暑中見舞いの文例は、失礼のない文章に悩む際にとても便利ですよね。猛暑期に相手を気遣うために出すのが暑中見舞い。気遣いを伝えるためには、長い文章より簡潔なものが適切です。
そして、ビジネスの関係で送るものと、プライベートで送るものとでは、暑中見舞いの文例は少し違ってくる点も、意識したいもの。
ビジネスシーンにおいては、暑中見舞いの文例が、プライベートよりも文章が固めになる傾向があります。けれども、今後にも繋がるご挨拶だけに、誠意があり、それでいて気遣いの伝わるものにしたいですよね。
そこで今回は、誠意と気遣いが伝わる、暑中見舞いの文例をいくつかお伝えします。そこに少しのアレンジを加えて、自分なりの気遣いを表わしてみてください。
暑中見舞いの文例☆
上司や取引先に送る時の基本例文
出だしを考える
暑中見舞いの文例は、猛暑のご挨拶と目的が絞られているため、レパートリーもそう変わりはありません。一般的にそのまま「暑中見舞い申し上げます」が無難です。
【 暑中見舞いの文例:出だし 】
・ 「暑中お伺い申し上げます」
・ 「盛夏お伺い申し上げます」
・ 「猛暑のおうかがいを申し上げます」
…といった言葉も使う方がいますが、迷ったら、
・ 「暑中お見舞い申し上げます」
…が、最も一般的でおすすめ!ほとんどの暑中見舞いの文例は一様に「暑中見舞い申し上げます」で始まっています。これは、送る目的を考えても、そう変化をつける必要はないのかもしれません。
相手への敬いの言葉を入れる
相手への敬いの言葉は、普段使うことのない言葉のオンパレードで、難しく感じる方もいるかもしれません。ただ、プライベートで送る場合には気持ちが和めばそれでいいのですが、ビジネスシーンではしっかり敬意が伝わる文にする方が適切。
【 暑中見舞いの文例:敬いの言葉 】
★ 例えば上司へ送る暑中見舞いの文例としては、
・ 「連日猛暑が続いておりますが、ご家族の皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます」
・ 「厳しい暑さが続いておりますが、ご健勝のことと存じております」
…という文が挙げられます。
★ 取引先に送る場合になると、
・ 「貴社(貴店)におかれましては、いよいよ隆昌のことと存じます」
・ 「貴店におかれましては、益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます」
…などと書くことができます。また、特定の誰かに送る場合には名前を入れて「〇〇様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます」などの書中見舞の文例もぴったり。「ご健勝」の部分は「ご活躍」などでもよいかもしれません。
日頃の感謝を伝える
ビジネスシーンではこの部分も大切。いつもお世話になっているという謙虚さは、さわやかな印象も持たれるはず。相手は嬉しく感じてくれるに違いありません。
【 暑中見舞いの文例:日頃の感謝 】
★ 上司に対しては例えば、
・ 「日頃は何かとお世話になり、またお心にかけて下さいましてありがとうございます」
…と書くことができます。取引先への暑中見舞いの文例としては、使える表現が多々あります。
【 暑中見舞いの文例:日頃の感謝(取引先へ) 】
・ 「平素は毎々格別のお引き立てを賜わり感謝いたしております」
・ 「日頃は、弊社製品の販売にご尽力いただき、深く感謝いたしております」
…などがあります。日頃の感謝の言葉、暑中見舞いの文例は、相手との関係性によって適切なものを選んでください。
自社もしくは自身の近況を伝える
これは相手との関係によっては、省略しても良い部分です。上司に対しては特に特別なことが無いなら省略しても大丈夫。
ただ、夏に旅行に行くために休みを取ったなどの経緯があるなら、その様子を書いておいたりすると、気持ちがほぐれるかもしれません。ただ、取引先に対しては簡単に自社のことを書いておきたいところです。
【 暑中見舞いの文例:近況 】
・ 「お蔭様で弊社も恙無く社業に専念しております」
・ 「暑さにも負けず、当店スタッフ一同、元気に皆さまのお越しをお待ちしておりますので、是非足をお運びください」
…などと書けます。特に業績を上げる何かがあった場合は、そのことに触れて取引先に感謝していることを伝えれると好印象です。
今後への関係をお願いする
近況を伝えた後は、今後も変わらぬ関係をお願いする文面が入ります。暑中見舞いの文例としては、よく使われる表現があります。
【 暑中見舞いの文例:今後の変わらぬ関係 】
・ 「今後もご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」
…などのフレーズで、今後の関係性をお願いする文面を続けるのが一般的。ただ、上司にはこれを使うとぴったりですが、もっとシンプルに「今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」と書くだけでも十分。ただ取引先には、この部分をしっかり書いておくと、より丁寧な印象になります。
【 暑中見舞いの文例:今後の変わらぬ関係(取引先) 】
★ 例えば、
・ 「今後ともこれまで同様のご厚情を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」
…と丁寧に書いておくと安心。この「ご厚情」という語ですが、他の表現でも置き換えられます。いろんな表現を使えるようになると、何かと便利!
例えば、「ご愛顧」とか「ご支援」、「お引き立て」など、毎年送る挨拶ハガキでも、いろんな語を使ってちょっとでも変化を付けることで、新鮮なものに変わります。
結びの文章を考える
終わり良ければ全て良し、ということわざもあるくらいですから、この結びの文章は、意外と大切!暑中見舞いの文例を調べれば分かる通り、相手の健康や活躍を願う、あるいは会社の繫栄や発展を願うことばで結ぶのが一般的です。
【 暑中見舞いの文例:結び 】
★ 上司には特に健康を願う文面が多く、例えば、
・ 「暑さ厳しき折、皆様のご健康を心よりお祈りいたしております」
…と結べます。またもう少し格調高く、
・ 「酷暑のみぎり、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます」
…などの表現はいかがでしょうか。
【 暑中見舞いの文例:結び(取引先) 】
★ 取引先には、
・ 「暑さ厳しき折、貴社の一層のご発展をお祈り申し上げます」
・ 「これからも、皆様のご躍進をひとえにお祈りいたしております」
…などと書けます。またはもう少しゆるめに、
・ 「ご多忙中とは存じますが、くれぐれもご無理などなさらないようご自愛ください」
…などと書くのも、人と人とのつながりが感じられて良いかもしれません。そして最後の最後に、「まずは、暑中見舞いを申し上げます」という言葉で完結してください。
いかがでしたでしょうか、ビジネスシーンでの暑中見舞いは単なる気遣いだけではなく、今後の仕事に影響するものですから、基本を押さえておくことが大切。
暑中見舞いの文例は調べるとたくさんありますが、普段使わない言葉のオンパレード。難しく感じられる方も多く、確かに自分で読んでみると堅いイメージがあるかもしれません。ただ、ビジネス上の挨拶文は、堅いくらいが好印象なのです。
そして、どれだけ気持ちをこめて書くかが勝負!場合によっては暑中見舞いの文例を参考にして作った文章を印刷して、幾つもの取引先に送ることになるかもしれませんが、何か一言だけでも、手書きで書いておくと印象は全く違ってくるはず。
その一言に気持ちが詰まります。さわやかさを残しつつ、今後の仕事に生かせるなら嬉しいもの。本記事でお伝えした、暑中見舞いの文例で基本は押さえたうえで、自分にしか使えない一言を加えて、相手への気遣いを表わしてください。
まとめ
上司や取引先への暑中見舞いの基本例文
・出だしは「暑中見舞い申し上げます」で始める
・出だし文の後は、相手への敬いの言葉を入れる
・相手との関係性に合った日頃の感謝を伝える
・日頃の感謝を伝えた後、自身の近況を伝える
・今後も関係を続けてもらえる挨拶文を加える
・最後は相手の繫栄や発展を願う結び文で締める