大人のための冠婚葬祭マナー☆最低限心得たい5つの掟


人生の中で、すべての人が何度も経験する冠婚葬祭ですが、そのマナーについてはあまり学ぶ機会がありませんよね。日本には多くのマナーが存在するにもかかわらず、当然学校では学ぶ機会がなく、経験しながら覚えるのが暗黙の了解にもなっています。

何度も出席を重ねていけば冠婚葬祭のマナーは自然に身についてくるものですが、その都度調べる時間があるとも限りません。さらに地域差もあるため、細かな部分での違いはいくつも経験することになるでしょう。

それでも、大まかなところを心得ておくことで、いざというときに、「何から調べればよいのかわからない」という事態は避けることができます。

そこで今回は、急に呼ばれた際に失敗することが無いように、社会人になったら最低限確認しておきたい冠婚葬祭マナーについてお伝えしていきます。

冠婚葬祭の意味を知っておく

まずは、冠婚葬祭の意味を正確に知っておきましょう。冠婚葬祭とは、人が生まれてから死ぬまで、そしてその後にも行われる家族的な行事すべてのことを指します。

具体的には、「冠」が成人式、「婚」が結婚式、「葬」が葬式、「祭」は祖先の霊を祭る法事やお盆のことです。

地域によって形式に違いはあっても、今日でも誰もが経験するものばかりですよね。

この中において成人式は、昨今では家族だけでなく世代間でのやりとりも多くなり、構えて準備をする必要が少なくなりました。またお盆についても、生まれたときから各家庭で毎年同じような準備をしているため、手順は自然と身についているでしょう。

冠婚葬祭の中でもマナーについて特に気をつけておきたいのは、結婚式と葬式についてです。

 

お金に関するマナーを知っておく

冠婚葬祭ではお金のやりとりが当然のように存在します。お金の切れ目は縁の切れ目、ともいいますから、金銭に関するマナーは確実に把握しておきましょう。

結婚式でも葬式でも出席する際にはお金を包みますが、呼称も金額にも大きな違いがあります。

結婚式で包む場合は「祝儀」、葬儀で包む場合には「香典」というのが一般的です。

包む金額の相場は決まっており、結婚祝いは万単位で、香典は千円単位で包みます。地域や関係性によって包む金額には幅があります。

また、結婚祝いは新札を包むようにします。香典は「準備をする間もないほど突然の不幸」という意を表して新札を避けて包むことが多く、新札の場合は一度折り目を付けます。

のし袋にお札を入れる向きも、結婚式と葬式では異なります。ただし、これらは厳密に決められているわけではないので、急な葬式などでうっかり間違えてしまったからといって、一生の恥になるというわけではありません。

 

熨斗袋の知識を持っておく

お金を包む熨斗(のし)袋にも様々な種類があります。冠婚葬祭以外の場面でも重要なマナーですから、一度しっかりと確認しておきましょう。ここでは、簡単なマナーの解説のみにとどめます。

婚礼の際は、水引と呼ばれる紐の色が、赤と白、あるいは金と銀などのように、縁起の良い色使いのものを使います。最近では、キャラクターのデザインが入ったものもあり、バリエーションが大変多くなりました。一方葬儀の際は、黒と白の水引の熨斗を用います。

慶事用の熨斗袋と、弔事用の熨斗袋を間違える方はいないかもしれませんが、水引の結び方にも注意が必要です。

水引には蝶結びと、結びの先が上を向いている「結びきり」と呼ばれるものの二種類がありますが、冠婚葬祭ではどちらも「結び切り」の水引を用います。これには、「一度結んだらほどけないため、一生の中で一度きりにしたいもの」という意味があります。

一方蝶結びの水引は、何度もあっても嬉しいお祝いのとき、出産祝いや誕生日などの様々なお祝い事で使われます。

これらのことは、熨斗袋を購入する際に外袋に書かれていることがほとんどですが、準備の時間が無いときなど、慌てて使ってしまうことのないようにしましょう。

 

袱紗の準備

袱紗(ふくさ)とは、結婚式や葬式に呼ばれた際、持参した熨斗袋を包んでいくもので、小さな風呂敷のようなものです。

一般的には、金封を直接バッグから出すのは冠婚葬祭どの場合でもマナー違反とされています。汚れがついてしまう恐れもありますし、包んでいく方がより丁寧ですよね。

このような心配りは、冠婚葬祭に限らず、日本人のマナー意識として独特な部分です。服装やお金にばかり気持ちが向いて、意外と忘れやすい部分ですので気を付けましょう。

袱紗には様々な色がありますが、結婚式では赤や桃などの暖色系、葬式では紺やグレーなどの寒色系の袱紗を用います。なお、紫色の袱紗はどちらでも使うことができます。1枚準備しておくとよいでしょう。

 

服装のマナーを知っておく

冠婚葬祭に赴くことを意識して、可能な限り早い段階でマナーを確認しておきたいのが服装です。

社会人の正装といえばスーツですが、結婚式や葬式の場合はそれではいけないことがほとんどです。

結婚式の場合、女性は主にパーティ用のドレスを着用します。男性の場合はスーツでも良い場合もありますが、きちんとした礼装が好ましい式もあります。

葬式の場合は、男女ともに「喪服」を準備する必要があります。喪服と一般的なスーツとの違いは一見分かりにくいのですが、喪服は光沢の無い黒地を使用するため、仕事などで着る「黒いスーツ」と異なり、式場でははっきりと目立ってしまいます。

喪服については急な不幸などでいつ呼ばれても良いように、社会人になるのと同時に準備しておくのが好ましいでしょう。その際、バッグや袱紗などについても同時に確認しておきましょう。

また結婚式に出向く際の服装は、式場の雰囲気によっても変わることがありますので、出席が決定した段階から準備を始めてもよいかもしれません。

 

以上、冠婚葬祭マナーについてお伝えしました。現在では、困ったことがあればすぐにスマホを使って調べることができます。冠婚葬祭のマナーも同様です。また、何か急に必要になった場合でも、早く簡単に手に入れることができる便利な時代になりました。

それでも、その時が来てから準備をしようとすると、思いのほか仕事が立て込んでしまったり、その時に限って探しているものが売っていなかったりして、なかなか準備が進まないこともありますよね。

何より、どれも人生において大きな節目となるものばかりですので、粗相があれば大きな恥をかく事にもなりかねません

今後、何度も立ち会う場面のある冠婚葬祭については、ぜひ早い段階でおおまかなマナーについて把握しておき、いつでも焦らず臨めるようにしておきましょう。


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