暑中見舞いを初めて送る☆仕事相手にも安心の基本マナー


暑中見舞いは、最近改めて見直されている日本の文化。けれども年賀状は毎年送っていても、暑中見舞いは考えもしなかった!と言う方も多いですよね。そんな送る方の少ない暑中見舞いだからこそ、毎年送っていると相手の心に留まるもの…。

ただせっかく相手の心に留まっても、基本的なマナーを知らずにただただ送っていると、「何のハガキなのかな…。」と暑中見舞いのご挨拶と受け止められなかったり、もしかしたら、反対に不快なものとして記憶に残ってしまうかもしれません。

せっかく時間を掛けて暑中見舞いを準備しているのに、返って相手に悪印象を与えてしまう事態だけは避けたいですよね。そこで今回は、初めて暑中見舞いを送る際にも失敗しない、ごくごく基本的なマナーをお伝えします。

昔ながらの風習のひとつである暑中見舞い、伝統に倣った文面で挨拶のハガキを送ってみてください。

 

暑中見舞いを初めて送る☆
仕事相手にも安心の基本マナー

 

暑中見舞いを送る時期

「暑中」とは本来、昔ながらの暦で季節を見分ける、「二十四節気」の一時期を指していて、小暑(7月7日頃)から、立秋(8月7日頃)の前日までを表す季語。暑中見舞いですから、この時期に送る挨拶ハガキとなるのです。

【 暑中見舞いの書き方:送る時期 】

★ しかし、小暑の頃は日本の多くの地域ではまだ梅雨明けしておらず、暑さも本格的ではないことも…。

・ そのため通常は「梅雨明け~立秋の前日」に届くように、暑中見舞いのハガキを送ることが一般的。

このタイミングを逃した場合、続いては夏が終わる頃までの「残暑見舞い」として送ることに。暑中見舞いは送る時期やタイミングで、挨拶の言葉が変わります。

暫く会っていない方への暑中見舞い

暑中見舞いのご挨拶は、遠方に住んでいるなどの理由で、なかなか会えない方にこそ送りたいもの。と言うのも暑中見舞いの意味合いは、会えない相手の健康を気遣い、自分の近況を伝えるためにあるからです。

【 暑中見舞い、暫く会っていない方へ 】

★ 本来は相手の近況を伺ったり、健康を気遣う文面を入れる際には、季語を入れるのですが、暫くお会いしていない相手へはシンプルな文章も少なくありません。

・ 「ご無沙汰しておりますが、いかがお過ごしですか」

・ 「ご無沙汰ばかりで失礼しておりますが、お変わりありませんか」

…などなどの言葉で、相手の健康を気遣うのが適切です。

 

自分の近況報告をする

「暑中お見舞い申し上げます」などの挨拶文の後、相手の健康を気遣い、近況を伺う文面を入れたら、次は簡潔に自分の近況報告をするのが、昔ながらの流れ。ちょっと夏らしい言葉を入れつつ、「自分の事は簡単に」がポイント。

【 暑中見舞い、自分の近況報告 】

・ 「こちらは早くも夏バテ気味ですが、よく眠りよく動き、夏に負けないよう頑張っています」

・ 「こちらは皆元気でおりますので、どうぞご安心ください」

…などなど。

この際、例えば進学したり転居したりなど、自分達に変化があった場合には、その旨も添えておくと丁寧です。

 

相手方の無事を祈る

先ほども触れたように、暑中見舞いの最大の目的は相手の健康と、自分の近況報告。そのため、自分の近況を簡単に終えたら、改めて相手が元気に過ごすよう、願う言葉を添えて締めるのが通例。

【 暑中見舞い、相手の健康を願う 】

・ 「どうかくれぐれもご自愛くださいますよう、お祈り申し上げます」

・ 「どうぞお元気でご活躍下さい」

などなど。

以上が基本的な暑中見舞いの文面の流れ、この基本を押さえれば少しの余談もアリですが、ハガキだけに読みやすい分量で書くのが得策です。

 

暑中見舞いを書く際の、筆記用具

暑中見舞いは今では気軽に書く方も多くなりましたが、例えば上司など、仕事関係の目上の方であれば、その筆記用具まで気を配りたいもの…。

【 暑中見舞いの筆記用具 】

★ 目上の方に送る時、改まった気持ちで送りたい時は、万年筆書きがおすすめ!(インクはブルーブラックやブラック)。

・ 親しい友人に送る時や事務的な暑中見舞いなら、油性のボールペン書きでもOK。

ただし、どのような相手でも、あて名や文面をカラフルな色で書かないことは基本。特に赤は「不吉」「絶交」を示す色なので、NG!縦書き・横書きはどちらでもOKですが、縦書きの方がフォーマル。横書きは親しい方に向いているかもしれません。

 

「喪中」の時の考え方

年賀状は喪中の一年間は出してはいけないものですし、結婚式なども出てはいけない、とされているため、混同しやすのが喪中の考え方

【 暑中見舞いは喪中でも可 】

★ 相手方が喪中でも自分が喪中でも、暑中見舞いはそれに関係なく送ることができること、あまり知られていません。

・ ただし、一般的には「四十九日前(忌明け前)」は控えるようにしてください。

…と言うのも、お正月や結婚式は慶事でありお祝い事。お祝い事に不幸を持ち込んではいけない、とされているのですが、暑中見舞いは相手を気遣う挨拶であり、慶事ではないのです。

 

暑中見舞いを送る時期に迷ったら

暑中見舞いは梅雨明け~立秋の前日とされていますが、「自分の住んでいる地域が梅雨明けをしていても、相手方はまだ梅雨明けしていない!」なんて言うことも…。

このようなケースのため、実際に暑中見舞いを送る時には、相手方の地域の梅雨の状況を必ずチェックし、準備をしなければなりません。

【 暑中見舞いの書き方:梅雨明け宣言がされない! 】

★ ここで気をつけておきたいのは、年によっては天候不順で「梅雨明け宣言がなかなかされない」地方があること!

・ その場合は立秋まで様子を見てください。そこまで待っても梅雨明け宣言がされなければ「暑中見舞い」ではなく「残暑見舞い」として、ハガキを送るのが正解です。

 

いかがでしたでしょうか、今回は昔ながらの作法に倣って、初めての暑中見舞いでも失礼のないよう、基本的な暑中見舞いマナーをお伝えしました。たかが暑中見舞い、されど暑中見舞い。さまざまな気遣いや作法があることに、驚かれる方も多いのではないでしょうか。

最近では各家庭に電話はもちろん、パソコンやスマホまで、ハガキを出さなくてもお互いにふと連絡し合える環境にあるもの…。そのため、昔ながらの挨拶の風習も、その意味合いは薄れ、暑中見舞いや残暑見舞いの風習は消えつつあります。

暑中見舞いどころか近年では年賀状でさえ、若い方々を中心に「形だけの挨拶はいらない。」と言う考え方が増えてきました。ただその一方で、改めて昔ながらの風習に目覚め、その良さを継承している方々が増えてきたのも事実。

このような時代だからこそ、敢えてアナログなハガキで、相手の健康を気遣う挨拶をしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

暑中見舞いを送る基本マナーとは

・梅雨明け~立秋の前日までに送る
・久しい相手には「ご無沙汰していますが」を添える
・相手へのお伺いの後、自分の近況を書く
・最後に相手の健康を願って締める
・筆記用具は万年筆だと丁寧な印象に
・喪中でも、暑中見舞いが送れる
・梅雨明け宣言がなければ、残暑見舞いを送る


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