お見舞いのお返しは、忘れてはいけない人付き合いのマナーのひとつですが、贈り方や品選びなどに悩む方も少なくないですよね。いつも健康でありたいと思うのは全ての人の望みですが、人はどんなに気をつけていても突然の病や怪我に倒れることもあります。
自分の病状や今後のことを考えると不安や心細さに押しつぶされそうになるものです。そんな心理状態の時にお見舞いに来て下さるのは、とても嬉しいことでしょう。自分の事を常に気にかけてくれている労わりの気持ちや、元気になることを祈る気持ち、闘病中の落ち込みがちなテンションを上げてくれる気持ちなどは大変有り難いものです。
そこで、今回はお見舞いのお返しマナーについてお伝えします。
表書きは状況に応じて違う
お見舞いのお返しとは、闘病中にお世話になった方々やお見舞いに来て下さった方に全快の報告をかねて感謝に気持ちをお伝えすることです。
快気祝いという形で、ご挨拶をかねてお返しの品をお渡しするのが一般的です。しかし、それも状況は人それぞれ。
これが、お見舞いのお返しののし紙にも表書きに用いられ、最近では『イラストのし紙』など嬉しい気持ちの演出で人気です。
縁起の良い『消えモノ』が無難
お見舞いのお返しの品物選びですが、これが一番マナー上大事な部分になります。ポイントは、食べて消えるものや洗い流せるものなどを選ぶと縁起が良いといわれます。
食べてしまえば後に残らないというのももちろんですが、溶けてなくなるという意味から、砂糖・お菓子類などが一般的です。
また、病を洗い流す、水に流すという意味から、洗剤・入浴剤・石けんなども選ばれています。
最近では、「今、治りました」…というゴロ合わせ的な感じで今治タオルも人気です。
お互い健康でありたいという思いからか、自然食品など健康志向を高める食品なども人気の一つです。
品物の金額はいただいたものの半額程度
お見舞いのお返しとして贈る品物の金額は、いただいた半額程度が目安、お見舞金の1/2~1/3が一般的です。
このお見舞いのお返しは、お見舞いいただいた方々への御礼・感謝・報告の気持ちを表すものですから、例えば、職場の同僚や会社関係で部署や課などからまとめていただいたら『○○ご一同様』のように皆さんで食べられるもの等選ぶのも良いでしょう。
なにはともあれ、入院中に頂いた心遣いに対する感謝や御礼の気持ちが大切なのです。
時期は退院してから10日後ぐらいがベスト
お見舞いのお返しの意味から考えれば、何よりも元気になった姿を見せることが一番大事ですよね。とは言え、遠方や諸事情により直接お伺いしてお礼のご挨拶が出来ない場合もままあります。
正式なお礼は、体調が戻り元気になってからでも決してマナー違反とは言われません。いつまでにお返しをするというルールは特にはありませんが、気にかけて下さっている方へのお返し(感謝・御礼・報告)は早めに行いましょう。お日柄については、お祝い事ですのでお返しをお届けする日を『大安』にできればベストマナー賞です。
病気・ケガが完治した退院後に、或いは、職場の方へは職場復帰後早めにを心掛けます。
退院後自宅療養が必要な場合は、体調にもよりますが一度軽く退院の挨拶(入院中のフォローへの感謝)をし、復帰後、改めてお見舞いのお返しをしましょう。
長期入院・退院後自宅療養やリハビリ施設入所になる場合でも、お礼がしたい場合には、経過報告とお見舞いに対する感謝の気持ちを伝えましょう。
また、万が一、残念ながら療養中ご本人が亡くなってしまった場合には、お見舞いのお返しをお香典返しと一緒にする状況になります。
家族への感謝の気持ちも大切
お見舞いに来て下さった方への感謝は大事です。それと同様、家族に対しての感謝も忘れてはなりません。
以上がお見舞いのお返しマナーです。自分のことを気遣ってくれる人がいるって、とても幸せなことですよね。病気やケガでカラダや気持ちが思うようならない時、そっと近くで支えてくれる人達ほど大事なものはありません。その人達のおかげで勇気が出る、気持ちが前向きになれることって本当に多いものです。
見舞って下さるのは決して当たり前のことではなく、とても有難いこと。そんな気持ちを噛みしめながら感謝の心を伝えるお見舞いのお返しというシステム。様々なことが簡略化されるこの時代、これだけは、ずっと大事にしていきたいお付き合いのマナーです。
健康であれば忘れてしまいがちな支え合い、改めて確認させてくれるという意味でもこの機会に一度、しっかり考えてみましょう。
まとめ
お見舞いのお返しマナーとは
・表書きは状況に応じて変えよう
・縁起の良い『消えモノ』が無難
・品物の金額はいただいたものの半額程度
・時期は退院してから10日後ぐらいがベスト
・家族への感謝の気持ちも大切