就活メールは就職活動のはじめの一歩。インターネットや就活本では、就活メールの例文や雛形が多く見られます。はじめの一歩だけに、なかには緊張しすぎて例文そのまま送る人も多いかもしれません。
応募者が緊張して送る就活メールですが、採用担当者から見れば、一度にたくさんの応募メールを受信します。しかも、「文章」と言う残る形で確認することができます。そのため敢えて意識をしなくても、そこで応募者の違いを感じ取るもの。
無意識に好印象を持った場合でも、「やるな!」と唸った場合でも、その後の就活や面接に向けてプラスポイントであることは明らかです。メインではない就活メールだからこそ、社会人としてのビジネスマナーを持って送りたいもの。
そこで本記事では、就活メールで社会人として信頼できると感じさせるマナーを、採用担当者の体験談をもとにお伝えします。
就活メールで好印象を!
採用担当者が一目置いた体験談
まずはそのメールを見てもらう
採用担当者が好印象を持つ就活メールの前に、いえ、そのためにも、基本的なビジネスマナーは押さえておく必要があります。まずは就活メールの基本をチェックしてください。
【 就活メール(ビジネスメール)の基本マナー 】
・ ビジネスメールは、パソコンで送る。
・ 件名は、ひと目で内容が分かるように、簡潔に書く。
・ 冒頭に会社名・送り先の担当者の氏名を書く。
・ 文の初めでは、自己紹介(自分が何者か)を明記する。
・ 文面には適度な改行を用いて、読みやすくする。
他にも様々ありますが、これがビジネスメールの一般常識です。冒頭で会社名と送り先の担当者名を書きますが、その際に株式会社などの部分は、(株)などと省略せずにキチンと書きます。
会社説明会などに出向いた後には
さて、ここからが採用担当者の体験談を元にした、就活メールのポイントをお伝えします。就活メールはすでに社会に出て長い採用担当者にとって、応募者の社会性が伺えるものでもあります。
★ 会社説明会へのお礼を述べる。
・ 多くの入社希望者が集まる会社説明会。あなた一人を覚えているとは限りませんので、まず自分が説明会に参加した旨を伝えます。
例)
「 先日、御社の会社説明会へ伺いました、
○○大学 ○○学部 3年の 梅田 俊夫(仮名)と申します。先日は貴重なお話を頂き、ありがとうございました。」
など。
そして、さらに説明会を受けた感想を少し述べると好印象です。例えば、「皆様のお話を拝聴し、ホスピタリティーの大切さを痛感いたしました。」などの言葉を付け加えると、あなたの姿勢が伝わります。
面接日時などの連絡で、返信をする場合
多くの応募希望者が就活メールで意識するのは、ファーストコンタクト。最初の一通目だけだったりします。特に担当者の方がフランクな感じの場合には、ついつい気が緩んでしまう…。なんていう事態もあるようです。
★ 注目すべきは、二度目の「返信メール」。
・ 就活メールの多くが面接の日時などを伝えるものなので、やりとりが生じます。その時の基本的なビジネスメール、返信のマナーを知ってから送ります。
【 ビジネスメール、返信時の常識 】
・ 件名は「Re:」のままで送り、敢えて書き換えません。
・ 24時間内の返信がビジネスの基本。
・ 相手の文面を残しておく。
「Re:」や、相手の文面を残す(>でそのまま残る方法)は、多くのメールをやりとりする相手へ配慮して、前回の内容を残すことで、すぐに概要が分かるようにするためです。
「○月○日○時で承りました>>Re:面接の日時について」のように、残しつつも自分のタイトルを付け加える人もいます。
履歴書などの添付ファイルの添え方
就活メールでは時に履歴書などのデータを、添付ファイルで送るケースがあります。その時に、どのようにひと言添えるかで、社会に出てからの応募者の所作を感じ取る採用担当者もいるようです。
★ 添付ファイルを送る旨を添える。
例)「履歴書を添付ファイルにて、お送りいたしますので、
ご確認を宜しくお願いいたします。・ 梅田 俊夫(仮名)履歴書.doc」
分かりきっていることかもしれませんが、文中にひと言添え、また添付ファイルのタイトルも過剰書きにしてまとめて文面で伝えてください。
ネットや就活本の定型文は仕様OK?
多くの就活者が定型メールの文面を名前部分だけ変え、そのまま送る傾向にあります。しかしそれでは、同じ文面をたくさん受信する担当者にとっては、全く変わり映えのしないメールに映ってしまいます。
★ 自分自身の文章を織り交ぜる。
・ 前述した説明会への感想も、その一例です。定例文を参考にしつつ、最後や文中に、HPや会社パンフレットなどで感じた自分の想いを添えると、想いが伝わりやすくなります。
就活メール全面で自分の文章に「酔って」しまっては、相手には伝わらないことも多いです。定型文を機軸としつつ、数文を自分の言葉で伝える8:2ほどのバランスで添えてください。
就活メールの最後には…
ビジネスメールの多くが、文末に署名を載せているのを、ご存知でしょうか?「メルマガ」などを受信していると、文の最後に会社の署名が入っています。
★ 就活メールにも「署名」を添える。
例) ===============
梅田 俊夫
○○大学○○学部3年Tel) 090-0000-0000
Mail) toshio_umeda@********
===============
このように書きます。フリーのメールなど署名を登録する設定があるので、そこに入れておけば自動的に署名されます。多くの応募者とやりとりする担当者にとって、文末に連絡先があると便利ですし、気が利いていると感じます。
面接を終えた後に…
応募者は面接を終えてしまうと、ホッとひと安心。気を抜いてしまいますが、時に「面接へのお礼」のメールを送る人がいるようです。これが、担当者には「おや?」と一目置いたきっかけになった、と言う体験談があります。
★ 面接を終えたら、お礼メールを。
・ 担当者があなたを覚えている24時間内が、絶妙のタイミングです。
例)「本日は私のために時間を割いて頂き、誠にありがとうございました。
面接を終えて、御社の方針(具体的な内容があればそれを)に共感し、
皆様と共に、御社のサービスを広げたいと言う想いを強くしております。」
このような一文を添えて、面接の感想と自分の想いを簡潔に添えた挨拶を送ると、好印象です。
就活メールの基本マナーと採用担当者が体験した、「おや?」と一目置いたメールのポイントの数々は、いかがでしたでしょうか。もちろん「その会社に就職したい!」と言う強い思いが、内定を受けるのかもしれません。
けれども、就活メールはビジネスマナーのひとつ。就職活動の時点で、すでに社会人の一員として見られているのだ、と言う自覚を持つことが、最も重要なポイントです。
そのため、今まで当たり前にしてきた顔文字や、Lineスタンプ、♪(音符)マークのようなカジュアルなものは付けてはいけない…、と言うことは当然と考える頭の切り替えが不可欠。
ビジネスメールのマナー全般に限らず、面接時や電話での会話時の所作に関しても、「社会人である。」と言う自覚と意欲が、自然に丁寧な対応とマナーに繋がります。ひとりの社会人として丁寧に対応し、その想いを伝えましょう!
まとめ
人事が経験した、多くの応募者から抜きん出たメールの特徴
・まずはビジネスメールの基本を押さえていることが重要
・会社説明会など相手と面識がある時は、お礼のひと言を
・二度目以降の返信メールでは、相手の文面を残す配慮
・添付ファイルを添える時は、その旨と概要を伝える
・定型文と自分の言葉、8:2の割合でメールに織り交ぜる
・連絡が取りやすい様、メールの最後に「署名」を付ける
・面接後にも、感想と自分の想いを簡潔に添えたお礼メール