一周忌や三回忌などの法事にはお供え物がつきものですが、何を持っていけばよいのか迷いますよね。そもそも、法事のお供え物は無条件で何でもよいものなのかも気になりますし、葬儀と同じように法事も重要な行事なので、失礼なことだけは避けたいものです。
また、お供え物の相場も気になるところで、建前では金額の問題ではなく気持ちが大事なのかもしれませんが、それでもあまりに安いものは持っていきにくいものです。お供えの「物」と「金額」が妥当でも、それ以外に色々とマナーがありますので、法事のお供え物一つでも、かなり神経を使います。失礼な行為や物を選んで非常識な大人と見られないように、マナーをしっかりと押さえておきましょう。
そこで今回は、法事のお供え物の金額から贈る品物についてお伝えします。
法事のお供えどう選ぶ?
金額から贈る品まで5つのマナー
必要かどうか確認しよう
法事に参列する際は、お供え物を持参するイメージがありますが、必ずしも必要とは限りません。むしろ、最近では品物よりも現金を包むことが一般的になっています。ちなみに現金の相場は、地域や故人との関係によって違いますが、5,000円~20,000円になりますが、多くは10,000円を包んでいます。
では、無理してお供え物を持って行かなくても良いのかと言えば、これもそうとは限りません。法事にお供え物がいるかいらないかは、地域によるところが大きく、場所によってはお供え物が絶対に必要なところもありますので、現金を包めば安心というものではありません。
なので、法事に参列する際は、事前に親族にお供え物が必要なのかを確認しておきましょう。
お供え物を選ぶポイントがある
お供え物を持って行くとしても、何でもよいわけではなく、向いている物や向いていない物があります。そこで、法事のお供え物を選ぶポイントを次にまとめておきます。
・かさばらず軽いもの:かさばってしまうと持ち運びが大変なだけでなく、お供え物は最後には参列者に分けて持って帰ってもらうので、その人たちにも迷惑をかけます。なので、重たいものも避けるようにしましょう。
・分配しやすいもの:例えば、最初から小分けされているものや、一つ一つが小さいものを選びます。
一般的には食べ物が多い
ポイントが分かったところで、実際に「物」を選ぼうとしても、何を持って行けばよいか迷ってしまいますが、一般的には食べ物がよく選ばれています。
食べ物やその他も含めて、お供え物の一例を次にお伝えしましょう。ちなみに、お供え物の相場は5,000円~10,000円程度になります。
・食べ物:佃煮、果物、お菓子(焼き菓子がおすすめ)※日持ちするものであること
・消耗品:線香、ろうそく
・飲み物:酒、ビール、お茶 ※アルコール類は故人が好きだった場合に限ります
・花:供花(一般的には胡蝶蘭や百合)
・NG品:殺生を連想させるもの(肉や魚)、棘のある植物
のし紙で包んで持って行く
法事にお供え物を持って行く時は、裸のまま紙袋に入れたり箱のままではいけません。お土産を渡すわけではなく、神聖な儀式に持って行くので、それ相応の格好にする必要があるのです。
お供え物はのし紙に包んで持参します。四十九日前であれば黒白の水引きがプリントされたものを使います。そして、四十九日が過ぎていれば、双銀で結び切りの水引きがプリントされたものになります。
また、ただ包むだけでなく表書きも必要で、「御供」もしくは「粗供養」と書き、自分の名前を下段に書きます。これが、法事に持って行くお供え物の姿ですので、恥をかかないためにもしっかりと確認をしておきましょう。
渡す際にもマナーがある
持ってきたお供え物を渡す時にもマナーがあり、いきなり自分で仏壇に供えてはいけません。まずは、遺族の代表者(施主)に「御仏前にお供えして下さい」などの一言を添えて渡します。
そこで、渡された施主が仏前に、お供えしてよいかを判断します。ほぼ間違いなく仏前にお供えされますが、万が一故人の嫌いなものだったり臭いが強いものがあれば、仏前にはお供えされません。
そういうものを法事のお供え物として持って行くのは、非常識にもほどがありますので、間違って紛れていないかは、十分に確認して下さい。故人や遺族が、喜んでくれるお供え物を選んで持って行くようにしましょう。
いかがでしたか。法事のお供え物を選ぶ際は、故人が好きだったものや最終的に参列者に分けることを踏まえ、分配しやすいものを選ぶのが大切です。これによって、故人にも遺族にも配慮ができる人という好印象を与えられることでしょう。
持って行くお供え物が決まれば、のし紙で包んだり、仏前に供えるのではなく施主に渡すといった、マナーをきちんと守るようにしましょう。それが守られていなければ、どれだけ素晴らしいお供え物を持って行っても快く受け取ってもらえなくなります。
また、時間がなくて法事のお供え物が用意できない時は、お供え物が必要かどうかを遺族に確認しておきましょう。最近は、現金を包めば良い地域も多くなっています。今回お伝えしたポイントを押さえれば、恥ずかしくないお供え物を持参することができるでしょう。
まとめ
法事のお供え物に関するマナーは
・お供え物が絶対に必要かを確認しておこう
・かさばらず配りやすいものを選ぶのがポイント
・お供え物は食べ物にすることが多い
・のし紙に包み「御供」と自分の名前を記載
・お供え物は施主に渡す