49日の意味や目的は、社会人になったら理解しておきたい事柄のひとつですよね。家族や友人、同僚に知人など、大切な人がいなくなってしまった時、悲しみに暮れてばかりはいられません。
日本では故人が極楽浄土に行けるよう、さまざまな儀式を行って送り出してあげることが多いもの…。社会人になると結婚式だけではなく、お葬式にも参列する機会も増えますし、自分の身内に不幸なこと起こらないとも限りません。
自分が年齢を重ねていくとともに、周りの人も年をとっていくわけですから、自然の流れとも言えます。しかしながら、何の知識もないまま参列するのは、不安ですよね。
そこで今回は、心から故人を来世に送り出すためにも、社会人として恥ずかしくないためにも、49日の意味や目的を、分かりやすくお伝えします。ぜひ一度確認してみてください。
49日の意味と目的。
社会人が知っておきたい基礎知識
仏教でにおける49日の意味
家族が亡くなると遺族は何回ものさまざまな追善供養・法要を執り行います。どの法要も大切ではあるのですが、特に49日の意味合いは、仏教においてとても大きい大切な儀式。
【 49日の意味、その1 】
■ 通夜や告別式に次いで、49日の意味合いは重要だとも言われています。
・ その理由は、亡くなったあと7日ごとに受けていた「閻魔大王の裁き」が、49日目に確定するから…。
つまり49日の意味合いは、故人が極楽浄土に行けるか決定することにあり、故人の魂が次の世界に旅立つ日なのです。
遺族に対する、49日の意味
最初にお話ししたのが、本来の49日の意味。しかしながら、現実的な意味合いは、遺族に向けられたものなのかもしれません。
【 49日の意味、その2 】
■ 49日には故人の魂も次の世界に旅立っていくので、残された遺族もいつまでも落ち込みの中にいる訳にはいきません。
・ きちんと自分自身の生活を確立していって欲しい、という区切りも49日の意味だと言われています。
もちろん、辛い時には悲しみに浸ることも大切。ただ、遺族も次の人生に向け、気持ちをリセットして欲しい、と言う49日の意味もあるのかもしれません。
閻魔様の裁きが下る日
人間は亡くなると、7日ごとに裁きを受け、49日目にどこの世界に旅立つのかの判断が下されます。この際遺族は、極楽浄土を望んで追善供養をするのですが、閻魔大王の裁き後、その他に6つの道がある事はあまり知られていません。
【 49日の意味、その3 】
■ 皆、極楽浄土を望んでいるのですが、裁き以降、天道・人道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道があるのです。
・ 言葉からも分かるように、「地獄道」という恐ろしい世界も見受けられます。
大切な人が来世に行っても幸せに過ごすことができるよう、遺族は7日ごとの週忌法要など、49日までの間に多く手を合わせると良い、とされました。
49日までの裁きには順番がある
故人がどこの来世に生まれ変わるかが決められる、とても大切な49日の意味合い…。極楽浄土に関しては、一度行くともう生まれかわることなく、そこで過ごすことができる素晴らしい世界。
その裁きは7日間毎に行われますが、その際には毎回の裁きの内容があるのです。
【 49日の意味、その4 】
・ 7日目 無益な殺生をしていないか判断
・ 14日目 盗みについての判断
・ 21日目 不貞についての判断
・ 28日目 嘘について判断
・ 35日目 来世はどの六道になるか決定
・ 42日目 どんな場所に生まれるか決定
・ 49日目 姿・寿命を決定し、旅立ちを迎える
この様な49日の意味合いも理解して法要を行うと、より心が入るものとなるのではないでしょうか。
裁きに合わせて法要を行う
49日が大きな意味を持つ法要とされるのは、このタイミングで遺族が法要をおこなうことによって、最終的な決議にプラスの影響を与えるという意味が込められているから。
【 49日の意味、その5 】
■ ここまでは犯してきた罪による、言わば「減点審査法」が、閻魔大王様の裁きの基本。
・ ただ、来世に旅立つ49日は、遺族が法要をすることによって、少しでも次の世界が良くなるように、大王にお願いすることができる、とされています。
ですから、最終的な裁きがある49日の意味には、故人にとって大きな意味を持つことはもちろん、遺族が行うことができる、故人への応援でもあるのです。
49日以降、魂の救済措置
先ほど49日は大きな意味を持つ法要だとお話しましたが、100日目以降に行われる法要にも大切な意味が込められています。
【 49日の意味、その6 】
■ 一周忌や三回忌などの法要は、故人の魂を救済するチャンスとして残されているもの。きちんと執りおこなうことが大切です。
・ 100日目以降の法要によって、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道に決まってしまった魂が救済されて、天道や人道に行くことができる場合もあります。
極楽浄土を心から願う
49日の意味を理解したら、法要では故人が極楽浄土に行けるよう、精一杯の祈りを捧げるのが基本。
【 49日の意味、その7 】
■ 遺族がきちんと法要をすることで、故人が受ける決断にプラスの影響を与える、と言われているので、できる限り49日法要は執り行いたいもの。
49日の意味は、遺族の気持ちを整理して前に進むだけではなく、閻魔大王の決断をよりプラスなものにしてくれる、という意味も込められています。
いかがでしたでしょうか、今回は、社会人として知っておきたい49日の意味合いと目的をお伝えしました。
ただ何となく49日を執り行うだけではなく、故人と遺族に対する49日の意味合いを丁寧に理解することで、心のこもった拝みができるはず。ただ、遺族のみなさんであれば、大切な家族を失って、悲しみに暮れてしまう気持ちがあるのは当然。
49日の意味合いに込められた想いを知った時、これを機に前向きに過ごす勇気が出る方も少なくありません。きっかけを自分で作ることも、ひとつの方法かもしれません。
おそらく故人も、来世から残された家族が、元気で過ごしていくことを望んでいるはず。そして大切な個人が次の世界で、幸せに過ごすことができるよう、心のこもった法要(追善供養)を通して、気持ちを伝えてください。
まとめ
49日法要の意味合いとは
・49日は閻魔大王様の裁きが終わる日
・遺族が前向きに新しい一歩を踏み出す日
・閻魔様の裁きで故人が望むのは、極楽浄土
・49日まで7日毎に、それぞれの内容で裁かれる
・最終的な49日に合わせて法要を行う
・49日以降の法要では、魂の救済措置も行う
・49日まではたくさん手を合わせる