納骨での服装について、そのマナーを考えたことがある人は少ないですよね。通夜や告別式などの葬儀の時には、どんな服を着ていくべきか、小物はどのような物を持つべきか…。
事前に良く調べて準備をするケースが多いですが、納骨式はまだ先のものと思っていることも。けれども、実際には意外とあっという間にやってきます。
特に故人の遺族や親族の場合、大切な人が亡くなってしまったという、精神的なダメージを受けている時に、遺品整理や保険などの諸々の手続きや処理をしなくてはいけません。
時間はあっという間に過ぎてしまい、納骨の時の服装を準備するというところまで、頭が回らないことが多々あるのも仕方がありません。しかし、納骨式では服装も重要なマナーですよね。そこで今回は、納骨の服装について基本的なマナーを解説します。
納骨の服装、基本マナー。
準備で迷った時の基準とは
納骨とは
納骨の服装マナーを理解するにあたって、まず知っておくべきことがあります。それは、納骨とは何が目的でどのようなことをする儀式なのか。
【 納骨の服装:目的を理解する 】
■ 納骨とは、火葬によって遺灰になった故人のお骨をお墓に埋葬したり、納骨堂に納める儀式のことを言います。
・ 納骨式という儀式では、僧侶にお願いをして正式な儀式をあげてもらいますから、当然出席する側には納骨の服装マナーがあります。
納骨の時期
納骨の服装の準備をするには、納骨式がどのくらいの時期に行われるものなのかを知っておかなくてはいけませんが、実は、納骨の時期には決まりはありません。
【 納骨の服装:納骨の時期 】
■ ただ、一般的には火葬後に仏壇に遺灰を置いておき、四十九日法要の際に納骨をするケースが多くあります。
しかし、もう少し一緒にいたいという親族の思いから四十九日を過ぎても納骨をしないケースも…。納骨の時の服装は、この時期によっても多少異なるので、注意が必要なのです。
時期によって異なる納骨の服装
納骨の時の服装は時期によって異なります。喪主をはじめとした故人の親族の場合には、時期に関わらず、納骨の服装は喪服。正式な喪服を着ることが望ましいため、葬儀の時と同じ服装をします。
【 納骨の服装:時期によって違うマナー 】
■ しかし、一周忌やそれ以降に納骨をする場合、葬儀から大分日にちが経過しているということで、近しい親族でなければ、略式の喪服か地味な色の平服でも問題ありません。
関係性によって異なる納骨の服装
時期によって納骨の服装は異なるとご説明しましたが、さらに故人との関係性によっても服装は異なります。例えば、親族ではない一般の参列者は、四十九日法要の時に納骨をする場合でも正式な喪服ではなく、略式喪服でもOKとされているもの。
【 納骨の服装:関係性によって違うマナー 】
■ もし自分が親戚以外の人の納骨式に参列する時には、親族の方々より正式な喪服を着るのは失礼になりますから、むしろ略式喪服を着ていった方がマナーとしては良いとされることもあります。
学校の制服
子供の場合、納骨の喪服も略式喪服になりそうな服を持っていないケースが多くあります。しかし、よくあるのは、おばあちゃんやおじいちゃんが亡くなった時に孫が納骨式に出席するというケース。
【 納骨の服装:子どもの場合 】
■ このような場合には、子どもがもし学校指定の制服を持っているのであれば、制服を着ていくのが、最も安心。
・ 制服がない子供の場合は、男の子なら白いシャツに黒やグレーのセーター、女の子なら、黒やグレー、濃紺などの暗い色のワンピースやスカートを履けば問題ありません。
小さな子供の納骨の服装
未就学児の子供が納骨式に出席する場合、納骨用に服装を一から用意しなくてはいけないこともあるため、事前に準備が必要。子供の服は明るい色や可愛いデザインのものを選ぶことが多いですから、意外と黒やグレーの無地の服は持っていないものです。
【 納骨の服装:小さな子どもの場合 】
■ 乳幼児をはじめ、未就学児の場合には、あまりうるさく服装を言われることはありませんが、それでもやはり基本的には、黒、グレー、濃紺の3色の服を着用するべき。
・ キャラクターや柄が入ったものは避けなくてはいけません。
バッグや靴などの小物
納骨式の服装で忘れてはいけないのがバッグや靴などの小物のマナー。法要の時に納骨式をすることが多いですが、法要の後には会食をしたり、外を移動するため、バッグは大き目のものを選ぶと便利ですが、服装のマナーは守らなくてはいけません。
【 納骨の服装:バッグや小物 】
■ 納骨の服装は、葬儀と同じで皮製品や柄物は避けなくてはいけません。正式には黒色の無地で布地のものを選んでください。
・ エナメルや光沢があるものは避けるべき。荷物が多い場合には、黒色の布地のサブバッグを持つ方法はいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか、納骨の服装のマナーは意外とあえて調べないという人が多くいます。葬儀が終わったからと、気を抜いて普段通りの平服で出席してしまう人も珍しくありません。
しかし、葬儀が終わっても周期ごとに法要があるように、故人に対しての供養の儀式は長らく続きます。どれだけ年月が経過していても、法要は正式な儀式ですから、当然、納骨の際にも服装マナーを守って丁寧に参加したいもの。
とはいえ、葬儀が終わってから一周忌を過ぎたら、正式な喪服を着るケースが少なくなりますし、故人との関係性が遠いにも関わらず、正式な喪服を着ると親族に失礼になることも…。
つまり、納骨の服装は、「葬儀からどれくらいの年月が経過しているか」という時間軸と、故人とどの程度近い間柄だったかという、距離軸の2点で判断することがポイントなのです。
今回お伝えした納骨の服装マナーを参考に、納骨で失礼のない服装で参加してください。
まとめ
基本的な納骨の服装とは
・納骨とはお骨をお墓や納骨堂に納めること
・納骨は四十九日法要の時もしくはそれ以降で行う
・納骨を行う時期によって着る服装は異なる
・故人との関係性によって着る服装は異なる
・制服がある学生の場合は学校の制服でOK
・小さな子供が参列する場合は地味な平服を着させる
・バッグや靴は布製の黒色無地が正しい服装