忌明けとは?法要の手順と、その後に施主が行うべきこと


忌明けという言葉を聞いたことがない人は多くいます。配偶者や親が亡くなった場合に自分が喪主になったら、葬儀の手配をしますよね。喪主が通夜や告別式の準備や当日の取り仕切りなどもすべて担当するのです。しかし、葬儀が終わったからといって役割は終わりではありません

今度は法要の施主として忌明けまでの期間に、中陰法要という法要をしなくてはいけません。死者は亡くなってすぐに成仏はせずに、忌明けするまでの間の中陰はこの世をさまよっていると言われています。

そのため、中陰法要を行い、忌明けの時には忌明け法要を行うのです。

忌明け法要を行う施主であれば、忌明けとは何のことなのか、どのタイミングにどこで忌明け法要を行うのかを把握しておかなくては、準備ができませんよね。そこで今回は、施主が行うべき忌明け法要の手順についてお伝えします。

 

忌明けとは?
法要の手順と、その後に施主が行うべきこと

 

忌明けの意味と時期

施主であれば、まず忌明けとは何を意味するのかを知っておくべきです。

【 忌明けとは… 】

■ 故人の喪に服す期間が終わり、喪が明けることを言います。

・ 喪が明けるまでの期間は仏教では49日です。この期間を忌中とか中陰と呼んでいます。

この期間は、死者はまだ成仏していませんから、7日ごとに法要を行います。初七日、二七日…と続き七七日となる49日が最後の中陰法要で、忌明けになるのです。

 

忌明けまでの注意事項

忌明けまでの期間に、施主が注意しなくてはいけないことがあります。それは、お祝い事についてです。

【 忌明けまでの注意 】

■ 施主本人や近しい親戚の結婚式は延期するのが一般的です。また、新年を祝うお正月の儀式もしてはいけません。

・ 具体的には年賀状のやり取りや門松、鏡餅、お飾りなどのお正月を祝う行為を控えるのです。

普段年賀状のやり取りをしている相手には、寒中見舞いをだしておき、忌明けしていないため年賀状を出すことができない、という事を知らせておくのがマナーです。

 

忌明け法要の日程決め

忌明けとなる49日には忌明け法要をします。忌明け法要では、親族に声をかけて法要を執り行いますが、まず施主がしなくてはいけないのが日取りの決定です。忌明け法要はすることが決まっているものですから、早い段階で決めておくことをおすすめします。

【 忌明け法要:日程決め 】

■ 一般的にはお墓がある菩提寺の住職に法要の際に供養をして頂きますから、住職と日程を決定します。

・ 亡くなってから満49日で行うのが正しいですが、仕事の都合などで土日にずらして行うことも多くあります。

 

法要への参加人数の把握

忌明け法要は通夜や告別式と異なり、故人の親戚が参列します。よほど親しく家族のようなつながりがあった人には声をかけますが、会社の人や友人など親戚ではない人には声をかけないのが一般的です。

【 忌明け法要の連絡 】

■ 直接会える人には直接会って伝え、そうでない場合には電話かもしくは封書に返信用往復はがきを同封して連絡します。

・ 人数を確定させないと、法要の会場を決定することができませんので、人数確定は早めに行っておくことが必要です。

 

法要会場の手配

忌明け法要に参列する人数が確定したら、まずは住職に連絡をして法要を行う会場を決定します。菩提寺となるお寺、斎場、自宅などどこでやらなくてはいけないという決まりはありません。また、法要の後には参列者との会食をします。

【 忌明け法要での手配事項 】

■ そのため、会食の会場の手配も必要です。

・ 一人当たりの予算は5,000円程度で、個室がある食事処を選ぶと良いです。

法要の会場から徒歩圏内、もしくはタクシーで行ける範囲の会場にすることをおすすめします。

 

引き物の準備

忌明け法要では、法要に参列した人への引き物も準備しなくてはいけません。法要の時には参列者はお香典を持参するのが一般的です。そのお返しとなる引き物を準備するのです。

【 忌明け法要:引き物の予算 】

■ お香典の半分から三分の一程度にするのがマナーです。

・ お香典は5,000円~10,000円の場合がほとんどですが、誰がいくらお香典に包んでくれるかはわかりませんので、3,000円程度の物を用意しておくとよいです。

 

忌明けの後にすること

忌明け法要の当日、法要が終わったら施主もひと段落、一周忌までは落ち着けるときがやってきます。しかし、忌明けの際に忘れてはいけないのが、仏壇の扉を開けることです。

【 仏壇の扉 】

■ 仏壇の扉は葬儀のあと、忌明けまでの間は、扉を閉じておきますが、その扉を開くのです。

また、葬儀の時に神棚に貼っていたお札ははがします。神棚封じと言って、故人が亡くなった後、忌明けまでは故人の供養のために神棚は閉じておくのですが、それを解除するのです。

 

いかがでしたでしょうか。忌明けとは、簡単に言うと故人が成仏するまでの期間が明けたことを意味します。忌明けが訪れるまでは、故人を供養しなくてはいけませんから、施主はそれに専念しなくてはいけません。しかし、忌明けが過ぎれば故人は成仏をすることができるのです。

そのため、この忌明け法要は大変重要な意味を持ちます。故人が無事に極楽浄土に成仏できるよう、供養するための最後の法要なのです。最近では初七日以降の法要は省略されることが多くありますが、忌明け法要となる49日の法要は施主は責任をもって執り行わなくてはいけません。

もともとやらなくてはいけないとわかっているものですから、早めに準備を進めておくのが賢明です。葬儀が終わったら早速住職に相談をして、忌明け法要の準備を進めておきましょう。

 

まとめ

施主が知るべき忌明けの意味と手順とは

・忌明けとは故人の喪に服す期間が終わったことを言う
・忌明けまではお祝い事やお祝いの行事はしない
・忌明け法要の日取りを住職に相談して決める
・法要に参加する親族に連絡をして人数の把握をする
・法要を行う会場と法要後の会食会場の手配をする
・忌明け法要に参列する人への引き物の準備をする
・葬儀の後閉じていた仏壇の扉を開け神棚封じを解除


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