服に合ったシンプルでフォーマルなコートを合わせ、ダウンやフードつきのカジュアルなものや、革製やファーのものを避けます。

本文でも触れましたが、納骨式は故人の魂が安らかであるように祈る「儀式」。儀式の時の服装には必ず意味があるもので、納骨式の服装にも「故人に敬意を表する」という大きな意味が…。

そのことを考えて「納骨式ではいい加減な服装はできない」と言う判断基準で選ぶと、NGマナーにはなりにくくなります。本記事の内容を確認しながら、周囲の親族にも相談して、準備から丁寧に参加してください。

まとめ

納骨式での服装マナーとは

・一周忌法要までは遺族は「正喪服」
・遺族男性で和装を選ぶなら、「紋付袴羽織」
・遺族男性が洋装を選ぶなら、黒のモーニングコート
・遺族女性の和装は、染め抜きの五つ紋・黒無地の着物
・遺族女性の洋装なら、黒無地のワンピースなど
・一周忌法要までは一般の参列者は「準喪服」


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