一周忌とは、故人が亡くなってちょうど一年目の日のことをいい、「祥月命日(しょうつきめいにち)」ともいいます。最初に行う年忌法要です。この日をもって、喪中明けとなります。一周忌は命日に行いますが、都合が付かない時は、前倒しで行うことがあります。一周忌では、お坊さんが御経を読み上げたり、お墓参りをしたり、故人を偲ぶ食事会をします。
親族や知人の方の一周忌の法要に招かれた時、服装はどうしよう、香典はいくら?と迷う方も多いですよね。社会人としても、一周忌のマナーを身につけておきたいものです。一周忌の法要に招かれた時、気をつけることには、どのようなことがあるのでしょう。
そこで今回は、一周忌に招かれた時、迷った時に参考になる、準備しておきたいことやマナーについてお伝えします。
一周忌に招かれた際のマナーとは。
準備すべき5つのこと
服装は準喪服で出席する
一周忌に招かれた際に、服装は喪服?略式礼服?平服?どれを着ていくのがよいのか迷いますよね。一周忌の法要では、準喪服を着用します。準喪服は、お通夜やお葬式で着るブラックフォーマルのことを言います。三回忌までは、喪服を着るところが多いです。三回忌以降になると、集まる人が減り、規模が小さくなりますから、略式礼服や平服で出席しても問題ありません。
子供の服装は、学生服があるなら学生服を着用します。ない場合は、黒っぽい服装で全体的に地味にします。派手なものは避けましょう。
一周忌のお香典の相場
一周忌にも、香典を用意します。一周忌法要のお香典の相場は、故人の子になる場合20代30代で1万~5万円、40代40代では1万~10万、孫に当たる場合の相場は20代3千~1万円、30代40代50代では3千~3万円です。
故人が兄弟姉妹の場合の一周忌の相場は、20代30代では1万~3万円、40代50代なら1万~5万円が相場です。故人が叔父叔母の場合は20代では3千~1万円、30代で3千~2万円、40代50代では3千~3万円です。知人の場合は、どの年代でも3千~1万円が相場です。夫婦で出席する場合は、相場の金額に2万円ほどプラスして渡しましょう。
香典を渡すときのマナー
一周忌でお香典を渡す際に気をつけたいのは、お香典の表書きです。仏教では、人が亡くなると、仏になるために49日の旅に出るといいます。お葬式の段階では、まだ、霊の状態ですから香典の表書きには「御霊前」と書きます。49日を越えて執り行う一周忌では、霊ではなく仏様になっているため「御仏前」と書きます。「御香典」や「御香料」は、宗派に限らず用いることができます。分からない時は、こちらを使うとよいでしょう。
お供えは分けやすいものを選ぶ
一周忌の法要では、御香典、もしくは、お供え物を渡すこともあります。どちらも渡してもよいですし、お供えだけでもかまいません。お供えものは後に、一周忌に出席した方に、分けて持ち帰っていただくことがあります。小さいサイズの缶ジュースや、子袋のお菓子などがあると分けやすいのでおすすめです。お供え物の相場は、5千~1万円です。高額なものは避けましょう。他の品物には、果物、缶詰、ローソクや線香などが最適です。お花を贈る際は、アレンジしてあるもので、そのまま飾れるものがよいでしょう。
一周忌のお供えのマナーは、熨斗紙に「御供」と書きます。家に訪ね、まずは、施主の方にご挨拶をして渡します。その時に、「御仏前にお供えください」と伝えましょう。訪ねて早速、お仏壇に供える行為は、礼儀作法ではタブーですので気をつけましょう。
欠席するときの伝え方
一周忌は事前にはがきなどで日取りを伝えます。お食事や引き出物を用意することもありますので、もし、仕事などで出席できない時は予め伝えましょう。ですが、出席できないけれど、お香典はどうしようという方も多いのでは。その時は、前もってお香典やお供え物を、郵送で贈りましょう。お花を贈ることも多いです。メッセージカードや、手紙に一周忌に行けないことなど一言添えて贈ると、忙しい中でも故人を思っているよ、というあなたの思いが、遺族の方に伝わるでしょう。
いかがでしたでしょうか。一周忌に招かれたら、喪服で香典を持っていく。というところは、お葬式の時とほとんど変わりません。お葬式同様、香典も袱紗に包んで持っていきましょう。袱紗は礼儀作法の一つで、色は紺色や紫がベターです。服装のマナーでは、招待状に平服でと書かれていた場合、カジュアルなものや派手なものは避け、ブラックスーツや、ブラックのワンピースを選びます。一周忌は、節目の大事な法要ということを、頭に入れておきましょう。
一年経つのは早いものです。故人の死から一年の一周忌といえども、遺族の方の中には、深い悲しみに、心が癒えていない方もおられるかもしれません。遺族への気持ちも配慮し、失礼のない服装やマナーを心得、故人を偲ぶ思いをこめて、合掌しましょう。
まとめ
一周忌に招かれた際のマナーとは
・服装は準喪服で出席すし、子供の服は学生服か、黒っぽい服を着ること。
・一周忌の香典の相場は20代30代40代50代で変わるので気をつけること。
・香典を渡すときのマナーは、表書きを「ご霊前」ではなく、「御仏前」とかくこと。
・お供えは分けやすいものを選び、日持ちするものを贈ること。
・欠席するときの伝え方は、前もって手紙と共にお香典やお供えを贈ること。