お彼岸に墓参りするのはなぜ?大人が押さえる常識とは

お彼岸に墓参りするのはなぜ?大人が押さえる常識とは
お彼岸にお墓参りをする習慣があることは何となく知っている、もしくは、実際に子供のころから家族とお墓参りに行っていたから、当然知っているという人は多くいますよね。

しかし、なぜお彼岸という習慣があるのか、また、お彼岸にお墓参りにする意味はなぜなのかを知っている人は少ないもの…。

確かに、子供の頃からの習慣でお彼岸のお墓参りをしていた人は、その意味を深く考える機会も少ないものですが、その意味を知ったうえでお墓参りをするのと、知らずに形式的にするのとではまったく違います。

お墓参りにはご先祖様を供養するという目的がありますが、お彼岸の意味を知ったうえで行うとより一層気持ちが入るのです。せっかくお彼岸にお墓参りに行くのなら、心を込めたお参りをしたいですよね。

そこで今回は、お彼岸にお墓参りをする意味について、お彼岸の起源や基礎知識とあわせて6つのポイントで解説します。

 

お彼岸に墓参りするのはなぜ?
大人が押さえる常識とは

 

お彼岸の語源と起源

お彼岸という言葉は仏教の「パーラミター」が語源とされています。「パーラミター」とは、サンスクリット語で仏教的には「彼方の岸」つまり、煩悩を越えて到達できる向こう岸という意味なのです。

【 お彼岸の起源 】

★ また、お彼岸の風習を日本で最も最初に始めたのは聖徳太子

・ 歴史をさかのぼると、平安時代には朝廷の年中行事として行われていた記録があります。日本では古い歴史があるのです。

しかも、お彼岸にお墓参りをする風習は日本独自のもので、他の仏教の国にはない文化と言うのも驚く事実かもしれません。

 

彼岸と此岸という考え方

お彼岸は前述の通り「煩悩」、つまり現世を乗り越えた向こう側の岸という意味。これは、ご先祖様がいらっしゃる極楽浄土を差します。ご先祖様がいらっしゃる彼岸と対照的にあるのがこの世をことを指す「此岸」です。

まだ生きている私たちは、この此岸側にいることになります。

【 お彼岸の考え方 】

★ そして、仏教では、此岸から極楽浄土である彼岸に行くにためには、「六波羅蜜」と呼ばれる6つの修行をしなくてはいけないのです。

・ そして、その修行をするのに最も適していた期間が、春分の日と秋分の日を中日とした前後7日間で、この期間を「お彼岸」と呼びました。

 

お彼岸の時期の由来

なぜお墓参りをする時期が、春分の日と秋分の日を中日とした、「お彼岸」なのかも気になるところ。仏教では、極楽浄土は西の彼方にあると言われています。太陽が真西に沈むのは、春分の日と秋分の日。

【 お彼岸の時期の由来 】

★ 春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さが同じであり、太陽が真東から昇って真西に沈んでいく日。

・ つまり、彼岸と此岸が対極にあると考えると、真東にある此岸から真西にある彼岸に向かって太陽が一直線に向かって沈んでいき、その道筋が見やすくなるという特別な期間という事なのです。

 

お彼岸に墓参りをするワケ

お彼岸は、前述のとおり、太陽が極楽浄土に向かって沈むため、此岸から極楽浄土の方角を見つけるのに最も適しています。要するに、煩悩の此岸にいる私たちでも極楽浄土を見つけやすいという事!

【 お彼岸に墓参りをする理由 】

★ このことから、お彼岸は、ご先祖様がいらっしゃる極楽浄土が、此岸にいる私たちと最も近づく日だと解釈されました。

・ お墓参りをして供養するにも最適だということになったのです。

現実世界にいる私たちには極楽浄土は見ることができませんから、ご先祖様がいらっしゃる場所がわかりやすい時期に、お会いして供養するという事です。

 

お墓参りのもう一つの由来

お彼岸にお墓参りをする理由は、ご先祖様にお会いしにいって供養をするという意味ももちろんありますが、日本ならではの理由もあります。

【 お彼岸にお墓参りをする、ふたつめの理由 】

★ 古来から日本人は農耕民族で、お米を育てて食物を得ていました。ですから、自然災害や天変地異から守って頂けるようご先祖様にお祈りをしていたのです。

・ そのお祈りの時期として、田植えをする春と収穫をする秋は、重要な時期であり、五穀豊穣をご彼岸の時期にご先祖様にお祈りしたという理由もあるのです。

これは他の仏教国にお彼岸の習慣がないにもかかわらず、日本にはある要因の一つなのかもしれません。

 

お墓参りに忘れてはいけないもの

お彼岸の語源や起源、また、お墓参りをする理由についてはお彼岸にお墓参りをする上で知っておいた方がいいベースとなる基礎的な知識ですが、実際にはお墓参りの仕方についても知識を身に付けておかなくてはいけません。

【 お彼岸のお墓参り 】

★ お彼岸にお墓参りをする時は、3つのことが欠かせません。

① まず線香です、線香は供養をする時に欠かせない物。

② 二つ目はお掃除です。

・ お彼岸にお墓参りをする時には、ご先祖様が眠る墓石をきれいにして差し上げなくては失礼になりますから、箒やタオルなどのお掃除道具は必需品です。

③ 最後にお供え物を供えてください。

お彼岸には邪気を払う小豆を使ったおはぎをお供えするのが風習ですが、お墓におはぎを置いてしまうと、カラスや猫の餌になってしまいますから、お供え物はお参りをする時だけお供えして持ち帰るのが基本です。

 

いかがでしたでしょうか、お彼岸の起源や歴史、また、お彼岸をする時期とその理由について基礎知識をお伝えしました。

これらの知識は知らなくてもお墓参りをすることは可能。しかし、お彼岸の時期はご先祖様にもっともお近づきになれる1年のうちでも、最も貴重な時期だということを知っていると、お墓参りに行く時の気持ちも変わります。

また、かつては農耕に対しての五穀豊穣を実現するために、お彼岸にお墓参りをしてご先祖様にお祈りをするという事でしたが、これは現代でも考え方によっては同じこととして捉えることができます。

学生であれば勉学を、社会人であれば、仕事や家内安全など、自分の身に関わることに関してご先祖様にお祈りできる貴重な機会です。

ですから、お彼岸にお墓参りをする理由は自分自身はもちろん、一緒にお墓参りをする家族にも教えてあげて、家族全員で神聖な気持ちでお墓参りをしに行くことをおすすめします。

まとめ

お彼岸にまつわる常識とは

・お彼岸は仏教が起源で、聖徳太子の時代からの習慣
・彼岸は極楽浄土で此岸が、自分がいる現実世界
・春分の日と秋分の日は、彼岸と此岸が最も近づく日
・お彼岸に墓参りをするのは、ご先祖様に近づける日だから
・お墓参りをするのは、五穀豊穣をお祈りするため
・お墓参りには線香、供え物、お掃除道具を忘れずに


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