三回忌とは、お通夜やお葬式の後二年後に、故人を偲んで行われる「法要」のこと。「あれ?なぜ二年後なのに、”三回忌”なの?」と、戸惑いますよね。
実は三回忌も七回忌もご逝去された年を「一周忌」としています。そのため、現代の数え方では一年短いのです。また「法要」は故人の死後、七日目、十四日目、二十一日目のように七日ごとに、年内にも合計七回はあります。
その後に前述したように、三回忌がよく知られている、「年忌法要」。百か日、一周忌、三回忌、七回忌…。三十三回忌と、実際に執り行われることの多い三回忌だけではなく、死後何年かごとに行うのが、本来の法要。
このように、葬儀を執り行えばそれで終わりではなく、葬儀の後、死者の冥福を祈り、その霊を慰めるために行う儀式が「法要」なのです。簡単にお伝えしましたが、喪主として法要を行うには、少しややこしいですよね。
そこで今回は、実は現代では、あまり詳しく知られていない「法要」について解説します。喪主になった時、また社会人として恥をかかないためにも、一度その概要を理解しておくと安心です。
三回忌とは?法要とは?
社会人で知っていたい7つの常識
仏式の法要とは
僧侶を呼んで読経を依頼する「法要」は、その後の会食などの一連の流れも含めて「法事」とも言われ、死者の冥福を祈り、その霊を慰めるために行う儀式です。
これは、この期間に遺族が一生懸命供養すれば、故人は生まれ変わってくるという考え方が基になっていて、この期間に行われる法要を「満中陰法要」と言います。
【 仏教で「法要」を行う理由 】
■ 仏教では、「死有」という考え方があります。
・ 生まれる瞬間が「生有」
・ 生まれてから死亡するまでを「本有」
・ 死の瞬間が「死有」
・ 死亡してから次の生に向かうのが、「中有(中陰)」
人が死亡してから死亡した日にちを1日目と数えて、7週間(四十九日)を中陰(中有)と言い、この期間、七日ごとに合計七回の審判にかけられて、生まれ変わり先が決まるということから法要が行われています。
初七日(しょなのか)とは
【 初七日とは 】
■ 死亡した日から7日目。
・ 最初の法要で重要な儀式になります。供養法は近親者、友人、知人を招き僧侶に読経を依頼します。
最近では葬儀当日、火葬場に僧侶が同行し火葬直後の遺骨迎えの儀式と合わせて行うケースが多いです。
28日目までに執り行う法要とは
【 初七日以降の法要 】
・ 「二七日」は14日目
・ 「三七日」は21日目
・ 「四七日」は28日目に行う法要です。
いずれも供養法は、遺族のみとし、簡略化され僧侶を招かない事が多いです。
42日目までに執り行う法要とは
【 五七日とは 】
■ 「三十五日」ともいい、35日目に行う法要です。
供養法は近親者、知人を招き僧侶も招きます。宗派によってはこの日を「忌明け」とするものもあります。
【 六七日とは 】
■ 42日目に行う法要で、二七日などと同じく遺族のみで簡略化されていることが多いです。
49日目までに執り行う法要とは
【 七七日とは 】
■ 「四十九日」とも言い、49日目に行う法要です。
・ この日の審判で、死者の運命が決まるとされる、忌日の中でも重要な法要となります。
供養法は遺族、近親者や知人、友人を招き僧侶を招いて読経を行い供養し、忌明けの宴(精進落とし)を開きます。また、納骨を行うことも多く盛大な法要になります。
■ この日が「忌明け」となり、忌明けのあいさつ状や香典返しを送ります。
以上が七日目~四十九日目までの法要です。
100日目に執り行う法要とは
【 百か日とは 】
■ 死後100日目の供養のこと。
・ 近親者や知人を招くが、遺族のみの場合も多く、気持ちの整理を終える日ともされています。
ここで一年目までの法要に招かれたときの、持参品も気になりますよね。基本的には、線香や果物、菓子などの供物を持参するか、その代わりに供物料を現金で持参するようにしてください。
■ 表書きは「御仏前」か「御供物料」とし、香典の半額程度が目安です。
一年目より後に執り行う法要とは
【 一周忌とは 】
■ 死後から満一年目に執り行う法要のこと。
お寺や自宅に近親者や知人を招き、法要後に会食をします。法要の服装については、一周忌までは遺族は正式な喪服、参列者は準喪服を着用し、それ以降は地味であれば平服で大丈夫です。
【 三回忌とは 】
■ 死後から満2年目、つまり一周忌の翌年に行う法要のことを差しています。
三回忌以降は死亡した年も入れて数えます。お寺や自宅に近親者や知人を招き、法要後に会食します。
いかがでしたでしょうか。三回忌以降は七回忌(死亡した年を入れて満6年め)、十三回忌(死亡した年をいれて満12年め)、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌があり、僧侶の他、特に関係の深かった人を招きますが、招く人は絞っていくのが、特徴です。
三十三回忌、五十回忌、百回忌と続きますが、一般的には三十三回忌を「弔い上げ(とむらいあげ)」といい、最後の法要となります。以後は先祖の霊に融合するので、供養しなくてもよいとするためなのです。
他にも、毎年亡くなった同月同日のことを「祥月命日」といい、墓参りに行く習わしも。また、月ごとにめぐってくる命日を「月忌法要」と言います。
この時には、故人の好物などをお墓や仏壇に供えて家族で供養します。神式の場合やキリスト教式の場合は、また違った儀式がそれぞれにありますが、告別式が終わって以降儀式があるのは同じです。
これで、自身が法要に招かれたり、法要を執り行う側になった場合も、本記事を参考にしながら、法要毎に故人を偲んでください。
まとめ
社会人で知っておきたい法要の種類と7つの常識
・法要とは、死者の冥福を祈り霊を慰めるために行う儀式
・死後7日目は「初七日」。遺骨迎えの儀式と合わせるケースも
・死後49日目の「四十九日」で「忌明け」
・死後満一年目に「一周忌」を執り行う
・一周忌まで遺族は正式な喪服、参列者は準喪服を着用する
・死後満二年目の「三回忌」から死亡した年も入れて数える
・招かれたときは供物を持参するか、現金を持参する