49日法要の香典返しは、49日の忌明け後、葬儀の参列者の方々にお礼をするために差し上げるものですよね。具体的には“葬儀の際に頂いたお香典のおかげで、49日の間お線香を欠かさず供養を行うことができました”という意味合いが込められています。
しかし、葬儀社がサポートしてくれたお通夜や葬儀とは違い、49日含めその後の法要は自分たちで進めなければなりません。香典返しについても、失礼のないようきちんとお返しできるのか不安が残るところですね。49日の香典返しは法要が済んでから別途行うため、法要の準備にまぎれておろそかになりがちなのです。
そこで本記事では、49日法要の香典返しについて知っておきたい7つのマナーをご紹介します。49日法要を予定している喪主の方は、ぜひ参考にしてください。
49日法要の香典返しで知っておくべき7つのマナー
香典返しの相場は半返しが基本
香典返しでお返しする品物の金額は、頂いたお香典の半額が相場です。世帯主が亡くなった場合などは、3~4割くらいの予算でお返しを行うこともあるようです。また、親族からは高額の香典を頂くことがよくあります。
そういった場合は、半額ではなく1/3~1/4程度のお返しでOKと考えることも。その分故人に対する供養の気持ちが多く込められていると考え、受け取るのが習わしであるからです。親族で香典返しを辞退する人も見られますが、そういった場合も相手の気持ちを頂戴するのがマナー。
いずれの場合も、手書きでお礼状を送るのを忘れずに。
“即日返し”した場合香典返しは不要
9日の法要後に香典返しを行うのが本来正式な形でしたが、現在は様相が変わっているようです。
葬儀の後、参列者に香典返しを当日渡す“即日返し”のケースが多くなっています。この場合はいただいたお香典の金額が確認できないので、一人頭5,000円程度いただいたと仮定して、皆様に一律で2,500円程度の品物をお渡しします。お香典の金額を確認し、高額のお香典をいただいていた場合や生前故人がお世話になった方に対しては、49日法要の後改めてお礼を行うといいでしょう。
既に即日返しをした人に対しては、忌明けのお礼状のみを送付します。
品物は“消え物”を
香典返しは、お香典=不祝儀に対するお返しです。したがって、品物は後に残らないもの、いわゆる“消え物”がよいとされます。消え物の代表的なものとしては食品、洗剤、入浴剤などが挙げられますが、タオルなどの実用的な生活必需品も喜ばれるようです。
また、最近では結婚式の引き出物と同様に、カタログギフトを贈り相手方に好みの品物を選んでもらうケースも増えています。品物を選ぶ手間が省けると同時に、お送りしたものが迷惑になるという事態も避けられるのが有難いですね。香典返しのカタログは500円刻みで準備されており、半返しに対応しやすくなっています。
香典返しのタブーに注意
香典返しは消え物がいいと上で述べましたが、その中にも贈ってはいけない品物があるという点に注意しましょう。食べ物であっても「四つ足生臭もの」と言われる肉や魚の類は、昔から香典返しに贈ることを避けられてきました。そして、お酒は古代より神事などの祝い事に使われることが多かったことから香典返しには使われてこなかったようです。
しかし、カタログギフト内の品物の中からそういった品物を相手方で選んでいただく分には問題ありません。こちらからそういった品物をあえて選んで贈ることは避けましょう。
品物+挨拶でワンセット
香典返しは、どんな品物を贈るか・どのくらいの予算にするかに目が行きがちですが、挨拶状を付けるのを忘れないようにしましょう。ただあくまでも、これは参列者のご自宅に品物を送付する場合です。自ら出向いて品物を手渡しするのであれば、直接感謝の意を伝えられるので挨拶状は不要となります。
デパートや百貨店でまとめて品物を購入・発送するのであれば、有料で挨拶状をつけてくれます。その際、文例の雛型も準備してあることがほとんどです。相手はギフトのプロ。
疑問に思ったら、お店に相談してみるのがベストです。
“ご一同様”から頂いた香典返しは分けやすく
職場や団体の方からまとめてお香典を頂いた場合は、まとめて一つの品物をお返ししてもOKです。その際は、みんなで分けやすいような品物を選びましょう。
個包装のお菓子や、職場で使いやすいお茶・コーヒーなどが喜ばれます。しかし、各人の負担額が個人で頂くお香典と変わらない場合(3,000円~)は、一人一人に香典返しを差し上げましょう。個々人の自宅に送付してもいいですし、住所が分からない場合は代表者にまとめて送っても。
また、同じオフィスで顔を合わせる面々であれば直接品物をお渡しした方が丁寧です。
地方・宗教によってのしの書き方は変わる
香典返しに使われるのし紙と表書きは、地方や宗教によって異なりますので注意しましょう。一般によく使われるのしは「黒白結び切りの水引」で、表書きは上段に「志」、下段に喪主の名字を書き入れることが多いです。
この組み合わせは宗教問わず使うことが可能ですので、覚えておくと便利です。蓮の絵が入ったのしは、仏式でのみ使用します。
また、西日本では「黄白結び切りの水引」を使い、表書きを「満中陰志」とする場合もあるようです。
そのほか仏式では「忌明け」「粗供養」、神式では「偲び草」「今日志」、キリスト式では「偲び草」「召天記念」などと記します。
いかがでしょう、49日法要後のお香典返しにも、さまざまなマナーがあることが分かりますよね。しかし、お香典返し一つ取っても地方や宗派などで微妙にやり方が異なる場合があり、これという正解を示すことは不可能です。
親戚の方などがいらっしゃる場合は、その地方の風習を細かく聞いておくことをお勧めします。あくまでも香典返しは受け取る側がどう感じるかが大切です。マナーを守ったつもりなのに、相手に不快な思いをさせてしまった…という残念な食い違いは起きないようにしましょう。
まとめ
49日法要の香典返しで知っておくべき7つのマナー
・香典返しの相場は半返しが基本
・“即日返し”した場合香典返しは不要
・品物は“消え物”を
・香典返しのタブーに注意
・品物+挨拶でワンセット
・“ご一同様”から頂いた香典返しは分けやすく
・地方・宗教によってのしの書き方は変わる