やむを得ない理由で葬儀に参列出来ない場合に送られるのが弔電です。故人への想い、ご遺族への弔意を表す為に送ります。そんな弔電を頂いた場合に必要となるのが「御礼状」ですね。
接する機会のない弔電のお礼状ですから、どんな文章を記載すれば良いか分からないと言う方も多いでしょう。今日は、そんな場合に備えて「弔電のお礼状の書き方と例文」を紹介します。
亡くなった方の立場に合わせて様々な例文を記載しますから、ご自身に合わせてご使用下さい。聞き慣れない言葉、見慣れない言葉の解説も添えて紹介します。
マナーに沿った内容で、送って頂いた相手に失礼とならないよう配慮していきましょう。故人、またご自身の感謝の気持ちが伝わるお礼状にして下さいね。
弔電のお礼状はどう書いたらいい?
文例集と解説
書き方の注意点を知っておこう。
まずは弔電のお礼状、書き方の注意点を抑えておきましょう。
「、」や「。」と言った区読点、諸説ありますが用いる必要はありません。書状が毛筆で書かれていた時代からの習わしでもあり、また葬儀が滞りなく終わりましたという思いを込めて、文章が途切れる区読点は不要とされているからです。
また読み手に対する敬意から区読点は用いらない、と言う説もあります。色々なテンプレートがありますが、礼節を重んじる場合、区読点は用いらずに送った方が宜しいでしょう。
これから例文を紹介していきますが、ご使用の場合は、全て「縦書き」で作成して下さい。
故人父、お礼状の文例を見てみよう。
「拝啓 このたびは 亡父 ○○儀の永眠に際しまして お心のこもったご弔電を賜り厚く御礼申し上げます
おかげさまで葬儀告別式は滞りなく済ませることができました
○○様より賜りました生前のご厚情に心より御礼申し上げますとともに 父亡き後も生前同様のご厚誼を
賜りますようお願い申し上げます 略儀ながら書中を持ちましてお礼申し上げます 敬具」
平成○○年○○月○○日
○○○○様
〒・住所
喪主名、その横に親族一同
全て縦書きです。最初の○○の所には、故人のお名前を入れて使用して下さい。
故人母、お礼状の例文を読んでみよう。
「このたびは 故○○儀 葬儀に際しましてご多忙中にもかかわらずご丁重な弔電を賜り厚く御礼申し上げます
私どもも温かいお心遣いに励まされ おかげ様で葬儀も滞りなく相営むことができました
茲に生前のご厚情に感謝申し上げますとともに 今後も変わらぬご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
本来ならお目にかかってご挨拶を申し上げたいところではございますが略儀ながら書中にて失礼いたします」
平成○○年○○月○○日
喪主名
送る相手が故人と縁が深い場合、親族一同と喪主名の横に記載して下さい。
故人祖父母、お礼状を見てみよう。
「謹啓 このたびは 亡祖父(母)○○の葬儀に際しまして ご丁重な弔電をいただき 誠にありがとうございました
生前親しくしていただいた○○様のお心遣いと温かいお言葉に祖父(母)も喜んでいることと思います
お蔭をもちまして 葬儀も滞りなく執り行わせていただきました
祖父(母)が生前賜りましたご厚情にあらためて感謝いたしますとともに 今後も私どもに変わらぬご指導いただけますよう よろしくお願い申し上げます 敬白」
平成○○年○○月○○日
喪主名(必要な場合は親族名)
送る相手がご自身と面識がなく、どう言った相手か分からない時には「謹啓・敬白」を使用すると良いでしょう。
会社宛へ出す場合の例文を読んでみよう
「謹啓 皆様方には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます
このたび 亡○○儀の葬儀に際しましご鄭重なるご弔電を賜りまして ご芳情の程有難く厚くお礼申しあげます
おかげさまをもちまして葬儀も滞りなく済みましたことをご報告いたします
早速拝眉の上親しくお礼を申し上げるのが本意ではございますが
略儀ながら書中をもちまして謹んでお礼のご挨拶を申し上げます 敬具」
平成○○年○○月○○日
〒・住所
喪主名(必要な場合は、横に「親族一同」と記載)
あまりにも堅苦しいと感じる場合は、文章を変えて使用すると良いでしょう。
弔電お礼状の文章構成を知っておこう。
お礼状の文章構成です。
まずは冒頭部の頭語、「拝啓・謹啓」は用いた方が、より丁寧なお礼状になります。次に故人名、「亡父 ○○儀」「故 ○○儀」の2パターンの記載法がありますが、どちらでも構いません。
「儀」を使用すると、より丁寧な印象ではありますが、使用しなくても大丈夫です。文中は、弔電を頂いた事へのお礼を述べ、葬儀が終わった事を報告する文章にします。文末は、略儀である事を伝えるか、ご指導のお願いを述べるかのどちらかで締めると良いでしょう。
頭語を使用した場合は、結語「敬具・敬白」も忘れず記載して下さいね。
文例の用語をチェックしよう。
では、文章内に出てくる気になる用語をチェックしてみましょう。
まず始めに「儀」です。「○○のこと」「○○に関すること」と言う意味で、身内のみ使用出来る言い回しになります。遺族だからこそ記載できる呼び捨ての書き方です。
次に「茲」、(ここ)と読みます。通常使用されない言葉ですが、改まった席や場合に使用する書き方です。
では「拝眉」。(ハイビ)と読み、人に会う事の謙譲語になります。「お目にかかって」や「参上して」の言い方と同じですが、より丁寧な言い回しです。
では、最後に頭語・結語を見てみましょう。一般的なのが「拝啓・敬具」ですね。
殆どの場合、こちらの頭語と結語で構いませんが、会社宛や故人とどういった関係にあるか分からない立場の方に送る場合は、「謹啓」(キンケイ)を用いると、より丁寧になるでしょう。
いかがでしたか。
弔電のお礼状作成、参考になりましたでしょうか。もしも香典や供花等も一緒に頂いた場合は、その事にもきちんと触れてお礼して下さいね。使用する用紙はハガキ、手紙のどちらでも構いません。
手紙で送る場合は、グレーや白等、地味な色合いの便箋を選んで下さいね。
また手書き・印刷もどちらでも宜しいですが、手書きの方がより心のこもったお礼状になるでしょう。ご自身の気持ち、また故人との関係性に合わせて選んで下さいね。
感謝の気持ちが伝わる、お礼状を作成してみましょう。
まとめ
弔電のお礼状はどう書いたらいい?文例集と解説
・書き方の注意点を知っておこう。
・故人父、お礼状の文例を見てみよう。
・故人母、お礼状の例文を読んでみよう。
・故人祖父母、お礼状を見てみよう。
・会社宛へ出す場合の例文を読んでみよう。
・弔電お礼状の文章構成を知っておこう。
・文例の用語をチェックしよう。