法事の基礎知識・営み方マナーがよくわかる7つのポイント

法事の基礎知識・営み方マナーがよくわかる7つのポイント

法事というのは、もともと仏様の教えを伝えるための仏法の事で、仏教の行事の全てをさしていましたが、現在では個人への供養や冥福を祈るためにお坊様にお経をあげていただくことを法要、法要を含めて後の食事会を行い子孫の幸福を祈願することを法事と呼んでいます。

仏教で魂は 産れる→死→審判→産変わる というサイクルで輪廻していると考えられています。法事はこの審判で死者の魂の罪の減刑を願い極楽に生まれ変わるための後押しになります。人が死に三途の川を渡り、死後7日目で最初の審判を受けます。

以後7日おきに14日目、21日目、28日目、35日目、42日目、49日目と7回の審判を経て極楽や地獄などどこに転生するかが決まります。転生先が極楽以外の時は死後100日目、1年目、3年目、7年目、13年目再審判を行い極楽への転生を目指します。

極楽に転生したときに故人がより仏の道に精進し守り神となってくれるように17年目、23年目、27年目、33年目50年目(宗派により100年目)と法要を営みますが、33年目または50年目で弔い上げを行い締めくくります。

法事は生きている人にとっても故人との思い出を大切にして、故人を介して人とつながっていくための大切な儀式でもあります。参列者の方にはできるだけ気持ちよく参加していただきたいですね。今回は法事を営むときのマナーとポイントをまとめましたのでお伝えします。

 

法事の基礎知識・営み方マナーが
よくわかる7つのポイント

 

菩提寺と相談し法事を行う日時を選定しましょう

故人の祥月命日に行うことが正式ですが、最近は参列者が平日は出席しにくいということから前倒しにした休日に行うことも多くなっています。

初七日から49日まで計7回の法要は地域や宗派によって簡略して行うこともあります。年会期については法事を営む菩提寺と連絡をとり、遅くても1か月前までには日程を決定しましょう。休日は菩提寺も法事が数件重なることがあるため、日程決定の連絡は早め予約をすることをおすすめします。

 

法要後の会食の開催場所を決定します

法要後、僧侶と参列者でお齊(おとき)といわれる会食を行います。場所は地域によって異なりますが、自宅、お寺、飲食店、ホテルが通常です。

お齊用の食事メニューの決まりはないのですが、鯛や伊勢エビなどのお祝いごとに使われる食材は避けたほうが好ましいので仕出しの注文や会席の予約を入れるときは人数と予算だけでなく「法事です」と伝えましょう。予算は一人当たり3000〜12000円で、飲食店で行うよりホテルでの値段が高い傾向にあります。

 

法事に招待する人数を決めて、案内状を作成し発送します

法事は遺族で行うことが一般的ですが、49日、一周忌、三回忌は親族や友人と一緒に行います。遺族だけで法事を行うときは案内状を出す必要はなく電話や口頭で伝えますが、親類・友人と一緒に行うときは案内状を作成します。

案内状の規定はありませんが、菩提寺やお齊の会場の住所と地図、塔婆建立の有無を書いておくと親切です。
案内状は返信用のはがきと同封して送りましょう。参列者は案内状が届いたらできるだけ早く返事を返すようにしましょう。

 

法事の参列者への引き出物を決めます

僧侶と法事の参列者へ香典返しの意味を込めて引き出物を用意します。予算の相場は2000〜5000円で包装には白黒または銀色ののし紙にうす墨で「租供養」「忌」と書いたものをつけます。引き出物にこれが良いという決まりはありませんが、焼き菓子、お茶、タオル、カタログギフトに人気が集まっています。

お齊の終盤に施主が僧侶、参列者の順番で手渡しすることが一番丁重といわれていますが、飲食店やホテルで行うときは席にあらかじめセッティングしたり、会場のスタッフが配ることもあるので事前に打ち合わせをしましょう。

 

僧侶へのお布施、祭壇を飾るお供え物の準備をします

お布施は僧侶に対するお礼です。戒名のランクや地域ごとに価格の開きはありますが、読経代金のお布施は3万円程度、お車代が5000〜1万円程度で僧侶が会席に出席しないときはお膳代として5000〜2万円程度をそれぞれ白い封筒に入れて準備します。

お供え物は果物やお花、お菓子を盆に入れて仏壇前に飾ります。お寺で行うときは生ものを好まない場合もあるので、日程の相談をするときにあらかじめお供え物に何を用意したらよいかを確認しておくと準備が楽になります。

 

法事の時の焼香の順番と法事後のお斎の時の席順を決める

焼香は施主が一番初めに行います。以後血縁の濃い人から焼香します。葬儀の時は祭壇に行って焼香しますが、法要の時は回し焼香といって香炉をそれぞれの席に回します。

お齊の席順は僧侶が一番上座で隣に施主以後血縁の濃い人、故人とのゆかりの程度により席を決めていきます。お齊ではお酒も出るのでつい、本音がポロリと出てしまい思ってもみない大円団が起こる可能性もあるので隣り合う人の関係性を考えて決めることをおすすめします。

 

法要後のお齊開催の挨拶を考える

法事のメインは僧侶の読経ですが、施主が行うお齊開始のあいさつはとても大切です。文例を参考にしてください。

「本日は故人○○の法要を務めさせていただきます。△△寺様の読経に故人を偲ばせましょう。ご多忙の中わざわざ時間を割いてお参りに集まりいただきありがとうございます。何のおもてなしもできませんがささやかな粗飯を用意させていただきました。ゆっくりとお召し上がりください」

最後は一例をしましょう。

 

いかがでしたでしょうか。

法事の服装は施主、参列者ともに準礼服を着て参加します。小さな子供の時は黒や紺を基調とした襟のついた服装をするようにしましょう。あの世に行ってしまった個人は審判で自分を何とかフォローしようとしますが、閻魔大王の鏡や真実を見抜く第三の眼を持つ鬼に生前の罪を見抜かれてしまい申し開きができません。

そんな時、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のごとく差し伸べられる一筋の希望が法事の読経やお供え物、お齊の時の信仰心なのです。親から子へ、子から子孫へ、法事をきちんと営む伝統は引き継がれます。この記事を参考にして故人や施主だけでなく、子や子孫まで死後美しい香りと音楽に包まれる極楽浄土に行けるように法事マナーと伝統を守りましょう。

 

まとめ

法事の営み方マナーがよくわかる7つのポイント

・菩提寺と相談し法事を行う日時を選定しましょう
・法要後の食事会のの開催場所を決定します
・法事に招待する人数を決めて、案内状を作成し発送します
・法事の参列者への引き出物を決めます
・僧侶へのお布施、祭壇を飾るお供え物の準備をします
・法事の時の焼香の順番と法事後のお斎の時の席順を決める
・法要後のお齊開催の挨拶を考える


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