日本の冠婚葬祭のマナーって本当に難しいですよね。特に困ってしまうのが、お葬式の参列マナーです。お葬式は、前々から予定されている結婚式や他の式典と違って、急に出席しなければならないものです。何を着ていけば良いのか、何を持っていけば良いのか、葬儀香典はいくら包めば良いのか、表書きはどうしよう、何に包めば良いのだろう、とわからないことだらけですね。
婚家での葬儀などは、特に気を使います。気は心だからと旦那さんに言われ、形式は二の次にして適当に参列したら、お姑さんやうるさ型の親戚の目に留まって、後々まで嫌味を言われることに。。なんて、考えただけでもぞっとしてしまいますよね。
せめて、最低限の参列マナーと葬儀香典については、ちゃんとした知識を身に着けておきたいものです。そこで今回は、初心者でもすぐに分かる、恥をかかないための葬儀香典マナーについてお伝えします!
葬儀香典。初心者でもわかる
今すぐ役立つ3つの参列マナー
葬儀香典とは
最初に、葬儀香典とは何かということをおさらいしておきましょう。葬儀香典というのは、主に仏式のお葬式で、亡くなられた方の供養のためにお贈りするお金や品物のことをいいます。お香典の香の字はお線香のことで、かつてはお線香をお供えしたことの名残です。
現代の日本では、市販されている香典袋に相応のお金を入れて、お葬式やお通夜に持参、ご遺族にお渡しします。葬儀香典を準備する際、最初に迷うのが香典袋です。葬儀は冠婚葬祭の中でも宗教に関わる領域ですので、それぞれのご家庭の宗教、宗派にあわせた香典袋を用意することがまず大切です。
また、上書きは同じでも、正式な水引きの付いた香典袋と、印刷だけの簡易袋がありますね。急に知らせを聞いて準備できなかったときを除き、できるだけ、金額にふさわしい袋を用意しましょう。
あまり面識のない知人やご近所の方のご葬儀などに5000円程度の金額を包む場合でしたら、しっかりした水引き付きの香典袋ではなく、一回り小さい印刷タイプの簡易袋で十分です。逆に、親類の葬儀など、家族、夫婦で参列する際には、正式なタイプの香典袋が相応しいでしょう。
香典袋で気をつけるべき葬儀香典のマナー
香典袋として最も一般的に用いられるのは、「御霊前」と書かれた不祝儀袋です。これはあらゆる宗教、宗派の葬儀に用いることが出来るものなので、亡くなられた方の宗教がはっきり分からない場合に便利です。また、お通夜、お葬式のいずれにも使えます。
ただし、宗教がはっきり分かっている場合は、その宗教に応じた香典袋を用意するのが礼儀です。日本人は一般に宗教感覚が薄いといわれますが、なかには自分の宗派に誇りを持っている人もいます。日ごろのお付き合いで宗教心の深い人だと感じたら、その方の関わる葬儀では出来るだけその意思を尊重するようにしましょう。
ご葬儀を出すお宅が仏式の場合、葬儀香典の表書きは「御霊前」の他に、「御香料」「御香典」と書かれ手いるものを用います。神式の場合は、「御玉串料」、「御榊料」となります。日本ではあまり数は多くありませんが、キリスト教の葬儀の場合は、「御花料」が一般的です。
「御霊前」でも構いません。現在の日本では仏式でお葬式をする人が多いので、仏式の熨斗袋が多く流通しています。そのため、熨斗袋に蓮の花の絵や透かしが入っている熨斗袋がよくみられますが、蓮は仏教の象徴なので、神式やキリスト教式では用いることは出来ません。
香典の相場における葬儀香典のマナー
お香典は亡くなった方との関係と、自分の年齢などに応じて決めます。まず、年齢については、20代から30代の前半から40歳くらいまでとそれ以後に、大きく分かれます。
きっちり何歳から、ということではなく、例えば、34歳であっても結婚していて子供も大きく、会社でも役職についているというようなことであれば、多めに包むのがいいでしょう。逆に、38歳でも独身女性で仕事もしていないというようなことであれば、無理した金額を入れることはありません。
明らかに負担、と思われるような額を渡すほうが失礼になります。大雑把な目安として、20〜30代は両親の包む額より控えめにして大丈夫です。40代以上になると、所帯主は所帯主らしい金額が求められます。
結婚して所帯を持っている人、あるいは、親元を離れて独り立ちしている30代ー40代のヤングアダルトなら、友人や会社の同僚、上司などで5000円から1万円、祖父母や伯父伯母(叔父叔母)で1万円から3万円、両親(義両親)や兄弟で5万円から10万といったあたりが相場となります。
いとこ以上の遠い親戚やあまりお付き合いのないご近所なら、3000円ほどお包みしておけば良いでしょう。あまり深い知り合いでもないのに大きな額を包むと、かえってご遺族のご負担になりますので注意しましょう。
いかがでしたでしょうか。
葬儀香典は亡くなった方への最後のはなむけであると同時に、ご遺族に対する志となります。お贈りするときは適切な香典袋にいれ、お通夜か葬儀の場でお渡しします。香典袋は宗教によって用いる表書きが違いますので、亡くなった方、ご遺族の宗教に合わせて準備しましょう。
お香典の相場は、年齢や立場、また亡くなった方との関係によって変わってきますので、これらを考え合わせた上で決めてください。年齢的には40歳前後、さらに既婚者であれば、最低でも1万円程度は包むのが無難です。
葬儀は避けては通れない儀式、非常識な振る舞いをすると、本人だけではなく、配偶者まで笑われてしまいます。社会人として恥ずかしくないマナーを身に着けて、いざというときに備えておきましょう。
まとめ
葬儀香典のマナーとは
・香典とは供養のためにお贈りするお金や品物のことです
・ご家庭の宗教、宗派にあわせた香典袋を用意しましょう
・香典の金額は亡くなった方との関係と、自分の年齢などに応じて決めましょう