お彼岸の意味合いとは。大人が抑えるべき7つの風習

お彼岸の意味合いとは。大人が抑えるべき7つの風習
「お彼岸」と言う言葉は、日本人であれば幼い頃から誰もが馴染みのある言葉。ただ、お彼岸の風習と言えば、お墓参りを思い浮かべるものの、そもそもお彼岸とは、いつのことを言うのか、ハッキリと答えられない人も多いですよね。

お彼岸は、春分の日と秋分の日の前後3日を含めた、それぞれ7日間の期間を言います。つまり、お彼岸は年に2回あるのです!また、春分の日と秋分の日は年によって変わるため、それに合わせてお彼岸の時期も異なることになります。

春分・秋分の日の3日前を彼岸の入りと言い、春分・秋分の日の3日後を彼岸の明けと呼びます。さらに春分・秋分の日は中日となっています。また、秋分の日のお彼岸は秋彼岸と呼ばれたり、後の彼岸などと言う方々も多いことから、お彼岸とだけ言うと、春のお彼岸を思い浮かべる人が多いのです。

こんな話を聞くと、幼い頃からの風習で、当たり前のようにお墓参りをしてきた方々も、「そう言えばお彼岸について、キチンと知らないな…。」と気付きますよね。

そこで今回は、自分の子ども達にも教えられる、お彼岸の意味合いと基本的な風習をお伝えします。

 

お彼岸の意味合いとは。
大人が抑えるべき7つの風習

 

お彼岸の意味

彼岸の意味を考える機会はまりありません。「お彼岸」という言葉はなんとなく使っているけれど、意味まで考えたことはないという人も多いのではないでしょうか。

【 お彼岸とは 】

■ 実は彼岸とは、「あの世」を指します。一方で、私たちが住んでいる現世を此岸(しがん)と言います。

・ お彼岸の時期には、「此の迷いの岸である現実の世界から、彼の悟りの岸である仏の世界へ到達する」と言われているのです。

 

春分・秋分の意味合いとは

では、なぜ春分・秋分の日なのか、を紐解くには、まず、春分・秋分の日に伝えられた、国民の休日に関する憲法に記載されている、以下の意味合いを知ることも大切です。

【 春分や秋分の日がお彼岸である理由 】

・ 春分の日…自然をたたえ、生物をいつくしむ

・ 秋分の日…祖先を敬い、亡くなった方を偲ぶ

 

お墓参りをする理由

仏教には、煩悩まみれの此岸から、修行をして彼岸へたどり着くという教えがあり、これを東から昇って西に沈む太陽に例えています。そして春分の日と秋分の日は、昼と夜の時間がほぼ同じとされていて、太陽も真東から昇って真西に沈みます

★ このことが、他の日よりも「此岸」と「彼岸」が最も近づくと考えられているため、春分の日と秋分の日なのです。

これにちなんで「お彼岸の時期にはお墓参りをする」という風習があるのです。

 

「ぼたもち」と「おはぎ」彼岸の時期に行うこと

お彼岸の時期に行う代表的な風習と言えば、先ほどもお伝えしたようにお墓参り。お墓参りでは、故人に自分の近況を報告したり、故人に感謝したりします。

お彼岸の食べ物と言えば「ぼたもち」と「おはぎ」という印象を持つ方も少なくありません。「ぼたもち」と「おはぎ」ってどっちも同じようなイメージがありますが、どちらをお供えするのが正解なのでしょうか。

【 お彼岸に供える「ぼたもち」と「おはぎ」 】

■ 実は、「ぼたもち」も「おはぎ」も呼び方が違うだけで、同じものなのです。

・ 漢字で書いたとき、ぼたもちは「牡丹餅」、おはぎは「お萩」と書きます。「牡丹」は春の花である「ボタン」、「萩」は秋の草花である「ハギ」に由来しています。

また、大きさにも違いがあるようです。ぼたもちは牡丹の花のように大きく、おはぎは萩の花のように少し小さめ。

★ つまり、春には「ぼたもち」、秋には「おはぎ」ということですね。お供えするものは同じでも、季節によって呼び方や時には大きさが変わるのです。

 

お彼岸の風習

お彼岸の風習には、代表的なお墓参り以外にも以下の風習があります。

【 お彼岸のお墓参り以外の風習 】

西の太陽に向かって拝む
・お寺で彼岸会を行う
・仏壇・仏具の掃除
・お墓の掃除
・供花やお供え

仏壇・仏具、お墓の掃除やお供え物については、お墓参りに関連することとして、取り組む人は多いと思います。西の太陽に向かって拝んだり、お寺で彼岸会を行うことについてはいかがでしょうか。最近ではあまり聞きなれない言葉のように思います。

 

西の太陽に向かって拝む理由

【 西の太陽に向かって拝む 】

■ 上の項でもお伝えしたように、此岸と彼岸を太陽の道(東西)に例えて考えられています。

遙か遠くの西にある極楽浄土に思いを寄せて拝むようになった、と言われています。

 

お寺で彼岸会を行う

お寺での彼岸会は、お彼岸の時期にお寺で行われる法会のことです。お寺で故人の供養をしてもらうと同時に、「六波羅蜜」の教えを会得する行事です。

【 「六波羅蜜」の教え 】

■ 「六波羅蜜」とは布施、持戒、刃辱、精進、禅定、智慧の6つを指し、仏様の境涯に到るための修行です。

別の言い方をすれば、お寺で行われる彼岸会は、煩悩まみれの此岸に生きる自分自身を、少しでも安らかな悟りの境地に近づけるように努力する大切な行事なのです。

 

いかがでしたでしょうか。お彼岸について意外と知らないこともあったはず…。改めてお彼岸の意味を考えてみると、とても奥が深いものだということがわかります。

「ぼたもちとおはぎが、実は同じものだった」なんて事実も判明しました。お彼岸は春と秋の2回あります。此岸と彼岸の世界が近づくとされるお彼岸の時期に、ご先祖様へ感謝の気持ちを伝えるいい機会になるのではないでしょうか。

また、自分自身を改めて見直す機会にもなり、自分自身が生きていることへの感謝も改めて感じられる行事が、お彼岸でもあります。お彼岸は仏教の言葉ですが、古くから伝わる日本独特の風習で、海外にはありません。

お彼岸の意味を改めて知った今、これからも毎年訪れる「お彼岸」という風習を理解して、子ども達にも伝え残してください。

まとめ

お彼岸の意味合いと風習

・お彼岸は春分と秋分、前後3日の7日間
・お彼岸は「此岸」と「彼岸」が最も近づく日
・お彼岸の時期にはお墓参りをする
・ぼたもちとおはぎは同じもの
・西の太陽に向かって拝む
・お寺で彼岸会を行う
・日本独特の風習である


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