敬語の変換表☆日常使いの押さえたい7つのワードを解説!

敬語の変換表☆日常使いの押さえたい7つのワードを解説!
敬語の変換が自在に出来るようになると、安定した正しい言葉遣いができます。目上の方やお客さま、あるいは知らない方と話す時に、私たちは敬語を使います。けれども、知らず知らず間違った言葉を使っていて、後から恥ずかしく思う経験、ありますよね。

特に日本の敬語の変換は複雑で、目上の方に敬意を表す表現の「尊敬語」、自分の行動などをへりくだって相手を立てる「謙譲語」など、様々な表現があります。

さらに尊敬語や謙譲語で会話をする時には「~ます」などの丁寧語を使いますが、ちょっと使い方を間違えると「二重敬語」となってしまったり…。敬語の変換は、なかなか手ごわいものでもあるのです。

そこで今回は、日常の生活でよく使われる言葉を7つ取り上げて、それぞれの「敬語の変換」についてお伝えします。その敬語の変換を使いこなすだけでも、あなたの心遣いがより深く、相手に伝わるようになります!

 

敬語の変換表☆
日常使いの押さえたい7つのワードを解説!

 

「いる」の敬語の変換について

「いる」は漢字では「居る」と書きます。「いる」とも「おる」とも読むことができますね。そのことを頭に入れておくと、敬語の変換もわかりやすいかもしれません。

≪ 尊敬語→「いらっしゃる」「おられる」 ≫

例:①○○さんはいらっしゃいますか?

②△△さんは、今大阪におられます。

≪ 謙譲語→「おる」 ≫

例:私は月曜日なら自宅におります

なお尊敬語の①の例を「○○さんはおられますか?」と言うのは間違いです。上記のとおり謙譲語でも「おる」という言い方となり、会話だけでは謙譲語を丁寧な言い回しで語っているとしか捉えらえかねないからです。

★ 特に、ビジネスの場においては「○○さんはいらっしゃいますか」という言い方を徹底した方が安心です。

・ なお、「いらっしゃいますか?」の敬語の変換は、状況に応じて「ご在宅ですか?」「ご在席ですか?」という言い方もできます。

 

「する」の敬語の変換について

「する」の敬語の変換は、以下のようになります。

≪尊敬語→「なさる」「される≫

・ 「なさる」の方が「される」よりもより丁寧な表現とされています。

例:①お父様は、毎朝ランニングをなさるそうですね。

②○○さんは、毎日日記を書くことを習慣にされているそうですね。

なお、「△△さんは○○さんに相談されたそうです。」と言う言葉の敬語の変換は、「△△さんが○○さんに相談した」とも「△△さんが○○さんに相談を持ち込まれた」とも取れます。

もし前者の意味を表現したいのであれば、「△△さんは○○さんに相談なさったそうです。」と、「なさる」を使う方がきちんと意味が伝わります。

≪謙譲語→「いたす」≫

例:①ご自宅までお届けいたします

②どうぞよろしくお願いいたします

 

「言う」の敬語の変換について

「言う」は尊敬語も謙譲語も、敬語の変換が「特定形」となりますので、ぜひ覚えてください。

≪尊敬語→「仰る(おっしゃる)」≫

例:□□課長はこのように仰いました

なお「仰られました」や「仰っておられました」は、尊敬語にさらに丁寧語をつけた「二重敬語」となります。使う方が多い言い回しではありますが、実際は避けたほうが良い表現です。

≪謙譲語→「申す」「申し上げる≫

例:①はじめまして、私は△△と申します

②この場をお借りして御礼申し上げます

「申す」は尊敬語のように「□□課長が申されました」と使う方もみられますが、尊敬語ではなく謙譲語を丁寧に言い換えただけなので、相手方に敬意を表していることにはなりません。

「間違いワード」のひとつとして、意識しなければなりません!

 

「食べる」の敬語の変換について

「食べる」も、尊敬語や謙譲語が「特定形」となる言葉です。

≪尊敬語→「召し上がる」≫

例:温かいうちにどうぞ召し上がってください

・ なお「お召し上がりください」という言い回しは半ば慣用化されている感がありますが、実は「お~ください」が丁寧語なので「二重敬語」です。

まだこの辺りは許容範囲ではあるものの「お召し上がりになられてください」という言い回しは過剰な敬語表現となりますので、避けておきます。

≪謙譲語→「いただく」「頂戴する」≫

例:①○○さんお手製のケーキを美味しくいただきました

②それでは、ありがたく頂戴いたします

 

「行く」の敬語の変換について

「行く」の敬語の変換も、ぜひ覚えておきたい言い回しです。間違いも起こりやすいので、例文を参考にしてください。

≪尊敬語→「いらっしゃる」≫

例:△△課長は明日のイベントにいらっしゃいますか?

なお①においては「イベントに行かれますか?」も間違いではありませんが「いらっしゃる」よりは丁寧さが低くなる敬語ですので、特にビジネス関係の目上の方には「いらっしゃる」を使ったほうが良いと言えます。

≪謙譲語→「伺う」「参る」≫

例:①明日午後2時に、そちらに直接伺います

②準備が整い次第参ります

特に「参る」に関しては「東京にはいつ参られますか?」というような言い回しをする方が見受けられますが、謙譲語ですのでもちろん間違いです。「東京にはいついらっしゃいますか?」という言い回しをぜひ心がけてください!

 

「来る」の敬語の変換について

「来る」も敬語の変換をすると少し使い方が難しく感じられるかもしれませんが、よく使う言葉ですのでぜひ覚えたい敬語の変換です。

≪尊敬語→「おいでになる」「お越しになる」「お見えになる」≫

例:①「○○さんが、先日本社においでになったようです」

②「こちらへお越しになったのはいつですか?」

③「先ほど○○様がお見えになりました

「おいでになられる」「お越しになられました」などは二重敬語となります。

≪謙譲語→「参る」≫

例:①東京には明日戻って参ります

②飲み物なら私が買って参ります

 

「見る」の敬語の変換について

「見る」は尊敬語も謙譲語も「特定形」となることがポイントです。

≪尊敬語→「ご覧になる」≫

例:こちらのパンフレットはご覧になりましたか?

≪謙譲語→「拝見する」≫

例:すでに拝見しました。

なお「見せる」は謙譲語に変換すると「ご覧に入れる」「お目にかける」という言い回しになりますので、合わせて覚えておくと便利です。

 

7つのワードの「敬語の変換」のお話はいかがでしたでしょうか。人によっては「知らずに使っていた間違い表現」もあったかもしれません。

しかし言葉は、実践して身についていくものでもあります。どのような方でも、身の回りには、目上の方が必ずいますよね。間違えてしまったら次回から直せばよいのですから、まずは恐れずに様々な方と会話をすることがコツです。

きちんと敬語を使い分けて話したいという心掛けがあれば、きっと身につくのも早いはずですから。

冒頭で日本語の敬語の変換は複雑だと述べましたが、裏を返せばそれだけ心遣いを表す細やかな言葉がたくさんある、ということです。素晴らしい日本の文化とも言えますので、ぜひ少しずつでも美しい敬語の変換を身につけていきましょう!

 

まとめ

覚えておきたい、基本の敬語の変換

・「いる」は「居る」という漢字を思い浮かべるとわかりやすい
・「する」の丁寧語「なさる」「される」は使い分けが大切
・「言う」は丁寧語が「仰る」、謙譲語が「申す・申し上げる」
・「お召し上がりください」は実は二重敬語
・丁寧語「いらっしゃる」謙譲語「伺う・参る」はすべて「行く」という意味
・「来る」の丁寧語「お越しになる」等と謙譲語「参る」は使い分け
・「見る」は丁寧語が「ご覧になる」謙譲語が「拝見する」となる


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