友人などから訃報の知らせが届くとお悔やみを伝えるものですが、すぐに駆け付けられない場合など、メールでお悔やみを送ろうかなと考えることがありますよね。けれど、本来は直接会ったときにお悔みを伝えるものなのに、メールでもよいのだろうかと悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
相手との間柄や状況によっては、お悔やみをメールでも送ることができます。それでも、「お悔み申し上げます」のほかにどのような文章を書いてお悔やみのメールを送ればよいのかわからなかったりと、メールとはいえ、お悔やみを送るのは難しい面もあります。
大切な人を亡くし、落ち込んでいるであろう相手に送った自分のメールで更に落ち込ませないためにも、お悔やみメールの大切なポイントを知っておきたいですよね。
そこで、今回はお悔やみをメールで送るときに気を付けるべき5つのポイントをお伝えします。
お悔やみメールで
気を付けなければならない5つの事柄
お悔やみメールを送ることができる場合
お悔やみをメールで送っても大丈夫な場合ですが、まずは「メールで訃報を受け取った」ということが大前提となります。
また、友人や知人といった親しい関係の相手、そして、取引先や会社の関係者などのビジネス関係の相手にはお悔やみメールを送ることができます。おそらく、このような関係の相手でなければ訃報をメールで送ってくることはないでしょう。
ひとつ、心にとどめておいていただきたいのは、お悔やみのメールは正式なものではないということです。メールでのお悔みはあくまでも略式ですので、お通夜や葬儀に参列した際には、改めてお悔やみを伝えるようにしましょう。
お悔やみメールの題名に気を付ける
友人から訃報のメールを受け取ったときなど、普段からの付き合いがあるとつい題名に「大丈夫?」や「あまり落ち込まないで」などといった題名にしてしまいがちです。友人同士ならば許されるかもしれませんが、ここはしっかりと題名は「お悔やみ申し上げます」としましょう。
おそらく、ほかの友人や関係者にも相手は訃報のメールを送っているでしょうから、名前も入れると親切です。特にビジネス関係の相手だと友人同士よりもたくさんのメールが来るでしょうし、場合によっては迷惑メールと思われる可能性もあるので、題名は「お悔やみ申し上げます、○○より」とするようにしましょう。
訃報のメールにそのまま返信するときなどは、特に気を付けて題名を書き換えるようにしてください。
お悔やみメールで使ってはいけない言葉
お悔やみメールを書き始めるときは「お悔やみ申し上げます」と書きますが、この時、時候のあいさつは必要ありませんので書かないようにします。
また、忌み言葉と重ね言葉も使用してはいけません。忌み言葉は、「切る」、「別れる」、「壊れる」といったマイナスのイメージを抱く言葉を言います。そして、重ね言葉は「度々」、「ますます」、「重ね重ね」など同じ言葉を繰り返す言葉になりますが、これは弔事を繰り返すというイメージがあるため、使用を避けます。
忌み言葉と重ね言葉は不幸の場合だけではなく、結婚式などの慶事でも使ってはいけない言葉なので、礼儀作法として覚えておきましょう。
また、ビジネス関係の場合は、特に言葉遣いにも気を付けてお悔やみのメールを書きましょう。
お悔やみメールに相手を気遣う一文を入れる
まず初めには「お悔やみを申し上げます」といったお悔やみを述べる文章を記載します。その後「頑張りすぎないでください」や「ご自身も体調を崩されないようにしてください」など、相手を気遣う一文を本文にいれるようにします。また、「何かできることがあれば連絡をください」などの一文でも、相手の気持ちを少しでも支えてあげることができるでしょう。
また、お悔やみのメールに返信する時間も相手にはない可能性があるので、最後に返信は不要だということも書いておきましょう。
例えば、友人や知人の場合でしたら、このような文章はいかがでしょうか。
件名:お悔やみ申し上げます、○○より
本文:○○様がご逝去されたと聞き、謹んでお悔やみ申し上げます。
こういう時だから元気にしていなければ、と無理をしているのではないかと心配しております。どうかご自身の気持ちを大切にして、ご自愛ください。
なにかできることがありましたら、ご連絡ください。返信は不要です。
お悔みメールでの商談はお悔やみを伝えた後で始める
ビジネス関係者から訃報が届いたとき、商談の最中という場合もあります。このような場合は、まず、お悔やみを伝えてから商談の話をしましょう。お悔やみのみのメールを送る際は、「お悔やみ申し上げます、△△会社◇◇より」という題名でよいですが、商談がある場合などは、その内容に合わせた題名にしましょう。
お悔やみのみでしたら、次のようになります。
件名:お悔やみ申し上げます、△△会社◇◇より
本文:○○様
お世話になっております。
お身内にご不幸があったと伺い、大変驚いております。
△△様(亡くなった方)のご冥福を心よりお祈りし、お悔やみ申し上げます。心身ともにお辛いときにご連絡をいただき、ありがとうございました。本来でしたら、直接お目にかかりお悔やみを申し上げたいところではありますが、略儀ながらメールにて失礼いたします。
また、商談などがある場合のお悔やみメールは、次のような例文になります。
件名:○月△日の件について
本文:○○様
お世話になっております。
□□様の突然の訃報を知り、大変驚いております。
略儀ではありますが、謹んでお悔やみを申し上げます。
大変な最中にご連絡をいただきましてありがとうございました。このような時に恐縮ではありますが、表題の件に入らせていただきます。
(ここからは仕事の内容を書く)
いかがでしたか。このように、お悔やみをメールで送ることができる相手は限られてはいます。メールでのお悔やみは略式ではありますが、すぐに送ることができますし、親しい人にとっては一通のメールが大切な人を失って憔悴した心の支えになることもあります。
ただ、お悔やみメールは略式のものとは言え、訃報に際するものですから、あくまで丁寧な言葉遣いや、忌み言葉や重ね言葉を避けるなど、最低限礼儀をわきまえた文章が求められます。亡くなった方の箇所には、お父様、お母様、ご祖父様、ご祖母様、お姉様、お兄様など、敬称となる「お・ご」と「様」をつけるようにし、親しい間柄でもきちんとした文章を心掛けましょう。
大切な人を失った知らせである訃報のメールには、亡くなった方の冥福を祈り、相手を思いやる気持ちを込めたお悔やみメールで返したいものです。そっと相手の心に寄り添って支えてあげられるようなお悔やみのメールを送りましょう。
まとめ
お悔やみメールで気を付ける5つのポイントは
・お悔やみをメールで送れるのは親しい友人や知人、ビジネス関係者
・題名は「お悔やみ申し上げます、○○より」などわかりやすいものにする
・忌み言葉、重ね言葉に気を付ける
・相手を気遣う一文を入れる
・ビジネス関係者の場合、商談はお悔やみを述べたあとで始める