社会人になると、結婚式やパーティーなど、就活用スーツだけでは少し恥ずかしいかも?時には、タキシードをかっこよく着こなせる大人の男性を演出するのもいいかもしれない、と考えたりすることがありますよね。
しかし、タキシードと似た衣装で、モーニングというものもあります。名前は聞いたことある、見た目の違いくらいならなんとなくわかる、という方でも、実際のところ、どのように使い分けるのかまではよくわかっていない方が多いのではないでしょうか。どちらも正装だし、それほど見た目に大きな違いもないのだから、正直どちらでも問題ないだろう、と安易に考えている方、それは大きな間違いです。TPOによってきちんと使い分けをしないと、大恥をかいてしまうことになります。
そこで今回は、場違いな恰好で恥をかかないために、タキシードとモーニングの違いをシーン別にお伝えします。
タキシードとモーニングは違うの?
シーン別に解説
そもそも礼装とは
まずは、タキシードとモーニングのそれぞれの特徴を理解するために、礼装(れいそう)についてご説明します。礼装とは、一般に冠婚葬祭の儀式典礼に際しての装いをいい、着用する衣服のことを礼服といいます。そして、その礼装には【格】という、言わば、階級のようなものが存在します。
≪正礼装≫
モーニング(慶事、弔事)、燕尾服(慶事)≪準礼装≫
ディレクターズスーツ(慶事・弔事)、タキシード(慶事)≪略礼装≫
ダークスーツ、ブラックスーツ(慶事、弔事)*ディレクターズスーツとは、モーニングコートほどかしこまらず、ブラックスーツほどくだけない礼服です。
このように、格は大まかに三段階に分けられます。モーニングは正礼装、タキシードは準礼装と位置づけされているので、モーニングの方が格が高いという事をまず覚えておきましょう。
そして、格と合わせて、もう一つの決まりが【時間帯】です。モーニングは、朝~夕方6時ごろまでの「昼に着る格式高い正装」です。タキシードは、夕方~夜にかけての「晩餐会に着る正装」です。
みなさん、これでタキシードとモーニングが全く異なるものだということが、まずはわかっていただけましたか。
シーン別着用例
では、次に実際のシーン別に分けてタキシードとモーニングの着用場面の違いを整理していきましょう。
【結婚式では】
結婚式や披露宴で、新郎・新婦の父親の服装は、モーニングを着るのが一般的です。もしどちらかの家がタキシードを着用する場合は、両家で格を揃えるのが無難です。
黒の膝丈の上着にベスト、縞のパンツが基本スタイルです。ネクタイは慶事には、シルバーグレーやモノトーンのストライプが多いですが、アスコットタイを使用することもあります。
友人ゲストとして出席する場合は、タキシード、もしくは略礼装です。ゲストは主催者側と同じ格のモーニングを着用するのは非常識になりますので、気を付けましょう。
また、新郎はタキシードを着用するのが一般的です。モーニングも間違いではないですが、タキシードの方が華やかで、今は色やデザインも豊富にあります。ですから、新婦のカラードレスに合わせて、シャツや小物をコーディネートするとより素敵ですね。
逆に、新郎が略礼装であるスーツを着るのは、格が低いためNGということになります。タキシードはなんだか恥ずかしいと思う男性も多いかもしれませんが、ここは主役ですから恰好よく着こなしましょう。
【式典では】
卒業式・入学式等の式典で、校長・教頭が着ている服装は、モーニングです。表彰者として出席する場合は、スーツよりタキシードの方が良いでしょう。保護者としての出席程度であれば、略礼装で十分です。
【コンサート・音楽菜では】
コンサート・晩餐会・音楽鑑賞会など、少し真面目なパーティーでは、タキシードを着用します。シーズンや会の雰囲気に合わせて、タキシードの色やデザイン、小物を変えることでより着こなしている感があります。
【葬儀・告別式】
葬儀・告別式での喪主の服装は、モーニングです。ネクタイは弔事には黒無地を用います。弔事は、格の高いモーニングが正しいです。準礼装のタキシードは控えましょう。自分が職場の人の葬儀に出席する場合は、略礼装が普通です。
略礼装は慶事にも弔事にも使え、ブラックスーツ、ダークスーツにともに白のシャツに黒無地のネクタイをします。
いかがでしたか。タキシードとモーニングの違いをシーン別でお伝えしました。確かに、普段のスーツに、中のシャツやネクタイを変えるだけでも大丈夫な場面はありますが、正式な場ではそぐわないことがあります。周囲からTPOをわきまえられない人、非常識な人、と思われてしまっては残念ですよね。
自分がどの立場としてその会に出席するのかをまず確認し、タキシードとモーニングのどちらの格式が望ましいのかきちんと理解する必要があります。正しい着こなしをして、周囲の人から一目置かれるようにしたいものです。
もちろん、タキシードを着る機会はなかなか少ないことでしょう。自分用に一着、とオーダーメイドもあこがれますが、高価なのも確かで、また体型変化も考えると、長年にわたって着用することは難しいかもしれません。今では、タキシードやモーニングもレンタルという形が多いです。タキシードもファッションのため、デザインも時代によって変化します。ネクタイなどの小物も一式合わせてレンタルをすれば、失敗もせず安心して着用できますね。
ぜひ、シーンに合った服装で、格好良い大人の男性を演出しましょう。
まとめ
タキシードとモーニングの違いとは、
・タキシードよりもモーニングの方が格式が高いことを覚えておこう
・タキシードとモーニングでは着用時間帯が違うことに注意しょう
・着用するシーンに合わせて、タキシードかモーニング、あるいはスーツでよいのか具体的に準備しよう
・シャツや小物でよりおしゃれにタキシードを着こなそう