和食のマナーは、ナイフやフォークを使う洋食で意識はしても、子供の時から慣れ親しんでいる箸を使うため、「あまり意識したことがない!」という人が多いですよね。確かに和食は、私達日本人にとってもっとも身近にある食事です。
ただ、意識したことがないだけで、「和食マナーなんて簡単簡単!」なんて思っていたら…。実際高級な懐石料理などのお店に行った時に、「和食のマナーがわからず恥ずかしい思いをしてしまった…。」なんてことになりかねません。
それどころか「NGの和食マナーなのに気が付かず、お店でもやっていた!」なんてことも。誰も注意もしてくれないことも多いため、後で気がついたらとっても恥ずかしい思いをしてしまいます。
食べる機会の多い和食のマナー、恥ずかしい思いはしたくないですよね。そこで今回は、身近にあるけれど実は知らない、意外な和食のマナーをお伝えします。
和食マナーの基礎知識☆
実は知らない7つの作法
和食マナーでの器の扱い
洋食では、器を手に持って食べることはないのですが、和食のマナーでは違います。
【 和食マナーでは、器は持つ 】
★ 和食は、基本的には手に持てないような、大きなお皿以外は手に持って食べるのがマナーです。
ご飯茶碗や汁椀を、テーブルに置いたまま食べることを想像してみると…。明らかに違和感を感じますよね。
【 NG和食マナー、「手皿」 】
★ ついつい手をお皿のようにして、箸の下に添えてしまうしぐさは、丁寧な感じがしますが、実はこれも手皿といってNGマナー。
手を添える位なら、きちんと取り皿を手に持って食べるようにしましょう。
料理をどのように口にいれる?
【 料理は一口大にするのが、和食マナー 】
★ 基本的に和食は一口大に料理をして盛りつけてありますが、どうしても一口で食べられなそうなものは、あらかじめ箸で一口大にしてから口に入れるようにしてください。
口に入れてかみきるようなことは、口に入った残りが落ちてしまって他のお皿を汚してしまったり、見ている人が不快になったりする行為なので避けるべき!
どうしても食材が滑ってしまって上手に一口大に出来ない時は、箸の片一方で刺すのはOKマナー。上手に箸をつかって、スマートに口に運ぶようにしなければなりません。
焼き魚の食べ方
【 和食マナーでの、焼き魚の食べ方 】
★ 焼き魚は頭がついているもの、切り身、どちらであっても基本的には左側から食べるようにします。
・ 魚をひっくり返して食べることはNGマナーなので、箸を使って上手に食べられる練習をしたいものです。
頭がついている焼き魚は、まず上側を食べ、食べ終わったら骨をとり、下側を食べます。骨を取らずに魚を身ごとひっくり返して…。なんてしてしまうと、「この人は、いつも家でこうやって食べているんだな」と思われてしまうのです!
★ キレイに魚を食べる練習は、普段からしておくと安心です。
和食は盛り付けが美しい
和食の料理の盛り付けは、計算された美しいものです。
【 和食マナーでは、盛り付けは崩さない 】
★ 特に鉢盛されたものや、刺し身盛などは、出来れば崩さずに食べるのがマナーであり、料理人への配慮です。
自分が食べたいものがあるからと奥から取ったり、下のものを取って盛り付けを崩してしまうというような行為は、見ていても気持ちがいいものではありません。
【 和食マナーでの、料理の取り方 】
★ 料理は左から順に、盛り付けが高いものは上から順に、とるようにします。
料理人が盛りつけた逆の順番で食べることが、料理を崩さずに食べるコツ!ぜひ、覚えておいて損はありません。
箸を置く時、どうしてる?
【 和食マナーでの箸の扱い 】
★ 和食マナーでは、食事の途中に箸を置くときには、箸置きを使うようにしてください。
・ 箸置きがない場合は、箸袋を使って箸置きを作って置くのが、スマートだといえます。
ついつい自宅では、食べている最中の食器に箸を渡しておいてしまいがちですが、これは「渡し橋」という立派なマナー違反なのです。
「自宅でこの行為をしても叱られたことはない!」という人も多いのですが、自宅でも箸置きを使う習慣をつけておくと自然に箸を扱えます。「どうしてもそれは面倒!」と思ったら、外では絶対にしないようにしっかり意識してください。
爪楊枝、食事中に使っていませんか?
「食事をしている最中に、歯に物がつまってしまった…。」そんな経験を持っている方も多いはずです。
【 和食マナーでの、爪楊枝の扱い 】
★ でもテーブルに爪楊枝が置いてあるからといって、「食事中にどうぞお使い下さい」という意味だと勘違いしてはいけません。
・ 食事中に爪楊枝を使うというのは、周りの人も不快にする和食のNGマナーです。
食事を中座してトイレなどで使いたいものですが、自分の席でシーシーと人前で爪楊枝を使うのは、絶対にやめてください!万一の場合は懐紙などで隠して相手への配慮を忘れないで。
寄せ箸やねぶり箸
和食では箸の使い方に関するマナーが沢山あります。使い方に混乱してしまうかもしれませんが、逆にこの箸に関する沢山のマナーを理解できれば、食事の所作はきっと美しく見えるものになります!
【 NG!和食マナー 】
① 箸の先をなめる「ねぶり箸」
② 箸でお皿を引き寄せる「寄せ箸」
などなど。
ついつい自宅ではやってしまいがちな行為ですが、明らかなNGの和食マナーです。その他にも箸に関するマナーは本当に沢山ありますから、まずはここをしっかり理解して、美しく食事が出来るようになりたいものです。
いかがでしたでしょうか。和食のマナーは料理人と一緒に、食事をする人への心配りが大切です。料理人の作った料理を壊さずに美しくとりわけ、一緒に食事をする人が不快な思いをしないように美しく食べること、それが和食のマナーの基本です。
自宅で食べる時は、気軽に自分の思うように食べても問題ありませんが、それでも作ってくれた人へと、一緒に食事をしている人への配慮を忘れてはいけないことは同じです。
あなたのするふるまいが、料理の味をさらに美味しくしたり、まずくしてしまうこともあるのですから、その責任は大きなものなのです。しっかりと和食のマナーを勉強して、自分も周りの人にも美味しく料理を食べてもらいたいですよね。
本記事をきっかけに正しい和食のマナーを、しっかり覚えちゃいましょう!
まとめ
和食マナーの基本とは
・手に取れるサイズの器は、持つのが基本
・上手に箸を使って料理を一口大にして
・焼き魚は左側から、美しく食べる
・盛付けの逆順で食べるのがキレイのコツ
・箸置きに箸をおいて!食器に乗せるのはNGマナー
・歯に詰まっても爪楊枝は使わずがまん
・「ねぶり箸」「寄せ箸」はNGマナー!