納骨をどのような方法で行うかを考える機会は、あまりないですよね。自分が死ぬときの事を考えるのは、大病を患った時や年齢を重ねた時くらいですし、親の死についてもなかなか考える機会はありません。死んでほしくないと思うからこそ、考えたくないのです。
しかし、納骨の方法を何にするかは、生前に当人と家族で方向性をまとめておくべきです。葬儀の形式は宗教が何かで決まるものですが、火葬をした後の遺骨をどうするかは、事前に決めておかないと、家族や親戚でもめるもとになってしまいます。
火葬した後はお墓に納骨されるのが一般的ですが、それ以外にも納骨の方法はあります。そこで今回は、自分や家族の納骨をどうするか検討するために、納骨の方法を7つお伝えします。
納骨のさまざまな形。
知ることで選択できる7つの方法
菩提寺の墓への納骨
納骨の方法として、最も一般的なのはお墓への納骨です。先祖代々続くお墓がある菩提寺があればそこに納骨も依頼します。
【 菩提寺の墓へ納骨する 】
■ ただし、すでに墓石があれば、お布施、彫刻料金、作業費用とあまり費用はかかりませんが、墓石から用意することになれば百万円以上かかる場合もあります。
費用的には負担が大きい墓への納骨ですが、墓石は耐用年数が長く、子孫が代々管理さえすれば半永久的に残るのがメリットです。子供や孫以降の子孫にもお墓参りしてもらえるというのは魅力です。
一部だけ残しての散骨
納骨の方法として、最近本人の希望が増えつつあるのが散骨です。自然に返りたいとか、思い入れのある海や山に散骨して欲しいという人が増えているのです。
【 海や山に散骨する 】
■ 散骨は、納骨以降の管理や維持費がかからないのもメリットです。
・ ただし、火葬した後のお骨をすべて散骨してしまうと、気持ちの面で供養する場所や対象物がなくなってしまうため、少し手元に残しておくことをおすすめします。
散骨専門業者への完全委託
納骨の方法として散骨を選ぶ場合、様々な散骨の方法があります。その一つとして費用面でもっとも安価にすむのが専門業者に委託してしまうという方法です。遺族は同行することもなく、遺骨を業者に預けて散骨を頼むのです。
【 散骨専門業者へ委託する 】
■ 専門業者に委託をすれば、法的に散骨してはいけない場所にすることもないですし安心です。
・ ただし、遺族が同行できないという点で、最後のお別れの場所にいることができないのはデメリットでもあります。
専門業者に同行しての散骨
納骨をする時に完全に専門業者に委託して散骨をするのは不安だという人もいますよね。大事な家族の遺骨がぞんざいに扱われるかもしれませんし、流れ作業のように他の遺骨といっしょくたにされて散骨されるかもしれません。
【 同行して散骨する 】
■ そこで、遺族が同行できる業者を選ぶのも選択肢の一つです。自分たちが同行すれば遺骨がどのように扱われるか見ることができます。
納骨堂での永久納骨
お墓を管理維持するのは大変ですし、子孫がずっと続くかもわかりません。子供が一人でその子供が生涯独身という場合には、お墓を引き継ぐ人はいませんよね。このような場合におすすめの納骨方法が納骨堂です。
【 納骨堂での永久納骨 】
■ 納骨堂に永久納骨として納骨をすれば、その納骨堂が存続する限りは永久的に残ります。
・ また、子孫がいる場合には、納骨堂に供養に参ることもできるのです。納骨堂なら納骨する際に料金を払えばいいので管理が楽なのです。
納骨堂での一時納骨
納骨堂での納骨には永久納骨と一時納骨があります。子供、孫、ひ孫くらいまでは面識がある場合もありますが、それ以降の子孫とは面識もなくなりますから、遺骨を供養してもらうのは3代目くらいまででいいと考える人もいます。
【 納骨堂での一時納骨をする 】
■ このような場合には一時納骨が適切です。
・ お願いする納骨堂のプランにもよりますが、一時納骨で何年先まで供養してくれるのかを、自分で決めることができる施設もあります。また、永久納骨よりも費用も安く済むのが魅力です。
私有地に納骨する樹木葬
亡くなった後もそばに居たいと強く思う遺族の場合、菩提寺が自宅から遠いとお墓への納骨は寂しいですよね。いつでも近くにいたいと考えるならば、樹木葬という納骨方法もあります。
【 私有地に納骨する 】
■ 火葬した後、法的に許容される小ささまでに粉骨し、私有地の中に埋葬するという納骨方法です。庭の木の下など、私有地の中であれば問題ありません。
いかがでしたでしょうか、納骨にはさまざまな形があります。人にはいずれ死が訪れますから、自分が死んだ時の納骨方法を家族で話し合っておくことは重要なのです。
自分がよかれと思って決めた納骨方法でも、子供や兄弟にとっては、嫌だと思われることもあります。お墓に納骨する葬送方法以外では、多くの方々が生前の「終活」のなかで、生前契約をして決断することもしばしばあります。
ただし、当人にとって死後は何もないものですが、残されたものにとっては故人を死後に、どう供養していきたいか、様々な思いがあることも理解してください。そのため、本人は散骨してほしいと思っていても、それは寂しいと遺族に反対される可能性もあるためです。
死についての話は誰も進んでしたくはないものです。しかし、家族の中でスムーズに、そして皆が納得しながら納骨するために、日頃から話し合っておくことはとても大切です。
まとめ
意外と知らない納骨の方法とは
・墓への納骨は長い期間子孫にお墓参りしてもらえる
・散骨は少し手元に残しておくと遺族が寂しくない
・散骨専門業者での海への散骨は安価に済ませられる
・専門業者に遺族が同行する散骨は安心で丁寧
・納骨堂での永久納骨は比較的安価にできる
・納骨堂での一時納骨は死後何年と決めて納骨できる
・粉骨して樹木葬にすればいつでも近くにいられる