お彼岸とは?今だからこそ大切にしたい、昔ながらの風習

お彼岸とは?今だからこそ大切にしたい、昔ながらの風習
お彼岸とは一年のうち春と秋にあるお墓参りの行事、ということは多くの方々が知っていますよね。そう、お彼岸とは、春は毎年3月21日前後の「春分の日」、秋には毎年9月21日前後の「秋分の日」の前後含めた七日間。ちょうどお彼岸の中日(ちゅうにち)にあたりますから、ある意味わかりやすい時期。

この時期にはお墓参りに行ったり、仏壇にお供え物をしたりと、様々な昔ながらの風習が伝わっていますが、実はこれらの風習はすべて「日本独自」のもの!

そう考えるとお彼岸とは何か…、そもそも、春分の日や秋分の日が、何故特別に故人を想う時期となるのか…、考えてみると不思議ですよね。

そこで今回は、お彼岸とはいったい何か、とともに、お彼岸の昔ながらの風習をお伝えします。



 

お彼岸とは?
今だからこそ大切にしたい、昔ながらの風習

 

そもそも、お彼岸とは、いったい何?


「お彼岸の風習」についてお話しする前に、まずはお彼岸とは、いったいどういう意味の言葉なのかを説明します。

お彼岸とは、仏教の言葉。この「彼岸」のもとになった言葉は、仏教が生まれたインドでかつて使われていた、サンスクリット語の「パーラミター」を漢語訳した「到彼岸(とうひがん)」という言葉です。

【 お彼岸とは☆言葉の意味 】

★ そもそもお彼岸とは、「人間のあらゆる苦の原因になっている煩悩を絶って、生死も超えた悟りの境地=極楽浄土」のことを指しています。一方、私たちの生きているこの世界は「迷いや煩悩に満ちあふれた現実の世界」とされ「此岸(しがん)」。

・ つまりお彼岸とは、「迷いや煩悩にあふれた此岸から、これらを絶って悟りの境地である、彼岸に到達すること」を意味しているのです。

お彼岸とは、こんなにも深い意味を持った言葉だったのです。

 

お彼岸にお墓参りをする風習


お彼岸とは仏教のひとつである「浄土教(浄土思想)」の影響が反映された風習。浄土教では、はるか西の彼方に「極楽浄土」があるとされています。

この教えが広まってから、西に沈む太陽を観ながら極楽浄土を想う「日想観」という一種の瞑想が盛んに行われるようになりました。

【 お彼岸とは☆春分の日と秋分の日 】

★ 特に、太陽が真東から昇って真西に沈む「春分の日」と「秋分の日」は特別で、この日は私たちのいる「此岸」とご先祖様がいる「彼岸」が最も通じやすくなると考えられたのです。

・ やがて、この年に2回の特別な日にご先祖様の法要を営めば、ご先祖様を供養するだけではなく、自分自身も「彼岸に到る」ことができる、という考え方へと変化していったことが「お彼岸にお墓参りをする」ことに繋がり、定着しました。

また、お彼岸の期間は「春分の日」または「秋分の日」をはさんだ前後3日、つまり7日間を指します。お彼岸最初の日は「彼岸の入り」、お彼岸最後の日は「彼岸の明け」とそれぞれ呼ばれています。

実はこの期間は、時代によって長さがまちまち。現在のように7日間にわたってお彼岸が続くようになったのは、この期間にご先祖様や故人の供養をすることができれば、きっと彼岸に到ることができるだろう、という考え方によるのです。

 

仏壇のぼたもちとおはぎ


お彼岸とは、ご先祖様や故人を想う日でもありますから、特別なお供え物をしますが、春のお彼岸にはぼたもちを、秋のお彼岸にはおはぎを、お供えする風習があります。

ぼたもちとおはぎ、全く同じもののように思う方も多いのですが、厳密に言うと少しだけ違うのです。以下に、それぞれについてお話します。

【 お彼岸とは☆ぼたもちとおはぎの意味合い 】

★ ぼたもち

・名前は春に咲く「牡丹」→「牡丹餅」が由来。

・牡丹の花のように丸々と大きな形

・餡は「こし餡」を使う→秋に収穫した小豆の皮が固くなるため。

★ おはぎ

・名前は秋に咲く「萩」→「御萩」が由来。

・萩の花のように、細長い俵型

・餡は「粒餡」を使う→収穫したての小豆は皮が柔らかいため。

…このように、「ぼたもち」と「おはぎ」に違いがあるとは面白いのではないでしょうか。なお、お供えしたこれらのものは「神仏の力をいただける」ということで、ありがたくいただいてOK!

 

彼岸団子のお供え


宗派や地方によっては、ぼたもちやおはぎの他、「彼岸団子」をお供えすることもあります。

【 お彼岸とは☆彼岸団子 】

★ 「彼岸団子」とは、うるち米を加工した「上新粉」で作る、小さな白いお団子

・ 彼岸の入り日には、「ご先祖様をお迎えする」という意味、また、彼岸の明け日には「ご先祖様へのお土産」と言う意味で、仏壇の両側に一対「山型」になるように複数個盛ってお供えする風習も…。

このお団子の個数は、宗派や地方により異なります。

なお、地方によっては彼岸の入りに「ぼたもち」「おはぎ」、中日に「小豆飯」、そして彼岸の明けに「彼岸団子」という地域があるなど、お供え物に関してはさまざま。

自分の地域での、お彼岸のお供えの風習の由来を調べてみるのも、面白いかもしれません。

 

いかがでしたでしょうか、最後にお話ししますが「春分の日」は、自然をたたえ、生物をいつくしむ日、そして秋分の日は、祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日

またお彼岸とは、「日願(ひがん)=太陽信仰」という意味合いも兼ねている、との説もあるなど、さまざまな説やお話があるのです。いずれにせよこの特別な日に、彼岸にいるご先祖様を想い、供養をすることはとても意義のあることではないでしょうか。

冒頭でも述べましたが、仏教はインドから中国・朝鮮半島を経て日本に伝わってきましたが、お彼岸の風習は日本独自のもの。日本の文化が「到彼岸」の解釈をここまで広げたというのは、とても興味深いこと!

ぜひ今だからこそ、「お彼岸とは何か」を意識しながらお墓参りに行き、風習や意味を大切に未来へ伝えて行ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

お彼岸の意味合いと、風習

・簡単に言えば「極楽浄土」のこと
・お彼岸は、彼岸と此岸が通じやすい時期
・ぼたもちとおはぎ、実は少し違う
・「彼岸団子」をお供えする宗派や地域もある


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