のし袋の表書き徹底解説!冠婚葬祭での基本7シーン

のし袋の表書き、どのように書いていますか?冠婚葬祭の席でのマナーは気遣っても、のし袋の表書きは何となく書いてしまう人々が案外多いです。けれどものし袋の表書きには、シーンによっての選び方や書き方、入れる金額による格の違いなど細かいマナーがたくさんあるのです

ちなみに冠婚葬祭に欠かせないのが「のし袋」。のし袋とは、冠婚葬祭において、相手の方にお渡しする現金を包む袋のことをいいます

最近では可愛いのし袋も数多く売られています。あまりにも素敵なデザインが多いため、ついつい自分好みで選び、ぼんやりとした知識でのし袋の表書きを済ませてしまうという方も多いのです。

ですが、大人として恥をかかないためにも、のし袋の表書きについて、基本的なマナーはきちんと押さえておきたいもの。そこで今回は、冠婚葬祭のシーン別に知っておきたい、のし袋の表書きの基本的なマナーを解説します。

 

のし袋の表書き徹底解説!
冠婚葬祭での基本7シーン

 

そもそも、のし袋の「のし」って何?

【のし袋の「のし」とは】

色紙を折ってつくった添え物が、のし袋の右上についています。「のし」とはあの添え物のことをいいます。

古来、新鮮な海産物はとても貴重な品でした。中でも特に貴重なアワビを干して伸ばした「のしあわび」を贈り物に添えることが慣習が鎌倉時代から定められるようになり、「のし」とはこの「のしあわび」の略語なのです。

このような歴史的背景から、基本的に「のし」はおめでたいものとされています。そのため、「のし」を用いるのは結婚式やお祝い事のおめでたい場面のみなのです。

★ のしのある袋は、お葬式などの弔事には絶対に用いないように覚えておきましょう。

のし袋の表書き、その雰囲気で分かるものばかりですが、時々慌てて間違える人も実はいるようです。今一度、印刷の絵柄を確認して購入すると、間違えも少なくなります。

 

のし袋とセットで用意すべきもの

【のし袋が必要な場面で不可欠なアイテムとは】

慶事、弔事にかかわらずお金をお包みする時には、必ず『ふくさ』も用意します。

お祝い事の時にはのし袋などご祝儀袋に、葬儀などのお悔やみの時には不祝儀袋に事前にお札を入れ、その袋をふくさに包んで持っていきます

直接お金を相手の方に手渡すのは失礼にあたるという考えから、ふくさを台代わりに用いて相手の方にお渡しするのが正しいマナー。のし袋や不祝儀袋は相手の方にお渡しする直前にふくさから取り出しましょう。

 

結婚式にも葬儀にも使える水引の結び方

「二度繰り返す」というメッセージは結婚式でも葬儀でもタブーだとされています。そのため、水引の結び方にもマナーが見受けられます

【水引の結び方】

■ 一度結ぶとほどけない「結びきり」と言われる水切りの結び方は、慶事にも弔事にも使えるとても便利な結び方です。

・弔事の場合は水引の両端が上を向くように結びます。
・慶事の場合は水引の両端が下を向くように結びましょう。

★結婚式では、結びきりの中でも「あわじ結び」

「二度と繰り返さない」という意味があります。
・2つに重なった水引の輪が「お互い強く結びつく」という意味を持ちます。
「今後もずっとお付き合いをさせてください」という意味も込めることが出来ます。

このように使うシーンによって水引を使い分けます。お祝い事にはあわじ結びが安心です。

 

一般的なお祝いに使う水引の結び方

結婚式とは異なり、何度も重ねていきたいお祝いごともあります。例えば「誕生祝い」「入学祝い」「出産祝い」などが挙げられます。

【何度も重ねたいお祝いごとの水引】

・これらのお祝いごとには「花結び」と呼ばれる水引の結び方を用います。
りぼんのような可愛らしい形をしたこの結び方です。

この花結びは、簡単にほどくことが出来る上、何度も繰り返し結び直すことが出来ることが特徴です。そのため、子どもの成長に合わせたお祝い事など、結婚以外のお祝い事にとても適しているのです。

 

のし袋の表書きの書き方

のし袋の表書きは、毛筆で書くのが一番正式な方法です。とはいっても、最近は墨や筆を使う機会も減ってきています。あまり自信がないという場合は、筆ペンで代用しても良いでしょう。ボールペンで書くことは避けてください。

のし袋の表書きに、なかには青色のペンなど色を用いる人もいるようです。よほどの事がなければ、黒でなければなりません。前述したように、基本的には毛筆か筆ペンです。

【のし袋の表書き、シーン別の使い分け】

・ 慶事の場合の表書きは濃い墨で書きます。
・ 弔事の場合の表書きは薄い墨で書くように気を付けましょう。

【複数人でお包みする場合】

・ 目上の姓名から順番に書いていきます。
・ あまりに人数が多いようでしたら、「~一同」などでくくった方がスッキリとして綺麗です。

 

祝儀袋の表書き

【お祝いの、のし袋の表書き】

・「寿」
・「御祝」と書きます。

結婚祝いのように、お祝い事も目的をはっきりと記したい場合は、表書きの右上に小さな字で「御結婚」と書きましょう。この場合は、「寿」よりも「御祝」と書いた方が全体のバランスが美しく整うのでオススメです。

【のし袋の表書きの名前】

・ 個人名は水引とのバランスが大切。水引に掛からないように注意します。
・ 夫婦連名の場合は、男性が姓名を。女性は名前のみを書きます。
※この時、男性の名前の左側に、女性の名前を書くとバランスが良いです。

【会社などから出す、のし袋の表書き】

・ 会社名が入る場合には、代表者の右上に小さく会社名を書きます。
・ 複数で出す場合ののし袋の表書きならば、代表者の名前の左下に「外一同」と小さく添えましょう。

【のし袋の表書きだけではない!中袋の書き方】

・中袋には、入れた金額を書きます。
・金額は、旧字体の漢数字で書き入れます。
・金額の前に『金』を入れます。

例)30,000円ならば、『金参萬円』となります。

祝儀袋は入れる金額に比例して豪華になって行きます。特に祝儀袋には可愛らしいものがたくさん増えてきましたが、金額とのバランスを取って選びましょう。

 

不祝儀袋の表書き

■ 不祝儀の場合、「のし」は必要ありません。表書きについては、故人の宗派により異なるので十分気を付けましょう。

【一般的な宗派による表書きの違い】

・ 仏式の葬儀の場合は「御香典」
・ 神式の葬儀の場合は「御玉串料」や「御榊料」
・ キリスト教式の葬儀の場合は「御ミサ料」

とそれぞれ使い分けます。

また、前述したように不祝儀の場合は必ず薄墨で書いてください。不祝儀袋も、何か絵が描かれている場合には、宗派によって配慮が必要です。相手の宗派が分からない場合には、無地の不祝儀袋を選ぶと無難です。

 

いかがでしたでしょうか。今回は、のし袋の表書きについて知っておきたい基礎知識を、7つお伝えいたしました。冠婚葬祭の席に参加する機会は年々増えていきます。

最近はのし袋は簡単に手に入りますし、お洒落なデザインのものも数多く売られているので、自分の好みでのし袋を選んでしまいがち。ですが、のしや水引にはきちんと意味が込められています。きちんとルールを頭に入れたうえで、TPOに合わせたのし袋を選ぶように気を付けましょう。

また、結婚式や葬儀だけでなく、ちょっとした御祝い事や、お見舞いの時にも上手に祝儀袋や不祝儀袋を使い分けることが出来ると、とても粋ですよね。

今回お伝えした7つのポイントはどれも基本的なことばかりですが、知っておくと便利なことばかりです。のし袋の表書きは昔からのマナーに則っていますので、何となくではなく、宗派や目的を確認した後に、書いてみて下さい。

 

まとめ

冠婚葬祭のシーン別に使い分ける、のし袋のマナーとは

・「のし」を付けるのはお祝い事のときだけ
・のし袋は必ずふくさに包みましょう
・結婚式と葬儀の水切りは「結び切り」
・何度か繰り返す御祝い事には「花結び」
・表書きは毛筆または筆ペンで
・祝儀袋の表書きは「御祝」と
・不祝儀袋の表書きは故人の宗派に合わせましょう


連記事