永代供養とは?お墓の現代事情と、終活で人気の理由


永代供養とは、その言葉の意味あいから死後、永久的に供養をしてくれるサービス、というイメージを抱きますよね。以前の日本では、亡くなったら菩提寺に墓石を立て、代々続く子孫によって供養をしてもらうのが一般的でしたから、永代供養とはなじみが薄いという人も多いです。

しかし、永代供養とはコスト面でも手間の面でも、お墓を立てて供養をするよりも効率が良いという事から、実際に自分の死後は永代供養をしてほしいと考える人が増えているのが現状。

ただし、永代供養とは何かという正しい知識を持っていない人は、意外と少ないものです。自分の死後の供養の仕方を決める大切なことだけに、永代供養とはどのようなものなのか、知っておくと安心ですよね。

そこで今回は、永代供養とは、その基本とメリットとデメリット、人気の理由を解説します。

 

永代供養とは?
お墓の現代事情と、終活で人気の理由

 

永代供養とは

【 永代供養とは 】

■ 永代供養とは、簡潔に言えばお寺が遺族に代わって供養をしてくれることを言います。永久的にそれぞれのお墓を、個別に供養をしてくれると思っている人もいますが、正確には異なります。

・ お寺によって、何年間は個別に供養をするという風に年数を決めて供養をしてくれるケースもありますし、最初から個別供養はしないというケースもあります。

いずれにしても、永代供養とは、お墓を立てるのとは異なり、遺骨をお寺に預けて供養を委託することなのです。その中に「お墓を立てる」と言う選択肢もあります。

 

2種類の供養の仕方

永代供養とは、お寺に遺骨を預けて供養をしてもらうことだとお伝えしましたが、その供養の仕方には大きく分けて3つの仕方があります。

【 永代供養とは:2つの種類 】

① まず一つ目は、納骨堂に個別に遺骨を安置して一定期間は個別に供養をしてもらい、その期間が過ぎたら、他の人の遺骨と同じお墓に合祀する方法です。

② 二つ目は、最初から他の人と同じお墓に合祀してもらう方法。

③ 三つ目は、従来のお墓を建てながら「永代供養のサービス」を付加する、と言う方法があります。

二つ目の方法をとると、後から個別に遺骨を取り出すことができませんから、遺族がいる場合には慎重に選択しなくてはいけません。

 

人気の理由1:子供への負担軽減

【 永代供養とは:メリット 】

■ 永代供養とはお寺に供養をしてもらうものですから、遺族に負担をかけなくて済むというメリットがあります。このメリットが人気の理由の1つです。

かつての日本では、家を継ぐのは長男という風習が一般的でしたから、当然供養をするのは長男と決まっていましたし、子供が多かったため協力してお墓の管理ができました。

しかし、現代では成人すると上京して就職をするという人が増加しているため、お墓を立てるとお盆やお彼岸に、毎回故郷に里帰りをしなくてはいけません。そんな負担を子供にかけたくないと考える親が増えているのです。

 

人気の理由2:費用面でのメリット

かつての日本は、会社員は終身雇用が多く、退職金と年金で老後は経済的に余裕がある生活を送ることができる世帯が多数を占めていましたから、数百万円をかけて墓石を作り、立派なお墓を立てるということがステータスだと考える人もいました。

しかし、不景気が続き、退職金制度や年金制度の改定で、経済的な余裕がない世帯が増える中、お墓に費用をかけるということ自体が、ナンセンスだと考える人が増えています。

【 永代供養とは:費用面のメリット 】

■ 永代供養とは、初回にお寺に費用を納めればいいタイプも多いので、コスト面でお墓よりもはるかに安く済む選択肢があるのです。

 

人気の理由3:周囲に親族がいないため

子供が故郷を離れていて、供養が負担になるというケースを先に解説しましたが、現代では、逆に親が転勤やセカンドライフのための引っ越しなどで子供から離れて暮らすケースもあります。

自ら親族がまったくいない土地に移住するわけですが、死後は余生を過ごした土地で眠りたいという人もいるのです。そんな場合には、親族が周囲にいないというケースが多いですから、永代供養が最適なのです。

【 永代供養とは:自由の選択 】

■ 永代供養とは、費用を払ってお寺に供養をお願いするものですから、誰に気を遣う必要もなくできるというのは人気の理由の一つです。

 

人気の理由4:自分で好きな所を選べる

永代供養とは、自分が選んだお寺に頼むことができるものです。そのため、先祖代々続いていた菩提寺が山奥にあって、お墓参りに行くにも一苦労だという人にとっては、自分のお墓を自分で選べるというのは人気の理由の1つです。

【 永代供養とは:納骨堂 】

■ 最寄りの駅から近い納骨堂なら、遠くに住む子供や親戚もお墓参りがしやすく便利です。

・ 最近では、永代供養を取り扱う寺や納骨堂が、終活する人達向けに説明会を開催しており、自分の目で見て確かめられるというのも魅力になっているのです。

 

いかがでしたでしょうか、永代供養とはお墓自体やその形態ではなく、誤解を恐れずに言えば、いわばひとつのサービス。この「永代供養とは何か」を正しく知らないと、親から「自分たちは永代供養にしようと思っている」と言われた子供は驚いてしまいます。

お墓参りという習慣は、供養のためでもありますが、遺族にとって見たら、故人に会いに行く意味合いもあるため、それができなくなるのではないかという不安をあおってしまうのです。

しかし永代供養とは一言でいっても、一定期間は納骨堂で個別に供養してくれる方法もあるという事を自分自身の理解し、子供や親族にも説明できるようにしておかなくてはいけません。

死後の供養は、本人からすれば死んだ後のことですからドライに考えられますが、遺族の気持ちも大切にすべきなのです。

その点、永代供養とはお寺や納骨堂によってその内容が異なりますから、自分で検討したり、子供や家族と相談して選ぶことができます。供養の仕方は、自分はもちろん、家族の意見も尊重しながら決めることをおすすめします。

まとめ

永代供養とは

・お寺が遺族に代わって供養をしてくれること
・最初は個別供養ができるものと、合同のものがある
・子供に負担をかけたくないと考える人に人気がある
・永代供養はお墓より費用が掛からなくて済む
・親族が遠くにいて供養ができない時には永代供養が便利
・少子化で家を継ぐ家族がいなくなっても安心できる


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