マナーとモラルの違いを正確に理解できているかと聞かれると、自信が持てる人は少ないですよね。物事の良しあしは、自分が知っている知識や経験の範囲内で判断することが多いです。
ですから、自分にはそんなつもりなかったのに、「マナーとモラルがない!」と周りから指摘されると、ショックを受けてしまう方もいるのではないでしょうか。
日常生活においては、多少マナーとモラルについての振る舞いが不十分でも、周囲の人に指摘されたら素直に直していけば、問題はないかもしれません。
しかし、ビジネスシーンにおいてはそうも言っていられません。マナーとモラルについて正しい理解をしていないと、仕事がうまくいかなくなることも十分にあり得ます。
とはいえ、マナーとモラルを指摘されると「どうやって理解をすればいいかわからない!」と頭を抱えてしまうことにも、なり兼ねませんよね。そこで今回は、ビジネスシーンで必要な、マナーとモラルの違いについて、考え方のポイントを6つお伝えします。
マナーとモラルの違いを把握☆
ビジネスで必要な考え方とは
マナーはルール
ビジネスにおけるマナーとモラルの違いを理解するには、まずマナーとモラルの正しい意味を知ることが大切です。
日常生活におけるマナーは「礼儀」ですから、しっかりできていると、「ちゃんと礼儀ができている。」と褒められ、できていなくても、「若いから」などとある程度は許されることもあります。
しかし、ビジネスにおけるマナーとは「ルール」と同じ意味合いです。できていないと「失礼」「信頼できない」と、相手に受け取られてしまうこともあります。
【 マナーとモラル☆マナーは「ルール」 】
★ マナーはルール、決まり事だと思って、先輩や上司から言われたことを忘れないよう心がけてください。
・ メモをするなどして、必ず頭に記憶しておく必要があります。
マナーは共通ルール
もう一つのマナーとモラルの大きな違いは、マナーは世の中的には共通しているということです。
…と言うのも、業界や企業によって、「その世界におけるルール」というものがあることは多いですが、ビジネスにおけるマナーというものは、少なくとも日本においては、どんな業界においても共通の認識をもっています。
【 マナーとモラル☆マナーは「共通」 】
★ 会社の風土が違うから、とか、業界が違うからしょうがないでは済まされないことなのです。
・ ですから、ビジネスマナーというものは、本やネットなどで自分で調べて、知識を得ることもできます。
モラルは道徳観
マナーはルールですが、モラルの意味は違います。マナーとモラルの違いで、モラルの方の意味を別の言葉で表すならば「道徳観」や「倫理観」です。
つまり、いわゆる「常識」というものです。ルールでは定められていないものの、一般的に考えたらどう考えるのが正しいか…、というのが、良し悪しの判断ポイントです。
【 マナーとモラル☆モラルは「常識」 】
★ ですから、モラルは時と場合によって判断をする必要がある「答えのないもの」であるため、時にはルールを曲げてでも、モラルを優先することもあり得ます。
・ ルール的にはアリでも、誰が見てもナシ!ということってありますが、それが「モラル」と考えてみると、分かりやすいのではないでしょうか。
モラルは学ぶもの
モラルは道徳観や倫理観ですから、これと言った決まりはありません。法律やルールのように白黒はっきりと何がダメでどこまでならOKという決まりはないのです。ここのところが、マナーとモラルの違いで悩みやすい部分でもあります。
【 マナーとモラル☆モラルは白黒がない 】
★ 自分はいいと思った判断も、「モラル的にはナシ!」と誰かに指摘されたとします。そうなると最初は反論したくなるかもしれません。
・ しかし、モラルは決まりごとではありませんから、周囲から指摘されたら、その都度体得していくべきものなのです。
モラルには寛容さが必要
自分的にはちゃんと考えて、いいと判断することを周囲から否定されたり責められると、簡単には受け入れられないかもしれません。断固として自分の意見を通して、相手に反論したくなることもあるはずです。しかし、マナーとモラルの違いで、モラルはルールではありませんから「一般的な意見が良し」となります。
【 マナーとモラル☆モラルは一般的な意見優先 】
★ ですから、複数の人に自分の言動を非難されたら、それが「世間一般の考え方」なんだと自分を言い聞かせて、耳を貸すと良いのかもしれません。
・ モラルは「多数決で決まるもの。」くらいに思って寛容な姿勢を示すことが大切です。
マナーとモラルはバランス
マナーとモラルの違いは、簡単に言えばマナーがルール、モラルが道徳観ですから、ルールばかりに縛られてはいけませんし、モラルだけ持っていて、マナーはまったく知らないのもいけません。
【 マナーとモラルのバランス 】
★ 例えば、自分が浮気をしたとします。
→ 会社の規定では浮気を禁止されているわけではありませんが、「浮気は社内規定で禁止されていないのに、左遷されるのはおかしい!」と主張するとしたら…。
・ 周囲からすれば「自業自得だ」「当然の報いだ」と思われることが多いはず。これがモラルがマナーを超越する例です。
ですから、マナーとモラルはバランスよく持ち合わせるべき。マナーをしっかり勉強した上で、モラルを体得していくよう意識をすれば、ビジネスパーソンとして立派に成長していくことができます。
いかがでしたでしょうか、マナーとモラルの違いを把握することがいかに重要か、改めて考えた方もいるかもしれません。
ビジネスシーンにおいては、どちらか一方だけでは、非常識な人だ思われてしまうことがあります。人は好感度が持てるかどうかで、相手を信頼できるかを判断しがちなのです。
仕事の条件面でいくら有利な状況であっても、相手がマナーとモラルの違いもよく理解できていない、非常識な人間だった場合、やはり相談相手は仕事を預けたいとは思えません。
日頃からビジネスマナーについてよく学び、仕事の中で周囲の意見に耳を傾けてモラルを体得することで、信頼できる人間になれるのです。
とはいえ、マナーとモラルの違いはあいまいなので、腑に落ちないことがあった時には素直になる、ということを忘れずに過ごしてみてください。ぜひマナーとモラルの違いを理解して使い分け、日々の仕事に勤しみましょう!
まとめ
ビジネスシーンでのマナーとモラルの違い
・ビジネスにおけるマナーとはルールと同義
・マナーは業界や企業の風土に関わらず共通
・モラルは時と場合によって使い分けるもの
・モラルの判断は学びながら体得するもの
・自分のモラルを否定されたら耳を貸すこと
・マナーとモラルはバランスよく持ち合わせる