訃報は文例を基に連絡することで、突然のことで慌しい準備のなかで、大切なことを漏らさず伝えることができます。突然の訃報と慌しさに、誰でも細かな段取りなど、忘れがちになりますよね。
大切な人を亡くしたとき、まず初めにすることと言えば、知人や関係者に訃報を届けることです。
身内を亡くしたとき、会社関係者に不幸ごとがあったときなど、誰もが訃報を届ける機会がないとは言いきれません。もし自分が訃報を届ける立場になったら、一体どんな言葉で伝えればいいのでしょうか。
突然のことですから、電話やFAXでの連絡が一般的と言えますが、会社関係の場合には電子メールを利用して一斉に伝える方法が確実です。ただ、必ず伝えなければならないことが、たくさんあります。
そこで今回は、いざというときにも困らない、訃報の文例集を目的やシーン別にお伝えします。
訃報の文例集。
会社や親族・葬儀スタイル別、7つの基本
訃報の文例で必ず入る内容
訃報を連絡するとき、一番伝えなければならないことは、「いつ」、「誰が」逝去されたのかということです。これは本当に基本の情報で、この情報がないと訃報にならないと言ってもいいほどです。
【 訃報の文例に必ず入る内容 】
■ 「いつ」、「誰が」
・ その他には喪主が誰なのか、喪主から見た故人の続柄、通夜、葬儀などのスケジュールを伝えます。
葬儀の方法は日本人であれば仏式が多いでしょうが、念のため葬儀の方法も伝えておくと安心です。
喪主が伝える場合の訃報の文例
【 訃報の文例1:自らが喪主となり、伝える場合 】
====会社関係者への報告====
平成○年○月○日
○○部○○課長 ○○殿私の父が他界しましたので、下記のとおりご報告申し上げます。
死亡日時:○月○日 ○時○分
死亡者氏名、享年:○○ ○○ (○○)
続柄:父
通夜:平成○年○月○日(曜日) ○時○分より
葬儀告別式:平成○年○月○日(曜日) ○時○分より
場所:斎場名、住所、電話番号を記載
仏式:宗派を記載
喪主:○○ ○○
備考:就業規則第○条により、○月○日から○日間休暇を取得させていただきます。
連絡先:住所、氏名、電話番号などを記載
【 訃報の文例2:親族へ伝える場合 】
====親族への報告(FAXの場合)====
本日、○時○分に父が亡くなりました。葬儀、告別式の日程はまだ決まっていませんので、決まり次第連絡します。遺体は自宅に安置していますので、どうぞご面会にいらしてください。
連絡先:電話番号と氏名を記載
他人が伝える場合の、訃報の文例
【 訃報の文例3:他人の訃報を伝える場合 】
====会社関係者(社内)への報告====
平成○年○月○日
各位○月○日○時○分に、○○課の○○ ○○様のご尊父が享年○歳で永眠されました。
ここに心から哀悼の意を表すとともに謹んでお知らせ申し上げます。
なお、通夜、葬儀、告別式は下記のとおり執り行います。
記
通夜 ○月○日(曜日) 午後○時より 自宅にて
葬儀、告別式 ○月○日(曜日) 午後○時より ○○斎場にて
場所 自宅住所と電話番号を記載
斎場住所と電話番号を記載喪主 ○○ ○○
以上
====会社関係者(社外)への報告====
平成○年○月○日
○○株式会社 御中
○○株式会社 代表取締役 ○○ ○○様訃報
弊社○○○○儀。かねてより病気療養中のところ、○月○日○時○分に享年○歳にて永眠いたしました。
ここに生前のご厚誼を感謝いたしますとともに謹んでお知らせ申し上げます。
つきましては、通夜、葬儀、告別式を下記の通り執り行いますので、あわせてお知らせ申し上げます。
記
通夜 ○月○日(曜日) 午後○時より
葬儀、告別式 ○月○日(曜日) 午後○時より
場所 斎場住所と電話番号を記載
仏式 (宗派を記載)
喪主 ○○ ○○(続柄)
連絡先 総務部 (電話番号を記載)
以上
訃報を届ける範囲を決めておく
大切な人を亡くしたとき、悲しみと動揺で何も考えられなくなる前に、訃報を届ける範囲を決めておくことが大切です。送る相手に合わせた訃報の文例を参考に組み立ててください。
【 訃報を届ける範囲は早期に決める 】
■ 親族、会社関係、近所はどの程度伝えるのか、バタバタしてからでは十分に訃報を届けることができない可能性もあります。
・ そうなる前に、訃報を届ける範囲をある程度決めておくと、いざというときにも対応できます。
訃報の文例を参考に、届ける相手を想像してまとめておくことがポイントです。
葬儀のスタイルを決める
上記の訃報の文例では、いずれも葬儀に参列してもらうことを仮定した文例として記載しましたが、弔問客を招かず、親族のみで通夜や葬儀などを執り行う家族葬の場合もあります。
【 家族葬のスタイルを選ぶ場合 】
■ この場合には、家族葬で執り行う旨を記載する訃報の文例を引用するようにします。
・ その他にも、供物を受け取るのか断るのかなども決めておく必要があり、断る場合にも訃報の文例に、付け加えなければなりません。
葬儀の参列や供え物を断る場合
葬儀の参列や供え物を断る場合には、こちらの訃報の文例を参考にしてみてください。
【 訃報の文例4:葬儀の参列、供物を断る場合 】
○○部○○課長 ○○殿
私の父が他界しましたので、下記のとおりご報告申し上げます。
死亡日時:○月○日 ○時○分
死亡者氏名、享年:○○ ○○ (○○)
続柄:父
ここに心から哀悼の意を表すとともに謹んでお知らせ申し上げます。
なお、故人の生前の意思により、葬儀は家族葬にて執り行いますので、ご厚志につきましては誠に勝手ながら辞退させていただきます。
葬儀を済ませた後に伝える訃報の文例
葬儀は親族だけで行い、後日大切な人を亡くしたことを知らせる場合は、だいたい初七日の頃を目安に訃報を届けるのが一般的です。また、葬儀に弔問客を招かなかった場合は、別途「お別れの会」を開くこともあります。
では、後日訃報を届ける場合の文例です。
【 訃報の文例5:葬儀後の訃報・「お別れの会」を開催 】
○○部○○課長 ○○殿
去る○月○日に父が享年○歳にて生涯を全うし、永眠いたしました。ここに故人が生前中賜りましたご厚誼を深謝し、謹んでご通知申し上げます。
なお、葬儀につきましては故人の遺志に従い家族葬にてすでに済ませました。
ご連絡を差し上げませんでしたご無礼をなにとぞお許しください。
略儀ながら謹んでご通知申し上げます。
いかがでしたでしょうか。訃報の文例の内容は状況によって様々ですが、伝えるポイントはどんな時でも同じです。昔とは違い電子メールでの訃報の文例も普及していますので、参考にしながら伝える点をまとめてください。
会社であれば訃報の文例がすでに用意されていることもあります。訃報の文例(テンプレート)の有無を事前に確認しておくことも大切です。訃報の文例(テンプレート)があれば、その文例を参考に作成するのも一案です。
喪主が自ら訃報を届ける場合には、突然の出来事に大切なことを伝え忘れてしまう可能性もないとは言い切れませんので、あらかじめメモをしておくことをおすすめします。
また、会社関係であれば社内、社外のどこまで訃報を届けるのか迷うこともありますので、事前にリストアップしておくことで、送信者も困らずに済みます。訃報の文例、ぜひ、参考にしてみてください。
まとめ
訃報の文例で参考にしたい、大切なポイント
・いつ、誰が逝去したのかを伝える
・喪主がだれなのか伝える
・通夜・葬儀・告別式のスケジュールを伝える
・葬儀の方法(宗教)を伝える
・訃報を届ける範囲を決めておく
・家族葬にするのか弔問客を招くのか決めておく
・葬儀を済ませた後に知らせる場合は、初七日の頃を目安に伝える