お彼岸にお墓参りをする理由☆押さえたい日本の風習

お彼岸にお墓参りをする理由☆押さえたい日本の風習
お彼岸といえば、「お墓参り」を真っ先に挙げられる方も多いですよね。この時期に入るとお墓参りのために、ふるさとに帰省する方も多いのではないでしょうか。それほどまでに私たちの生活に根付いている行事がお彼岸。

実は、この時期にお墓参りをするのは「日本だけの風習」なのは、意外と知られていません。「でもお彼岸って、仏教の行事だよね?」と思われる方が多いのです。けれども、お彼岸は仏教の教えにプラスして、日本固有の文化が色濃く反映されているため、このような形になったもの。

年2回、春分の日と秋分の日がお彼岸のちょうど真ん中にあたるのにも、お彼岸の期間が一週間続くのにもそれ相応の理由があります。それらの理由がわかっていると、お彼岸というものが、とても奥深く、興味深い行事になりますよね。

そこで今回は、意外と知らない、お彼岸とお墓参りの意味合いをお伝えします。



 

お彼岸にお墓参りをする理由☆
押さえたい日本の風習

 

「お彼岸」ってそもそもどういう意味?


「お彼岸」という言葉を私たちは普通に使っています。でもよく考えるととても不思議な言葉ですよね。「彼岸」とはいったい何のことを指しているのでしょうか。

【 お彼岸の意味 】

■ 「彼岸」のもとになった言葉は、サンスクリット語(インドなどで使用されていた古代語)の「パーラミター(波羅蜜多)」の漢語訳「到彼岸(とうひがん)」です。

・ 「パーラミター」とはもともと、「完全であること」という意味でしたが、それが転じて、仏教における様々な修行で、達成されるべきものと言う意味合いを差すようになったのです。

つまりお彼岸とは、人間の苦しみの原因である煩悩のない、生死さえも超越した悟りであり、仏教で言う極楽浄土のことなのです。一方、私たちのいる世界は現実の世界であり、「彼岸」に対し「此岸(しがん)」と呼ばれています。

 

お彼岸にお墓参りをする理由


お彼岸の期間には宗派を問わず各寺院で「彼岸会(ひがんえ)法要」が催されます。こちらも日本にしかない法要です。この行事は平安時代の中頃に始まったとされており、仏教の宗派のひとつである、浄土教(浄土思想)の影響が色濃く反映されています。

【 お彼岸にお墓参りをする理由 】

■ 浄土教では、はるか西の彼方に極楽浄土があるとされています(西方浄土)。

・ 太陽が真東から昇って真西に沈む、春分の日と秋分の日は特別な日で、この日は此岸と彼岸が最も通じやすくなると考えられたのです。

やがて、春分の日と秋分の日に、先祖のために法要を営めば、先祖の霊だけでなく自分自身も極楽浄土、つまり彼岸に到ることができるという考え方へと変化していったことが、今ではお彼岸にお墓参りをすることに繋がり、定着しました。

【 お彼岸にお墓参りをする、もう一説 】

■ その一方、仏教が伝来する前から、日本には先祖や自然を崇拝する信仰がありました。

・ このことからもともとは太陽への信仰を指していた、「日願」が仏教の「彼岸」と結びついたという説もあるのです。

確かに太陽が特別なルートを通る春分の日と秋分の日には、浄土教にも自然崇拝にも通じるところがあります。

春分の日と秋分の日は、それぞれ種蒔きと収穫の時期にも通じるので、自然に対する感謝や祈りを捧げる日とも言えます。このような日本固有の文化が、先祖や自然を敬うお彼岸を形作っていったのかもしれません。

 

お彼岸の期間が一週間続く理由


お彼岸の期間は、春分の日、秋分の日をはさんだ前後3日、つまり7日間を指します。最初の日は、
彼岸の入り。一方で最後の日は彼岸の明けと呼ばれます。また春分の日と秋分の日は中日(ちゅうにち)と呼ばれています。

【 お彼岸の期間が一週間である理由 】

■ 実はこの期間は、時代によって長さがまちまちでした。

・ 現在のように7日間、つまり一週間続くようになったのは、忙しい人でもこの期間に仏心をみつめつつ、先祖や故人の供養をすれば、きっと彼岸に到ることができるだろう、という考え方によります。

それでもあまりに忙しいと、お墓参りに行くことすら難しいかもしれません。

もちろん家族そろってお墓参りをし、先祖や故人を偲んで感謝することはとても尊い行事ではありますが、仮に墓前に立つことはできなくても、家に仏壇があればきれいにお掃除をしてお供え物をし、手を合わせれば十分供養になります。

仏壇がないとしても、今いる場所で故人に思いをはせて、祈ることはできますよね。そしていつかお墓参りができる時にきちんとお墓参りをすれば、きっとあなたの心も彼方の故人や先祖まで伝わっていくのではないでしょうか。

 

お彼岸にまつわるお話はいかがでしたでしょうか。日頃なかなかお墓参りに行くことができなくても、お彼岸にはこの機会を利用して故人や先祖と向き合い、供養をしたいものです。

なお、故人が亡くなってから、初めて迎えるお彼岸は「初彼岸」と呼ばれます。お墓参りはもちろんのこと、仏壇や仏具を丁寧に掃除し、季節の花や供物をお供えして、特に手厚く供養すると良いとされているのです。

お彼岸はお盆とは違い、故人や先祖の霊が帰って来る訳ではありませんし、特別な行事というものも特にありません。

しかし日本人にとって、特別な期間であることは確かです。季節の移ろいを感じつつ「彼岸」の意味を考えながら、この時期を過ごすのも良いのではないでしょうか。そしてこの美しい風習を、未来にも確実に繋げていきましょう。

まとめ

お彼岸の意味合いとお墓参りの理由

・「彼岸」は仏教用語「到彼岸」から生まれた言葉
・「お彼岸のお墓参り」は仏教と自然崇拝の影響がある
・お彼岸の一週間は故人や先祖と向き合う期間