「忌明け」とは喪に服す期間が終わるという意味ですが、忌明けを迎えてからの流れはどのように進めればよいのか迷いますよね。忌明けの準備を進めていく機会というのも、そう何度もあることではありません。どちらかというと、忌明け法要に招かれるケースの方が多いことでしょう。
忌明けというのはとても大切な葬儀の一環です。この忌明けをもって、ひと段落付くとホッとする遺族も多いことでしょう。忌明け法要は、親戚を招いてお寺さんにお参りに行き、故人の成仏をお祈りするとても大切な法要になりますので、当日はスムーズに進めるためにも前もって流れを把握しておくとよいでしょう。
そこで今回は、忌明け法要の迎え方として、準備から当日の流れまでについてお伝えします。
忌明け法要の迎え方。
準備から当日の流れまで
四十九日の意味を知ろう
忌明けとなる四十九日の意味をしっかり理解している人は少ないことでしょう。四十九日は、故人の命日を基準にして7日ごとに行う最後の法要になります。
この四十九日の間に、残された遺族の悲しみも癒され、落ち着いて故人との死を受け入れられる、向き合えるという期間でもあります。亡くなった人は、亡くなってから次の生に向かうまでの期間とされています。
忌明けとなる四十九日は、よく「三月またぎ」はよくないとされているのを耳にした方も多いことでしょう。「三月」→「見付」→「身に付く」という言葉の語呂合わせからくる迷信で、忌明け法要は3ヶ月に渡らないうちにした方がよいとされています。
しかし厳密には仏教の教えにそのようなことはありませんので、3ヶ月にまたがっても問題はないのですが、忌明け法要に出席する親戚からは不思議に思われることにもなりますので、なるべく3ヶ月に渡らないように心掛けると良さそうです。
法要前の準備を段どろう
忌明け法要を迎える前に、前もって準備しておくべきことをリスト化しました。
①菩提寺の住職と日程を合わせる
菩提寺(先祖代々の墓のあるお寺や位牌をおまつりしているお寺)の住職さんと相談をして日取りを決めます。まず、この日取りが決まらないと忌明け法要のスタートが切れません。
日取りは皆が集まりやすい日を選びます。菩提寺が分からない場合は、親族に尋ねてみたり地元周辺のお寺へ問い合わせをしましょう。
②親族などに連絡をして人数を把握しておく
忌明け法要は、自宅や菩提寺で行います。自宅に大勢呼べないなどの場合は菩提寺で行うと良いでしょう。また親族など忌明け法要に参列する人の交通の面も考慮して決めましょう。
③会食の式場手配
自宅で忌明け法要をする場合、そのまま家で会食という流れもありますが、今は別の式場を手配するケースが多いです。別の式場を手配する場合は、送迎バスの有無も確認しておきましょう。
④参列者への手土産の準備
忌明け法要に参列してくれた人へ最後は手土産を渡します。表書きは「粗供養」「志」「忌明志」「満中陰志」になります。
⑤僧侶へのお礼の準備
忌明け法要をしてくれた僧侶へ謝礼の準備をします。「御布施」と書いた白い封筒にお金を入れて準備をしておきましょう。御布施の相場は大体3万~6万程とされています。
⑥本位牌や仏壇の用意
忌明けの四十九日を境に白木位牌から本位牌に魂を移します。仏壇がある場合は仏壇の開眼法要も行います。本位牌には戒名を刻みますので、依頼から完成まで1~2週間かかりますので余裕をもって準備をしておきたいものです。
当日の流れを把握しておこう
忌明け法要の当日の流れはきちんとした決まりがあるわけではありませんが、代表的な流れを把握しておきましょう。
①開式の準備
故人と血縁関係の深い人から前に座ります。
②開式
僧侶が着席すると、喪主から一言挨拶をします。
③僧侶の読経、焼香、法話
僧侶の読経を聞いた後に、遺族から順番に焼香をします。その後僧侶の法話を聞きます。
④僧侶の退場
その後の会食に参加されない僧侶はここで帰られます。御布施もここで渡します。
⑤会食
会食の初めに喪主から一言挨拶をします。僧侶も出席する場合は、会食の終わりにお布施を渡します。
⑥引き物のお渡し
お供え物を参列者に分けて一緒に持って帰ってもらう場合もありますので、人数分袋の用意をしておきましょう。
※納骨を同じ日に行う場合は、法要の後に墓地へ行き、僧侶の立ち合いのもと納骨をします。
忌明け法要の後始末もきちんとしよう
無事に法要が終わったら、その後始末もきちんとしましょう。
①火葬儀の時より閉じてあった仏壇の扉を開けて掃除をします。
②神棚封じとして、神棚に貼っていた紙を剥がします。
③白木位牌を菩提寺に納めます。
④遺影を仏壇にしまうか、仏壇の外に飾ります。
いかがでしたか。忌明け法要の流れを把握しておくと、余裕をもって準備ができますね。僧侶の手配や会食の会場の手配なども大切ですが、喪主として2度挨拶をするという点も忘れずに準備をしておきたいところです。
また四十九日の法要は、地域によって昔ながらの風習が残っているところもあります。昔から受け継がれてきた流れがあるようでしたら、ある程度その流れにのっとって進めていくことも考慮するとなお良いでしょう。
先にも話しましたが、四十九日は忌明け後の大切な法要です。どれだけたくさんの人を呼んで見送れたか、どれだけ盛大にできるか、などではなく、亡くなった方を偲び、冥福を祈る心を大切にすることを一番として準備に取り掛かりましょう。
まとめ
忌明け法要の準備と当日の流れとは
・菩提寺の僧侶と日程を合わせよう
・会食の手配をしよう
・お布施の準備や手土産の準備をしよう
・忌明け法要が終わったら後始末もきちんとしよう