葬儀が終わったのち、決まった日ごとに行われる法事。法事と言っても色々なものがあるため、冠婚葬祭に詳しくない人にとっては頭を悩ませるものの一つですよね。
この法事は、初七日から始まり七日ごと、そして一周忌から三回忌、七回忌など複数回にわたって行われます。子供の頃や若い頃は漠然と周囲の人に連れられて参列していたという人は、いざ自分が法事を執り行う側に立った時に、間違いなくできるか自信が無いという人もいるでしょう。
でも、法事は遺族の大切な務めですし、葬儀のように急に訪れるものではありませんから、「わかりません」では済みません。これでは、故人も浮かばれませんよね。そこで今回は、法事のマナーや準備、流れなどについてお伝えします。
知っておきたい法事のマナー。
その準備と流れ
法事の種類を知っておこう
法事は、故人を供養するための儀式や会食の総称です。この日は僧侶を呼んでお経をあげ、故人のことを偲ぶとともに、参列者が故人を失った悲しみを癒すことが目的です。
法事には大きく分けて「追善法要」と「年忌法要」に分けられます。追善法要は初七日、二七日、三七日……と故人が亡くなってから七日ごとに四十九日、百箇日まで行い、年忌法要は一周忌、三回忌、七回忌と、亡くなってから数年ごとに行います。一般的には初七日と四十九日、一周忌と三回忌は親族のみならず友人知人も参列し、それ以外は親族のみで行うか、省略することもあります。
法事の日程、場所を決めよう
法事を行うことになったら、まずは日程、そして場所を選びます。追善法要は亡くなった日から数えて行いますが、年忌法要は参列者の都合を考え、命日ではなくその前後の土日に設定することが多いです。
場所は、自宅やお寺のほか、人数の都合などによって斎場を利用します。また、儀式の後に会食がありますが、これを仕出しではなく飲食店で行いたい場合は、法事の会場の他にお店の予約をしておく必要もあります。
今では住宅が狭いことや菩提寺が遠いなどの都合で斎場を利用する人が増えていますが、この場合は会食の手配まで斎場の指定通りにしなければいけなかったり、持ち込みは料金がかかるなどが考えられます。会食にこだわりがある場合は、この点も考慮に入れましょう。
僧侶の手配をしよう
日程や場所が決まったら、儀式をしてくれる僧侶の手配をしましょう。菩提寺があればそのお寺に、特になければ葬儀時に利用したお寺に連絡するとスムーズです。
最初の法事で僧侶の手配と共にするべきことは、僧侶にいくら包むべきか確認することです。一般に法事のお布施は、最初の法事で包んだ額を変えずに包むことが多いため、初回の法事のお布施が重要になります。
お布施を尋ねると具体的な金額を提示してくれるお寺もありますが、「お気持ちで結構です」と言われてしまうこともあります。その場合は、3~5万円が全国的な相場とされていますが、近隣の冠婚葬祭に詳しい人に尋ねてみるのも良いでしょう。
お寺以外で法事を行う場合は、僧侶の出張料としてお車代を包む必要があります。こちらも忘れないようにして下さい。
参列者を招待しよう
僧侶の手配まで完了したら、招待する人を決めることになります。初七日は葬儀当日に都合を確認したり、繰り上げ法要で葬儀当日に行うため必要ありませんが、四十九日、一周忌、三回忌など親族以外も参列するときは案内状を作成して送付します。
案内状は出欠連絡を頂くために往復はがきで出すか、封書の場合は返信用はがきを同封しましょう。その後の準備などもあるため、法事当日の一か月前までに相手に到着するように投函します。
なお、親族のみで行う法事の場合は、電話で出欠確認してもマナー違反ではありません。ただ、口頭で説明することになるので連絡ミスには気を付けましょう。
会食、または折詰と引き出物を用意しよう
法事は「お斎(おとき)」と呼ばれる会食をもって終了となります。これはただの食事ではなく、亡き人を偲ぶための必要な行事です。
参列者の人数、僧侶も会食に参加する場合はその数も加えて料理を予約しましょう。相場は、親族だけなら3000円~5000円、友人知人も参列するなら5000円~一万円程度ですが、地域によっても変わってきます。なお、会食を用意しなくても失礼ではありませんが、その場合は相場と同額程度の折詰を用意しましょう。
また引き出物ですが、こちらは香典の金額や、故人との間柄で変わります。一般的には親族には3000円~一万円程度のもの、友人知人には2000円~5000円程度の引き出物を用意し、会食の終わりにお渡しします。
いかがでしたでしょうか。法事の知識から具体的な流れ、用意するべきものまでご説明しました。
誰かが亡くなると、葬儀から数日おきに追善法要を行い、年忌法要を行うようになっても数年に一度はその機会が訪れます。しかも、年忌法要は数十年先まで続けるのが一般的なので、遺族はその長い道のりにため息が出てしまうことでしょう。
でも、本来法事は故人の供養をするとともに、遺族の心を整理するために行われるものでもあります。大切な人を失った悲しみを時間をかけて過去のものにしていくための行事ですから、無事に終わらせられた時の達成感は言葉にできないものがあります。
どんな法事も万全な準備を行って、トラブル無く執り行えるようになりたいものですね。
まとめ
法事のマナーや準備、流れは
・法事の種類を知っておこう
・法事の日程、場所を決めよう
・僧侶の手配とお布施の準備をしよう
・参列者を招待しよう
・会食、または折詰と引き出物を用意しよう