神道葬式の流れ。喪主が押さえる手順と作法、基礎知識

神道葬式の流れ。喪主が押さえる手順と作法、基礎知識
神道葬式の仕方や作法は、日本で一般的と言われる仏式の葬儀とは全く異なります。日本では仏式の葬儀をする家庭が多いですが、2番目に多いのが神道の葬式です。

結婚相手が神道だったり、親が神道だった場合には、自分が喪主になる可能性が高いため、その作法と流れを知っておかなくてはいけません。

まず、神道葬式は仏式の葬儀とその目的が全く異なります。仏式では死者が死後に極楽浄土へ行けるように供養するものですが、神道葬式は死者に自分の家の守護神となってもらう儀式です。そのため、当然執り行う儀式の内容も異なるのです。

しかし、神道葬式の仕方は学校で教えてくれるものではありませんから、手順や細かな作法は知らないですよね。そこで今回は、喪主が知っておかなくてはいけない神道葬式の作法と手順を解説します。

 

神道葬式の流れ。
喪主が押さえる手順と作法、基礎知識

 

帰霊奉告と神棚封じ

家族が亡くなって自分が喪主になったら、まずは宮司に連絡をします。宮司というのは、神道葬式のあらゆる儀式を執り行う人で、神社の代表者のことを言います。代々お世話になっている神社がある場合には、その神社の宮司に連絡をします。

【 神道葬式の手順:帰霊奉告の儀 】

■ 宮司は連絡を受けて、神道葬式の準備となる帰霊奉告の儀をしてもらいます。

・ 帰霊奉告というのは、神棚や祖霊舎に故人が亡くなったという事を伝える儀式。この儀式が終わったら、喪主は半紙で神棚を覆う神棚封じをします。

 

自宅に運んで枕直しの儀

神道葬式では、死者は汚れたものとして扱われます。そのため、自宅で神道葬式をする場合には、死者を運ぶ前に神棚封じをするのです。神棚封じを終えたら、痛いを自宅に運びます。

【 神道葬式の手順:枕直しの儀 】

■ 遺体を自宅に運んだら、宮司に枕直しの儀をしてもらいます。

・ 枕直しの儀というのは、遺体の頭を北の方向に向けて寝かせることです。この時、遺体には白の着物を着せるのが作法です。

 

湯灌の儀と納棺の儀

枕直しの儀を終えたら、神道葬式のメインの儀式を迎えるための準備に入ります。それが湯灌の儀と納棺の儀です。湯灌の儀とは故人の身を清める儀式、納棺の儀とは故人の遺体を棺に納める儀式です。

【 神道葬式の手順:湯灌の儀と納棺の儀 】

■ 仏式の通夜にあたる神葬祭の前に、遺体を清めなくてはいけないのです。

・ どららの儀式も宮司が行いますので、喪主が主体的に何かすることはありませんが、流れは知っておいた方が良いです。

 

神葬祭1日目:遷霊祭

神道葬式のメインの儀式となるのが神葬祭です。神葬祭は2日に分けて行います。1日目は仏式の通夜に当たる遷霊祭です。遷霊祭では、室内の照明をすべて消さなくてはいけません。宮司は祭詞を奏上し、故人の御霊を霊璽に移します。霊璽とは、仏教でいう位牌です。

【 神道葬式の手順:遷霊祭 】

■ 喪主をはじめとるする遺族と参列者は、玉串を奉って拝礼をします。

・ 玉串とは、仏式でいう焼香のようなもの。

玉串奉奠は、右手で玉串を取り左手を添えて、祭壇の前で一例、右回りで回転させて根本を祭壇の方に向けて回転させ捧げるという手順で行います。

 

神葬祭2日目:葬場祭

神道葬式の2日目に行うのが葬場祭で、これは仏式で言う告別式にあたるものです。葬場祭では、遷霊祭と同様に宮司が祭詞を奏上して、喪主をはじめとする遺族、参列者は玉串を奉りますが、さらに宮司が修祓の儀、献饌という儀式も行います。

【 神道葬式の手順:葬場祭 】

■ 最後に宮司、喪主、遺族、参列者の順に玉串をして、祭壇のお供え物を撤饌します。

・ 撤饌というのは片付けること。ここまででいわゆるメイン行事となる神葬祭は、終わりです。

 

火葬祭と埋葬祭

葬場祭が終わったら、いよいよ神道葬式の締めくくりとなる火葬祭と埋葬祭を行います。火葬祭と埋葬祭は、その名前の通り、遺体を火葬して埋葬することです。

【 神道葬式の手順:火葬祭と埋葬祭 】

■ しかし、神道葬式では火葬の時にも宮司が祭詞を奏上し、遺族は玉串を奉ります。

・ 埋葬は火葬の後すぐに行う場合もありますが、50日祭が終わるまで家に置いておく場合もあるため、その家の風習に従うのがベターです。

 

帰家祭と直会

埋葬まで終わったら、家に帰って神道葬式のすべてが終わります。

【 神道葬式の手順:帰家祭 】

■ 神道葬式では、家に帰ることも帰家祭と言って、儀式の一部になります。

・ 帰家祭では、家に入る前に塩と手水でお清めをすることがひとつの儀式になります。

帰家祭まで終わったら、神道葬式でお世話になった宮司の方をはじめ、遺族や参列者で直会をします。直会というのは会食のことです。

 

いかがでしたでしょうか。神道葬式の作法と手順を解説しましたが、仏式の葬式と比較すると、やらなくてはいけない儀式がたくさんあると感じてしまいがち。

しかし、神道葬式で行う儀式にはすべて意味があるため、どれも省略することはできませんし、その意味と目的を知っていれば重要だと感じるはずです。

神道葬式と仏式の葬儀では死者の扱い方が全く異なるため、神道葬式ではやらなくてはいけない儀式が多いのです。しかし、難しく考えることはありません。神道葬式では宮司が執り行う儀式がほとんどですから、喪主は基本的に宮司の指示に従えば大丈夫。

神道葬式の喪主を務めれば、参列者として神道葬式に行くときにも不安になることはありませんから、これを機会に流れを理解しておくことをおすすめします。

 

まとめ

喪主が知っておくべき神道葬式の流れ

・宮司に連絡をして帰霊奉告の儀をして神棚封じをする
・遺体を自宅に運んで枕直しの儀を宮司に行ってもらう
・遺体を清めたら納棺の儀で棺に納める
・神葬祭1日目は通夜と遷霊祭を行う
・神葬祭2日目はメインとなる葬場祭を行う
・葬場祭が終わったら火葬、埋葬の順に行う
・帰家祭まで終わったら直会を開いておもてなしする


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