弔辞文例は真心を込めて。美辞麗句で終らない7つの言葉

弔辞文例は、初めて故人に送る弔辞を頼まれた時でなくとも、調べてから書く人が多いです。あなたにとって気のおけない親しい故人に送る言葉といえども、親族の方々や故人との交友関係があった多くの人々が集まる場ですから、失礼のないように慎重に文章を作成する必要があるためです。

しかし、弔辞文例を本やインターネットなどで調べてみると、仰々しい内容の言葉ばかりがならんでいて、下手をすると意味もわからないような言葉を使うはめになってしまいます。これでは、弔辞文例を使って丁寧に仕上げても、故人に送る言葉として本来の意味とはかけ離れたものになってしまいますね。

そこで、冠婚葬祭のマナー本などには載っていない、自分なりの真心がこもった弔辞文例をお伝えします。美辞麗句にならないような言葉で故人を偲びましょう。

 

弔辞文例は真心を込めて。
美辞麗句で終らない7つの言葉

 

出会った頃の思い出話

友人の霊前における弔辞文例として、故人に対しても、参列者や親族に対しても真心が伝わる内容と言えば、どのような内容でしょうか。

【弔事文例を参考に、故人との思い出話を】

■ 故人と出会った頃の思い出話は、真心が伝わります。

・ 出会ったきっかけ
・ 友人として付き合っている中での心温まるエビソード

【出会った頃の思い出話を語る、弔辞文例】

「○○と初めて会った高校の入学式では、挨拶をしてもそっけなく、その後親友になるとは思いもしない出会いでした。

ところが、同じサッカー部に入りともにリーグ戦を勝ち進みながら打ち解けあった時、見たことのない人懐っこい笑顔で笑うのだと、知りました。心を許した相手をとことん大切にする○○でした。」

実はこのような内容は、友人だからこその思い出もあります。故人の配偶者や子供であっても知らないことかもしれません。元気だった頃の故人を霊前にいる人達全員が思い起こすことができますし、故人にも響く言葉になるでしょう。

 

仕事における活躍ぶりに対する尊敬の言葉

弔辞を述べる相手が会社の同僚である場合、やはり弔辞文例としては、仕事でのエピソードを語ることが多くなります。最後の別れとして、故人である同僚の心にも響く内容を心がけましょう。

■ ただの思い出話よりも、故人に対して尊敬の念を抱いたエピソードは、故人の人柄が偲ばれます。

【同僚であった故人への、弔辞文例】

「 ○○とともに企業へ営業に出掛けた時、もう諦めかけて帰ろうとする私を止め、見事に契約を取り付けた日の、○○の後姿を思い出します

その後二人で飲んだ席でも、○○は自分の事は何も言わず、私のお陰だとしきりに言いました。そんな謙虚な○○の穏やかな笑顔が、今蘇っています。」

実際にあったエピソードを、故人の家族にも伝えるように、弔辞を述べてみてはいかがでしょうか。真摯で真心のこもった言葉が故人の耳に届いてれば、きっと喜んでくれますし、プライベートでの顔しか知らない親族に対しても心に残る弔辞文例です。

 

話しかけるような弔辞

テレビで有名人の告別式などで贈られる、歌手や俳優の弔辞に感動したことがある人は多いはずです。なぜ赤の他人である人をも感動させることが出来るのか、それは、故人に話しかけるような弔辞だからです。

【話しかけるような弔辞文例】

「○○さん、いつも優しく穏やかに私の話を聴いてくれて、いつも『大丈夫!』と私を後押ししてくれましたね

あの日、皆が強く成長する事をいつも願い、応援してくれていた○○さん。今、あなたの目に私達はどう映っていますか?

話しかけるような弔辞文例は、無礼だと感じる人もいるかもしれませんが、故人と特別親しかった自分だからこそ、霊前でいきなりかしこまるのは美辞麗句になってしまいます。

親しい相手であれば、飾りのない、普段と同じような口調で弔辞を述べましょう。

 

若くして逝ってしまった故人への弔辞

部下や後輩など、自分より年齢が若い人が亡くなってしまったときの弔辞文例では、怒りの内容をいれると逆に真心がこもったものになる場合があります。

【自分より年齢が若い故人へ述べる、ストレートな弔辞文例】

「○○くん、どうしてそんなに早く逝ってしまったんだ」など。

感情がこもった内容であれば、悔やんでいる気持ちがストレートに伝わります。怒りと言う感情は葬儀の席では、あまり良い表現ではないかもしれません。けれども、故人を心から偲び、悲しみを表現しています。

【怒りを表現した弔辞文例の注意点】

■ 少々不躾な言葉遣いになりますので、目上の人に向けた弔辞などでは控えましょう

 

感謝の気持ちの言葉

恩師やお世話になった方が亡くなってしまった時の弔辞文例は、作成するのに緊張するでしょう。しかし、恩師やお世話になっている人に対しての言葉というのは、一層あらたまってしまって美辞麗句になりがちです。

【感謝の気持ちを表した弔辞文例】

「○○先生、高校時代は勉強だけではなく、将来や友人関係のことまで心を砕いていただき、本当にありがとうございました。○○先生が担任になった日、せっかく挨拶してくれたのに、そっけない態度を取ってごめんなさい

そんな私にも、諦めずに変わりなく愛情を注いでくれました。卒業式では○○先生とお別れすることが寂しいほどでした。○○先生から頂いた愛情、いつまでも忘れません。」

自分がお世話になってしまった相手だからこそ、気持ちを弔辞に込めます。親族や参列している数々の人にもよく伝わるように、故人との具体的なエピソードを交えた内容にしてください。

 

最後にしっかりとお別れの言葉で締めよう

弔辞文例で大事なポイントとなるのが締めの言葉です。どんなに真心のこもったエピソードを弔辞で述べても、だらだらと冗長的な文面になってしまってはいけません。聞いている側はせっかくの故人との別れの時に、少し冷めた気持ちになってしまうかもしれません。

【弔辞の長さ】

・ 弔辞で述べたいエピソードや言葉をひと通り話し終えたら、3分程度のところでお別れの言葉を述べて締めましょう。

【最後の締めの弔辞文例】

「思い切ってさよならを言います」など。

この弔辞文例のように、意を決した言葉で締めると、悲しみを乗り越えようとしている真心が伝わります。

 

故人への最後のメッセージ

弔辞の本題と締めの言葉を述べたら、通常の弔辞文例は終りとなりますが、最後に故人へ真心が伝わるメッセージを付け加えてはいかがでしょうか

【立ち去る前に付け加えたい弔辞文例】

・ 「天国でまた会おうな」
・ 「天国でまたビールでも一緒に飲もうな」など。

ちょっとくだけた様な言葉でも問題ありません。故人に向けた心のこもったメッセージであればいいのです。

 

いかがでしたでしょうか。弔辞文例は、かしこまったものばかりが良いとは限りません。むしろ、誰が話しても同じように聞こえる弔辞は、故人にとっても、故人の親族の方や参列者の方にとっても心に響きません。

弔辞文例は、長さは3分程度で簡潔にまとめることを前提に、自分と故人との間にある独自のエピソードなどを盛り込んで、参列者が聞いたときに故人が元気だった時の姿が思わず脳裏に浮かんでくるようなものを目指しましょう。

弔辞を依頼してくれた喪主や親族の方に「この人に頼んでよかった」と思ってもらえるような弔辞文例になるよう、今回ご紹介した言葉や弔辞の内容を参考にして、あくまで自分なりの文章を作り、精一杯の真心で故人を送りましょう。きっと故人も喜んでくれますよ。

 

まとめ

美辞麗句にならない気持ちが伝わる弔辞文例とは

・友人への弔辞では出会った頃の思い出を存分に語ろう
・会社の同僚へは仕事での活躍ぶりに尊敬の言葉を贈ろう
・生前親しかった人には話しかけるような弔辞を送ろう
・若い故人には若くして逝ってしまったことに怒りの言葉を
・恩師には感謝の気持ちを思い出を交えて話そう
・最後にしっかりとお別れの言葉で締めよう
・天国に行ったあとの事について故人にメッセージを贈ろう


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