人間関係をより良いものにするためにも、言葉を正しい敬語に変換するといった気配りは欠かせませんよね。敬語は言葉のエチケットであり、人間関係の潤滑油とも言われています。
ビジネスに慣れてきて、状況に合わせてうまく敬語に変換しているつもりでも、立場をわきまえない表現だったり誤用があったりと、相手に不快な思いをさせていることがあるかもしれません。ビジネスシーンや公的な場面での敬語は、相手の信頼を得るためにも適切に使いこなしたいものです。
敬語への変換は、場面や相手との関係性でも違ってきます。敬語は日々の実践の中で磨かれ身につくものですが、少し立ち止まっておさらいをするのも必要しょう。その場に相応しい敬語に変換し、誠実さと思いやりを表現したいものです。
そこで今回は、敬語の使い方をおさらい!立場別に見る変換のポイントをお伝えします。
敬語の使い方をおさらい!
立場別に見る変換のポイントとは
【敬語への変換1】尊敬語を適切に使いこなそう
敬語への変換で一番気をつけたいのが尊敬語ですよね。わかっているようで自信がないと悩む方も多いことでしょう。
尊敬語は目上の人を敬う言葉遣いで、相手の動作や状況を高める表現を使うことで相手への敬意を直接表すものです。
例えば、お客様に対して「これが新しい商品です。どうぞ拝見してください」としてしまうと、敬語への変換としては間違っています。尊敬語では「ご覧になる」となりますから「これが新しい商品です。どうぞご覧ください」となります。
また「お食事をいただいてください」これもNGです。「お食事を召し上がってください」が尊敬語となります。
敬語への変換は相手との立場の違いで変わってくるので十分に気をつけたいところ。謙譲語を目上の方に用いると大変失礼になります。何気ない動作を表現する時こそ、相手を敬う気持ちを表せるように日頃から敬語への変換には敏感になっていたいものですね。
よく間違われるものに尊敬語と謙譲語の使い分けがあります。次項では謙譲語を見ていきましょう。
【敬語への変換2】謙譲語を適切に使いこなそう
敬語への変換では謙譲語の用い方も気になるところですね。謙譲語は自分をへりくだり下げることで相手を立てたいときに使う言葉遣いです。敬語への変換を誤り、自分のことなのに尊敬語になって恥をかくことのないよう気をつけたいものです。
例えば先ほどの例では「見る」の尊敬語は「ご覧になる」ですが、謙譲語は「拝見する」となります。
また、自分の上司のことを社外の人に話すとき、「部長がおっしゃっておりました」ではなく、「部長が申しておりました」となります。敬語の変換で社内の人のことは社外の人に対して尊敬語は使わず謙譲語に変えましょう。
自分より目上の方でも、相手との立場の違いを理解し、敬語の変換へとつなげるとよいでしょう。
【敬語への変換3】丁寧語を適切に使いこなそう
敬語への変換で、「です、ます」をつける丁寧語にも注意が必要です。日常会話でもよく使い、相手を問わず使う表現である丁寧語は、間違うと過剰な表現になる場合があります。
「いつもお花が咲いていらっしゃる素敵なお庭ですね。」これはもう少しシンプルに「いつもお花が咲いて素敵なお庭ですね」と変換するとスマートに聞こえます。敬語への変換では必要以上に丁寧すぎると、耳についたり嫌味に聞こえたり、またくどくなったりします。日常会話の中でも相手に伝わりやすく誤解のないような敬語の変換を用いるとよいでしょう。
【敬語への変換4】二重敬語をシンプルに変えよう
敬語への変換では尊敬語を意識しすぎて、丁寧に話そうとするあまり、二重敬語になってしまった、ということは多くの人が経験していることでしょう。
例えば、「部長、こちらの資料はお読みになられましたか」これは「部長、こちらの資料はお読みなりましたか」になります。また、「支配人はもうお出かけになられましたか」ではなく「支配人はもうお出かけになりましたか」となります。
自分より目上の方にはとくに丁寧に!と敬語の変換をしますが、誤った敬語ではかえってイメージが悪くなる場合があります。日頃から正しい敬語を意識することで改善されますので、使わないように注意しましょう
【敬語への変換5】美化語をスマートに
敬語への変換では美化語にも気をつけたいものです。相手に対する敬意に関係なく、自分の言葉を上品にする目的で使われるものを美化語といい、「お」や「ご」をつけます。
例として「お茶」「お野菜」「お財布」「お住まい」「ご飯」「ごちそう」などがあります。原則として「お」や「ご」は外来語にはつけません。「(お)ソファー」「(お)ジュース」などとは言いませんよね。美化語の「お」や「ご」もつけすぎると嫌味になったり、もったいぶって、うるさく感じます。
例えば、同僚に話すときは「お外回りお疲れ様です。今、おコーヒーご用意します!」とは言わず、「外回りお疲れ様です。今コーヒー用意します!」とすると聞きやすいですね。敬語への変換では美化語もくどくならないよう気をつけましょう。
いかがでしたか。敬語の変換を適切に行うことで、相手への印象をさらに良い方向へ変えることができますね。敬語というのは日本人ならではの気遣いある言葉の使い方です。相手を立てる、自分をへりくだる、状況を品よく表す。これは言葉の表現によるあなたの人間味あふれる応対です。
敬語の変換は長くビジネスの場にいると、誤った言い方に気づかなかったり、うやむやの表現で失礼を与えているかもしれません。同じことを表す言葉が色々あり、どの言い方がふさわしいのか、正しい敬語の変換を復習し学び続けることでビジネスシーンはもちろん日々の暮らしにも活用出来ます。
敬語は言葉が織りなすコミュニケーションそのものです。適切な表現でさらに人間関係は豊かになることでしょう。
まとめ
敬語を上手に変換し人間関係を良くするには
・目上の人へ謙譲語は使わないことが大切です。
・自分のことを表現する時、尊敬語は使っては失礼にあたります。
・敬語を意識しすぎて二重敬語にならないようにしましょう。
・丁寧語は必要以上に用いるとくどくなります。
・美化語も多用すると耳障りになります。