お車代という言葉を聞いても、ピンとこない人もいますよね。お車代というのは、結婚式で一部の限られた人に渡すもので、結婚式・披露宴に来て頂くための、いわゆる交通費にプレスアルファでお礼の気持ちの込めたもの。
結婚式には、通常は電車などの交通機関を使ってくる場合が多いですが、その交通費をお渡しする時の名目をお車代と呼びます。ただ、お車代はあげなくてはいけない、という決まりがあるわけではありません。
例え渡さなくてはいけない人に渡し忘れていたとしても、後で「もらっていませんよ」と指摘されることはないもの…。しかし、慶事のマナーを正しく知っている人なら、お車代がないことが、マナー違反だということはわかりますから、失礼に当たるのです。
結婚式は、日頃親しくしている人やお世話になっている人を招待して、結婚の報告をし、お祝いをして頂く大切な場面ですから、ゲストに失礼がないようにしたいですよね。
そこで今回は、忘れられがちなお車代のマナーについて包み方、金額、渡し方に至るまでを解説します。
お車代の基本マナー☆
包み方と金額の決め方、渡し方
お車代を渡す対象
お車代を渡す基準がわかりにくいという人も多くいますが、基本的にお車代は、こちらから頼んで結婚式に来ていただいた方にお渡しします。
【 お車代マナー、渡す対象 】
★ 具体的には、スピーチを頼んでいる主賓や遠方から新幹線や飛行機などを使ってわざわざ来ていただく方など。
・ お世話になっている人や、こちらの都合で来て頂く方にお渡しすると覚えておくと、お渡し漏れや失礼がなくなります。
お車代の包み方
お車代は現金でお渡しします。しかしながら、現金をそのまま裸で渡すのは、相手に大変失礼。
【 お車代マナー、包み方 】
★ お車代は、ご祝儀袋かポチ袋に入れて渡すのがマナーですが、包む金額を考えるとお札を折らずに袋に入れることができる祝儀袋が適切。
・ 祝儀袋の水引は結び切りのものにすることを忘れてはいけません。
結婚は再びあってはいけないことですから、何度も結び直しができる花結びの水引はマナー違反なのです。
祝儀袋の表書き
祝儀袋にお車代を入れて渡す際に、水引以外で気を付けなくてはいけないのが、表書きと名前を必ず記入するという事。
お車代を何人かに渡すので、1枚ずつ書かなくてもいいのではないか…、と考えるかもしれませんが、祝儀袋を買ってきて何も書かずにお渡しするのは、手抜きですし、失礼に当たります。
【 お車代マナー、表書き 】
★ 毛筆、もしくは筆ペンで、表書きには「御車代」と記入。また、祝儀袋の水引の下半分には、両家の苗字を記入します。
・ この時には、新郎新婦個人からというのではなく、両家からという意味になりますから、名字だけ記入すればOKです。
金額の目安
お車代の金額の目安は、最低でも1万円以上。たとえ、主賓が近所にお住まいで、往復交通費が1,000円以下だという場合でも、お車代は1万円を包みます。
【 お車代マナー、金額目安 】
★ 少額を包んで渡すのは失礼だという意味もありますし、お礼の気持ちも含めると1万円未満をお渡しするのはマナー違反なのです。
・ ただ、遠方から足を運んでくれた友人や親せきには、交通費の半額程度を渡すのが目安。
例えば、往復新幹線が3万7千円の場合には、2万円包んでおけばよいですし、終電始発の関係で1泊するゲストには、交通費のみをお渡しするという、金額の決め方が一般的です。
お車代の渡し方
お車代は新郎新婦から渡す必要はありません。招いた本人から渡すのが礼儀だと思われるかもしれませんが、結婚式では、新郎新婦のスケジュールが詰まっていますから直接渡すのは不可能。
【 お車代マナー、渡し方 】
★ マナーとしては、頼んだ側の親に渡してもらうのが一般的。
・ 主賓には、受付の後にお席に伺ってお渡ししたり、親戚の人には、親族の挨拶のタイミングや合間を見計らって、親が渡すのがスマートです。
お車代の渡し方、その2
地方から上京して、そのまま都心で結婚式を挙げる場合は、学生時代の友人がほとんど遠方からのゲストになるケースがあります。このような場合には、すべてのゲストにお車代を親が一人ずつ渡すわけにはいきません。
【 お車代マナー、大勢の場合 】
★ このような場合、受付で渡してもらうのが適切。
・ 誰かには親から、誰かには受付からなど分けてしまうと、ランクを分けたような印象を与えてしまうため、渡すタイミング、渡し方は一律にするように注意が必要です。
いかがでしたでしょうか、お車代については、包み方、金額の目安、渡し方に至るまで、独特のマナーがあります。
結婚式は、新郎新婦がお祝いをしてもらう場でもありながら、お招きした方、すなわち、日頃からお世話になっているゲストに対して、結婚の報告を感謝の気持ちを伝える場でもあります。
ですから、招待して来て頂いたゲストに、不快な思いをさせてしまってはいけません。主賓には上司や目上の方をお招きすることが多いですが、社会的立場が高い方はそれなりに、土日も多忙。
そのような方にわざわざお越し頂いているという気持ちを込めてお車代をお渡しするのです。もちろん、おめでたい場で「お車代をもらえると思ったのにもらえなかった」と不満をこぼす人は少ないはずです。
ただ、マナーを知っている人は、気持ちの奥底で大なり小なり違和感を感じるはず。相手に失礼がない基本のマナーは押さえて、皆が気持ちの良い式を挙げましょう!
まとめ
押さえるべきお車代のマナーとは
・お車代を渡す基準はこちらから頼んだかどうか
・お車代は結び切りの祝儀袋かポチ袋に包む
・表書きは「御車代」で両家の名前も忘れずに
・金額は最低1万円~で遠方の人には半額が目安
・主賓と親族には頼んだ側の親から渡す
・遠方からのゲストには受付の時に渡してもらう