突然の訃報で急にお通夜に参列することになった場合、服装などはどうしたらよいものなのか、戸惑ってしまう方もいらっしゃいますよね。特に、経験の少ない若い方は、通夜を含めたお葬式のマナーや作法についてはわからないことも多くあることでしょう。
お葬式と呼ばれる儀式の中には、お通夜の他にも告別式といったものもあり、よほど親しい人以外ではこのいずれかに参列することが一般的ですが、これらについても、どちらに参列すべきなのか迷ってしまうこともあります。
また、お葬式も時代とともに変化しているので、若い方だけでなく、何度か葬儀に参列している方でも、その時々で戸惑うことが出てくることでしょう。
そこで今回は、お通夜と告別式の参列の仕方など、お葬式のマナーについてお伝えします。
通夜と告別式ならどちらに参列?
葬儀のマナー
通夜と告別式の違いとは?
通夜とは、もともと故人との最後の別れの夜を意味します。故人の為に、近親者が冥福を祈りながら、思い出話などをしつつ、線香、ロウソクの火を一晩中絶やさないようにするものです。
最近では、近親者だけでなく友人や知人、会社の人なども、一緒に故人を偲びながら過ごす場となってきました。通夜は夕方に始まり、約1時間程度のものです。そこで、会社の仲間や友人なとが仕事終わりに通夜に駆けつけ、お別れをすることが増えてきています。
告別式とは、親族や知人が故人に対し、最後の別れを告げる儀式のことで、故人と最期のお別れをする場となります。
通夜、告別式の服装は?
故人と親しい間柄の方で、急に訃報が届いた場合は、仕事帰りでもお通夜に駆けつけることになりますが、その場合、服装は平装でも問題はありません。ただ、あまり派手な洋服やアクセサリーは考えものです。もし時間に余裕があれば、一旦帰宅して、地味なものに着替えた方が無難と言えるでしょう。女性の方は、派手めの化粧はもちろんのこと、ノーメークもNGです。ナチュラルメイクを心がけましょう。男性も仕事用のスーツで構いませんが、ネクタイピンは外します。
また、通夜の日程が逝去から数日後になったとしても、地味な平服で構いませんが、現在では礼服で参列するのが一般的です。
一方で、告別式の服装は通夜とは違い、必ず礼服でなければいけません。男性の場合は、黒のスーツ(シングルでもダブルでも可)に白のシャツ、黒のネクタイ、黒の靴が基本です。また、夏の暑い日でも長袖スーツを着用します。
女性の場合は黒のワンピースまたは黒のスーツ、黒のストッキング、カバンも靴も黒で統一します。アクセサリーもパールのネックレスのみ着用可能で、二連などの重ね巻きや大粒のものはタブーとされています。また、髪飾りやネイルなども派手なものは、避けた方が良いでしょう。
お子様が通夜・告別式に参列する場合は、学校の制服があれば、制服を着用するのが基本です。制服がない場合は、黒もしくは暗めのグレーや茶色系の地味な色の洋服を着用します。絵柄は避け、無地もしくはワンポイント程度の物を選んだ方が良いでしょう。
通夜と告別式どちらに参列?
通夜と告別式どちらに参列するのが良いかは、故人との付き合い・地域・ご自分の事情などによって異なりますので一概には言えませんが、故人とそれほど親しい間柄でなければ、訃報を知ってもすぐに通夜にはかけつける必要はありません。
まして、年賀状だけのやり取り、昔の学校の同級生で今は交遊がない人など、今現在お付き合いがあまりないのであれば、通夜は遠慮し告別式に参列する方が良いでしょう。また、告別式にも参列できないような場合には、告別式の日に弔電を打つようにします。
一方で、親しい友人・知人であっても、通夜にどうしても都合が付かず、参列できないのであれば、告別式のみの参列でも問題はありません。逆に、告別式にどうしても参列できない場合は、お通夜にのみ出席し、告別式には参列できない旨を親族に伝えるのが礼儀です。
また、告別式に参列することにした場合には、途中中座は失礼にあたるので最後まで参列するようにしたいものです。どうしても最後まで参列が難しい場合は、末席に座るように心がけましょう。
いかがでしたか。故人と自分が今どの程度親しい付き合い方をしているかで、通夜を優先させるのか、告別式を優先させるのかが決まって来ることでしょう。
最近では、仕事の都合から、日中におこなわれる告別式よりも、夕方に始まり短時間で終えることのできる通夜に参列することが主流となって来ている地域もありますし、親しい友人・知人でも告別式には出席せず、通夜にのみ参列するケースも増えてきています。
昔ながらの通夜、告別式の形態は崩さずに、今の時代にあった形で、後悔しない最後の別れ方を模索していかなけばならない時代になってきたと言えます。どちらに参列するとしても、故人の冥福を祈り、心穏やかにお見送りしたいものですね。
まとめ
通夜と告別式の違いとは
・通夜は故人との最後の夜を過ごす場、告別式は最後の別れをする儀式
・通夜は平服でも可能だが、告別式は礼服で参列する
・通夜と告別式、どちらに参列するかは、これまでの故人との付き合い方を考えて決める