香典のマナーで押さえておきたい渡し方のコツ

香典のマナーで押さえておきたい渡し方のコツ
香典は普段の生活では中々馴染みが無いだけに、「香典のマナーはこれで良いのかしら?」と、つい不安になってしまう人も多いですよね。そこで今回は、そんなあなたに香典を渡す際のマナーをお伝えします。

「香典は多めに包んだ方が良いんだよね?」「お世話になった人だから、多めの方が…。」実は、これらは全て間違いです!「目上に薄く、目下に厚く」が香典の基本ですので、善意で行った行為がマナー知らずだと思われてしまったら、とても悲しい事です。

しかし、香典は自宅で事前に準備する物ですので、用意さえしっかりしておけば恥をかく事は無くなります。香典のマナーを押さえ、葬儀では故人との最後のお別れの時間を大切にして下さい。それではご覧下さい。

香典の表書きは宗派と宗教別に変える

香典を用意する時に、まず大事なのが「表書き」です。全体の90%以上は仏教での葬儀ですが、まれに神式やキリスト教の場合があります。また、同じ家族間でも違う宗派の葬儀を執り行う場合もあります。

香典は、宗派・宗教によって表書きや不祝儀袋は、違う物を使います。もし葬儀がどの様な宗教、宗派か分からない場合は、表書きは「御霊前」がほぼ全ての宗派・宗教に使えるので、とても便利です!そのため、表書きは

仏教の場合
・御霊前
・御香典
尚、49日以降は「御仏前」とします。
キリスト教の場合
・御霊前
・お花料
神道の場合
・御霊前
・玉串料
・御榊料

とします。しかし、浄土真宗だけは「御霊前」ではなく「御仏前」とします。

 

香典は袱紗に包みましょう

香典にお金を包む時、香典を袱紗等に包んで持って行くのが参列者のマナーです。また、袱紗挟みや台付き袱紗、小さめの風呂敷で代用しても構いません。そのまま香典を持って行くと、香典袋が汚れや折れてしまう場合がありますので不作法です。

お祝い事の慶事とお悔やみ事の弔事では、使用する袱紗の色が基本的には違います。慶事では明るい色の袱紗を使います。ですが、弔事では紺色・グレー等の地味な色を使います。しかし、唯一紫色だけは高貴な色とされており、慶事と弔事のどちらにでも使えるオールマイティな使い方が出来ます。もし、弔事や慶事用の袱紗を持っていない方は、紫の袱紗がおすすめです。

 

短い弔意の言葉と会釈をし、香典を渡しましょう

香典は、通夜か告別式のいずれかの時に持って行きます。両方参列する場合は、通夜に香典を持って行く人が多いですね。しかし、厳格にどちらで渡すというマナーはありません。

香典を渡す時は、受付で一礼して「この度は御愁傷様です。」と弔意の言葉を短く伝え、袱紗から香典を取り出します。袱紗を素早く簡単に包み直し、香典を受付の方向に両手で向き変えて「ささやかですが、御霊前にお供え下さい。」等と伝え、会釈をしましょう。

急ぎで駆け付けるのであれば、香典を持って行くと「いかにも事前に準備していた」と捉えられてしまい、不作法となってしまいます。このような場合は、弔問に急いで向かう事が何より大事なので、香典は持って行かなくて構いません。

 

葬儀等に参列出来ない場合は、香典は現金書留で送りましょう

葬儀や告別式に出席出来ない時は、早めに香典を現金書留で送るのがマナーです。

香典は不祝儀袋に入れて送ります。そして、お悔やみの手紙を添えたり、弔電を打ちましょう。お悔やみの手紙では、弔意と葬儀に出席出来なかったお詫びを書き添えます。可能であれば、後日弔問に向かうと、相手に誠意が伝わり丁寧ですね。

出来れば本人が参列したい所ですが、難しい時は代理人を立てても良いでしょう。代理人が参列する場合は、香典袋の出席予定だった人の氏名の横に、「代」小さく書き添えます。そうする事で、代理人を立てたと言う旨が分かります。そして、受付でも代理で来た旨を伝えましょう。芳名帳にも同様に書きます。代理人が参列した場合は、普段以上に丁寧なマナーを心掛ける事も大事です。

 

奇数の金額と、故人との関係性に見合った金額を包みましょう

香典のお金は、金額が多い程良いと言う訳ではありません。香典は、一般的には奇数の金額を包み、5千円~1万円が多い様です。偶数と4・9の数字は、縁起が悪いとされているので避けましょう。

地方の風習や故人との関係性で、香典の金額も変わってきます。「目上に薄く、目下に厚く」というのが香典の基本です。金額を多く包んだにも関わらず、マナー違反になってしまう場合もありますのでご注意下さい。

香典に包む金額のおおよその金額
・祖父母  1~3万円
・親    5~10万円
・親戚 1~2万円
・取引先  5千円~1万円
・近所の方 5千円

もし香典に包む金額に迷った場合は、関係性の似ている他の参列者に聞くのもおすすめです。

 

宗派・宗教と、金額に合う不祝儀袋を選びましょう

香典の不祝儀袋の選び方のマナーですが、宗派・宗教・渡す金額によって適した不祝儀袋が違います。

キリスト教 水引きが無い。十字架や花の模様
(蓮の花を除く)
仏教    蓮の花と水引き付き
神道    白の水引き

宗教が分からなければ、白無地の不祝儀袋は、どれにも使えるので便利です。

香典に包む金額別では、

・3千円~5千円  水引きが不祝儀袋に印刷されている略式
・1万円~2万円  水引きが付いている物
・3万円~    銀一色の水引きを使用。高級和紙を使用
・10万円      銀一色の水引き。高級和紙と菊の花付きの大判。

いずれも水引きが付いている場合は、「結び切り」の不祝儀袋を選ぶのが香典のマナーです。「結び切り」は一度きりであるべき時に使用する意味があるのに対し、「蝶結び」は何度あっても良い時に使用する意味があるためです。

 

毛筆を使って楷書で文字を書きましょう

不祝儀袋は、毛筆か筆ペンを用い、楷書で書くのがマナーです。表書きは上段に一番大きい文字で書き、水引きの下にやや小さく氏名を書きます。名前が上手く名前が書けない人は、慶弔用の名前スタンプを利用しても良いでしょう。そして、外袋の裏側の折返し部分にも、小さく金額を記入する事を忘れずに。

香典の内袋は、表側に金額を大字(壱・弐・参などの文字)で記入するのが正しい香典のマナーです。これは、文字の書きかえを防ぐ目的があります。もし上手く書けない場合は、普通の数字でも良いです。内袋の裏側には、参列者の住所・氏名を書きます。

当たり前だと思うかも知れませんが、不祝儀袋に香典の包み忘れが無いか事前確認しましょう。意外にも現金を包み忘れる人は多く、金額が合わなければ、受付人は遺族にお金を渡す事が出来ないのです。

 

以上、香典を渡す時のマナーについてお伝えしました。香典は一見馴染みが無く難しく見えますが、違う宗教でも共通して使える物を選べば、悩む部分が格段に減るので安心です。共通して使える「白無地の袋」や「御霊前」という表書きを知っておくだけでも、確認の手間と労力が減りますよね。

年齢を重ねると、葬儀に参列する機会も多くなりますよね。事前に不祝儀袋や現金、袱紗等の葬儀に必要な物を家に用意しておくと、咄嗟の事にもすぐに対応しやすくなります。

葬儀の前後は特に遺族も喪主も忙しく感傷的になりやすい時期です。遺族の方々に余計な手間を掛けない様に配慮したり、マナーを守る気遣いが、参列した人に出来る最大限の優しさです。是非取り入れてみましょう。

【まとめ】

香典を渡す時に大事なマナーのポイントは

・表書きは様々な宗教で使い回せる「御霊前」が便利
・不祝儀袋は袱紗に包みましょう
・不祝儀袋は各宗教に合うものを選びましょう
・参列出来ない時は、香典と手紙を一緒に現金書留で送りましょう
・故人との関係性に合い、奇数の金額を香典に包みましょう
・包む金額に合う不祝儀袋を使いましょう
・文字は毛筆で書きましょう


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